今日は、築地の秋のお祭りのよう。
あまりの人手に、行くのはやめて、朝から決めていた、「週末限定粗挽きそば」を食べようっ、と一路経堂へと向かう。
し、しっかし・・・、
小田急線っていつの間にこんなに電車の種類が増えちゃったのかしら~。
快速急行?多摩急行?し、知らないっっ。
それでも、すっかり様変わりしたとはいえ、経堂の町に降り立つと、やっぱりほっとする。ところどころには、懐かしい面影が残り、前回同様にゆっくりと周りを見渡しながら、目的のお店へ・・・。
学生の多い農大通りから一本入った横道が、ふっと開けた場所に、ここだけ違う空気が漂うかのような、しっとりとした風情。
早くも3年がたったとのこと、なんだか威厳さえも加わったような、素敵な店構え。
「手打蕎麦 水埜」
なびく暖簾をくぐり、扉を開けると正面にはスンっと照明を落としたテーブル席。そして左手にはカウンター席がいくつか並ぶ。
一人であることを告げると、今日はこのカウンター席に通される。すでにお客さんが寛いでいて、私は入り口近くの席に腰を下ろす。
このカウンターに是非座ってみたいと思っていたので、ちょっとうれしい。テーブル席とは違い、外の光が格子の柱を通して注ぎこまれ、これがなんとも気持ちがいい。
ご主人の仕事の様子も垣間見れるのも又楽しいところ。
さてさて・・・、
すっかり頭から決めていた「週末限定の粗挽き蕎麦」だが、どこにも文字がなく、以前の花番さんと変わって、フロア担当の男の人に尋ねると、今日は特別に「栗切り」を打ったとのこと。
ええっ 粗挽きが食べたかったんだが・・、
とちょっと残念だったけど、こちらの蕎麦は久しぶり♪
ま、又の機会の楽しみにしておこうっと。
・・・で、やっぱりずっと気になっていた 「ほろ酔い膳」をお願いする。
お酒とつまみ2品とお蕎麦のセット。なーんて気の利いたセットかしらん~と、ずっと頼んでみたかったもの。
お酒は、丸真正宗と浦霞の二つから選べるよう。
丸真正宗も、飲んだことがなくちょっと気になったが、昼酒になかなかご機嫌な浦霞を選ぶ。
突き出しは、蕎麦味噌。
柔らかめで、濃すぎない蕎麦味噌。
これで、ちびちびっとやっていると・・・
「ほろ酔い膳」の品々が、順をもって出される。
まずは、焼き味噌。しゃもじに焼かれた焼き味噌は、白味噌仕立ての、ふわりとした風味。練りこまれた葱や蕎麦の実が香ばしく、よく味わうと山椒の風味も混じっている。これが珍しい。しかし・・、焼き味噌ってなんってお酒にぴったりなんだろう~
そして、ちょっと置いて、板わさと選べる「蕎麦豆腐」。
ぷるるんっとした蕎麦豆腐で、たっぷりの蕎麦汁に敷かれて出される。
味わいの優しい蕎麦豆腐に、山葵と下の汁が交わり滋味深い風味。混ぜ込まれたそばの実が、時々あたるのがおもしろくも香ばしい。
一人でのんびりと味わわせて頂いて・・・、そろそろお蕎麦を。
目の前に出された「もりそば」は、記憶の中にあったものよりも、心持ち太め(とはいっても、十分細切りだが)に変わってる。以前は、あまりにも細切りなんだなぁ、と思ったものだが、いわゆる江戸蕎麦の細切りの感じ。きりりっとした切り口で、潔さを感じさせる。
口に含むと、しっかりとした腰。
やや香りは穏やかだが、十分に蕎麦の風味が広がる。聞くと、北海道のキタワセの新そばとのこと。かみ締めていくと、後に甘みを残していくもので、これは美味しい。
そのままでも美味しいが、やや濃い目の汁をちょっと浸して食べるのも又いい。
きちんとした量の蕎麦で、これでもすっかり十分ではあったのだけど・・・。
年に4回しか打たないという変わり蕎麦に出会えたのも、又とないチャンス、是非頂いてみたい・・、という気持ちがムクムク
お願いして、「栗切り」を半分だけ頂くことに。(ご主人、ありがとうございます!)
目の前に置かれた「栗切り」は、黄色を想像していたが、薄めの更科のよう。やや「もり」より太めの感じだが、その切り口の鋭さは同様。
ぴんっと張ったような面持ちで、これも美しい。
口に含むと、「もり」とは又、まったく違うぷりぷりっとした感触。香りは、あまり栗の風味はしないが、かみ締めると、ほんの~り優しい甘みがふわりと。去年「布恒」さんで頂いた「栗切り」とも又違う。
うれしい心配りは、半分だけだが、きちんと汁を変えて下さること。
こちらの変わりそばには、「もりそば」よりも、やや薄めの鰹の風味がより感じられるすっきりとしたものが出される。
すっか~り満足して、熱々の蕎麦湯を頂く。
二種の汁を割って頂くと、さらにその違いが明確で、ご主人の拘りをしみじみと感じられる。
いいねぇ、ここ・・・
他にお客さんもいなくなり、しばしご主人とお話もさせて頂き、なんだかとてもうれしい。
どこそこの蕎麦との色がつきたくなくて・・と、独学で始めたというご主人は、話しだすととても笑顔の優しい方。
はぁ~・・・、来てよかったなぁ。
今日は、本当に(栗切りまで・・)本当にご馳走さまでした~
是非是非、次回は「粗挽き十割蕎麦」を頂きにきま~す。
*ほろ酔い膳 1,800円
「手打蕎麦 水埜」
世田谷区経堂1-27-13
03-5450-3141
11:30~14:30 / 17:30~20:30(土~21:30)
月曜・第3火曜休
お店のHP
- 関連記事
-
- 三軒茶屋 「東風」 (2007/05/22)
- 千歳烏山 「典座」 (2007/05/14)
- 宇奈根 「山中」 春に酔う~桜きり (2007/04/04)
- 尾山台 「三稜」 (2007/03/27)
- 経堂 「水埜」 粗挽きそば (2006/12/02)
- 下北沢 「打心蕎庵」 開店♪ (2006/11/22)
- 宇奈根 「山中」 (2006/11/07)
- 経堂 「水埜」 (2006/10/14)
- 千歳台 「蕎亭 仙味洞」 (2006/07/02)
- 岡本 「き乃や」 閉店 (2006/06/11)
- 千歳台 「仙味洞」 とろろそば (2005/12/10)
- 下北沢 「くりはら」 (2005/11/18)
- 千歳台 「仙味洞」 鴨汁そば (2005/11/06)
- 三軒茶屋 「東風」 (2005/08/05)
- 下北沢 「七つ海堂」 (2005/08/01)
「ほろ酔い膳」は、とてもうれしいし、
雰囲気もご主人も素敵なお店です。
温かいそば・・・、そういえば、私もこちらではまだ頂いたことがありませんでした。
そろそろ、秋風肌寒くなってきたので・・
食べに行ってみたくなりました。
コメントありがとうございます。
と言っても、一ヵ月半ほど前ですが。
お店の雰囲気も良いし、お酒も嬉しい品揃え。
また、お蕎麦がきれいで、量も充分。
温かい蕎麦もいただきたいなぁ、と思いつつ、暑かったので、次回へ。
もう少し遅くまで営業していただけると嬉しいのですが、平日も21:30までになるといいのになぁ。
はい・・、なんだか、懐かしくって・・。
この辺りにくると、なんだかほっとしてしまう私です。
うう、今度は、私もちょいっと気になった料理と、お酒で頂こうと思っています。
そうなんですよね♪
こちら、蕎麦屋酒に割引があるという、なあんともうれしいお店(^^)
えとっ、ほろ酔い膳は、このままのお値段です。
栗切りは別で・・
なんだか、近いうちに、はち様ともお会いしそうですよね(^^)
思われるこのあたりの報告、久しぶりです
ね。私は昼に時間があるときに少々歩いて
行きます。さすがに平日はお酒というわけ
にもいかないのですが、土曜日には簡単な
つまみと浦霞、そしてもちろん粗挽き十割!
お酒は1割引になるので、ほろ酔い膳より
ちょっと出るくらいで、幸せになれます。
ところで、ほろ酔い膳1800円とありますが、
これって、追加の栗切りを含めた値段では?
蕎麦だけでも、よし!なんですが、
できたら、
蕎麦前を頂いて~・・
それで、ずずずっと蕎麦。
これがやっぱり理想です。
これから、どんどんと、新そばの季節。
でもって、新酒も♪
ぜひぜひっ、です(^^)
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)