皆遅れる事なく、開店同時に席に付き、



お言葉を聞き、頂いたビールで静かに献杯。

それを皮きりのように、
何人ものお客さんが、後から後から入ってくる中…



すぐに出された、ずしりとした陶器に盛られた
「座附」、の、「蕎麦サラダ」



セロリに人参などと蕎麦がさっと和えられ、



キリっとした細身の蕎麦は、さっぱりとして、
千切り野菜と見事に馴染み、



サクサクとした湯葉の歯ごたえに、
時折混ざった胡桃が香ばしく、これ美味しいっ



続いて、名物「前菜の盛り合わせ」



小指ほどの小さな大根の、
「近江大根と豆腐の味噌漬け」に、



まるで宝石、琥珀に輝く、美しい美しい
「河豚の煮こごり」
とろりと溶ける出汁の旨さに、コリコリ河豚がたまらない 。



「ふきのとうの当座物」は、
ほのかな苦みに、春の息吹を感じさられ…



梅花に見立てた、色鮮やかなサーモンは、「紅梅寿司」。
一口酢飯に、たっぷりのいくらが包まれ…
ん～、これも美味しいなあ



たまらず、「浦霞」の燗酒を頂き、
食べてしまうのが惜しいような心地で、大事に頂き…



続いて出されたのは、
「梅干し入り茶碗むし」



出汁たっぷりの、ほろほろの玉子が体に染みる 。
中に潜んだ、甘酸っぱい自家製梅干しが、
玉子の甘みを引き立てる、絶妙の組み合わせ。



「お造り」は、「活〆鱈の昆布〆」



鱈の透けるような切り身は、しっとりとして柔らかく、
ほのかな昆布の風味に、紅葉おろしが爽やか。



しかも、下に注がれているのは、裏ごし「白子」のクリーム。
たっぷりと絡め頂く、贅沢極まりない鱈に、
皆たまらず、声が洩れる 。



続く「焼物」は、「焼き蕎麦がき」



表面焼かれ香ばしい、みたらし仕立ての蕎麦がきは、
箸を入れた途端に、ぷにゅんっ、とても柔らか、



つかもうとしたら、とろ～りふわふわ。

どこまでも滑らかな、その繊細な舌触りに、
空気感たっぷりの蕎麦がきは、重たさなく軽く、
醤油が蕎麦の風味を引き立て、気付いたらぺろり 。



すっと出された、赤絵の蓋付き、「炊きもの」は…



ふっくらと炊かれた、「海老芋の含ませ煮」

柚子の香りが、ふわっと立つ爽やかさに、
こっくりと味深く、ふうわりと柔らかく、

あますところなく、出汁の旨みが染み通った、
海老芋の豊かな甘みに、ほっと心和まされ…



天ぷらは、「蕗の薹と白魚の掻き揚げ」。



衣薄くさくさく、真に軽やかで、
ふわりとした白魚に、蕗の薹の香りが新鮮。
ん～、流石、潮さんの天ぷら、とてもとても美味しい 。



最後は、、大好きな、潮さんの「蕎麦寿司」

穴子に蟹、胡瓜に椎茸、玉子に酢で〆た蕎麦。
一つ一つの旨みが一つになった、心躍る幸せな味わい。
ああ、潮さんの「蕎麦寿司」は、本当に素晴らしい…

たっぷりとお料理を満喫し、
いよいよ、〆の「そばきり」を。



今日の産地は、群馬県赤城の「常陸秋そば」



笊に盛られた蕎麦は、一糸の乱れも無き、
見事な包丁切りの、繊細端正な細切り 。



すらっと艶やか、瑞々しく、馥郁とした豊かな香り漂い、
澟とした歯ごたえに、鮮烈な喉越し。
後にじんじんと残る、濃厚な風味に酔いしれながら…

料理はもちろん、蕎麦もなんて美味しいんだろう



味わい深い陶器から、蕎麦湯を注ぎ、
もり汁の旨さも、じっくりと味わって…



最後の甘味は、「柚子ようかん」

じっくり煮詰めた、皮までとろりと柔らかく、
柚子香、爽やかに広がるさっぱりとした甘さの白餡。
和菓子も洋菓子も「潮」さんの甘味は魅惑的 。



…と大事に味わっていたら、
ど～んと長皿に盛られた…、7人小びと?



ちょこんっとかわいい、
ホワイトチョコのコーティングに、抹茶チョコでデコレートした、



瑞々しく鮮やかな、真っ赤な苺、「紅ほっぺ」。
目でも楽しみ、甘酸っぱい苺が心地よく…

ご馳走様でした～

「潮」さんのお料理は、悲しみをも癒し、
幸せな気持ちにさせてくれる。

悲しみを分かち合い、共に私も癒されて…、
蕎麦を介しての繋がりに、心から感謝します

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