吉祥寺でちょっとした用事を済ませ外に出れば、
爽やかな薫風肌撫でる、五月晴れ 。
ここまで来たら、ちょっと寄っていきたいな、と咄嗟に向かった代田橋。
さらりとした空気の中、日差しにうっすらと汗ばむよう。
すっと下ろされた白い暖簾も、お日様に照らされ光ってる…。
代田橋 「手打蕎麦 まるやま」
既に2時をまわった平日の昼下がり、
ゆったりとした和やかな空気に、表の大通りの喧騒など忘れ、
この陽気は正にビール日和、とお願いした「陶器グラスの生ビール」。
泡細かくクリーミー、冷たいビールが喉に何とも心地がいい 。
くぅっとすぐに口にしてると、程なく出された今日のお通しは、
ビールにうれしい、ほこっと炊かれた「肉じゃが煮」。
しみじみとした優しい味がしっとり染み、
まるやまさんの、お酒のお通しはいつもとっても美味しいなあ
とつまみつつ、「ちょこっとおつまみ」のお品書き仰ぎ見て、
中から作って頂いたのは、新潟直送の文字がうれしい、
「ふきのとうの天ぷら」と「百合根の天麩羅」のハーフ両盛り。
衣薄く、からりっと軽やかに上がったふきのとうは、
口にした途端に、ふわ~っと広がるほろ苦の、何とも言えないこの味わい 。
早速、「獺祭」を冷やでお願いしたのは、言うまでもなく…
「百合根の天ぷら」は、一片ごとに揚げられた手の施しよう。
一つ、又ひとつと口に運べる、酒飲みにうれしい天麩羅は、
さくっとしてほっこり、優し~い甘みが広がり、これっ美味し~いっ 。
と、しばしゆるゆると楽しませて頂いて…
お蕎麦は何にしようかな、と置かれていた品書きを手にすると
おっ、早くももう、ここでも「冷かけ」が始まっている
「梅にみょうが」、「辛味おろし」に、絶品「花巻」の三種類。
一年ぶりの冷かけ、どれも食べてみたいけど…
来た時から目に留まり、気になっていた見慣れぬ品書き、
新メニューとの「夏野菜の冷あんかけ」
お聞きすると、吉野葛でとろみをつけた餡をかけた「冷かけ」だそう。
冷かけで餡?、これはまだ食べた事のないお蕎麦。
あれこれ聞いていたら、興味がぐんぐん高まって…
今日のお蕎麦は、これにしよう~
…が、その前に、ちょこっと別に笊に盛って頂き、
取り分けて盛ってもらった、ちょこ盛り「せいろ」。
群馬赤城山麓の蕎麦、その丸抜きを打たれた、繊細な細切り。
瑞々しく輝く精妙なる蕎麦の中に、儚くきらりと輝く蕎麦の粒。
憂い満ち、淡く幽玄たるこの姿に、思わず目を奪われながら…
手繰り口に含めば、しとり心地のいいたおやかな歯ごたえ。
ゆっくりと噛みしめていけば、香ばしく甘い蕎麦の味。
手繰り続けていくうちに、じわじわ甘みが濃厚に広がりたまらない。
ほろりと落ちる喉越しに、ほのかに感じる粒の感触。
ああ、やっぱりこの「せいろ」、美味し~い
と、大事に食べていたのにあっという間。
…ではいよいよ、新メニュー「夏野菜の冷あんかけ」をば頂こう
と、程なく目の前に出された蕎麦を見て、思わず、わあ♪
っと声が出てしまう、見目楽しい絢爛華麗、ファンタジー 。
琥珀の澄んだ清らかな汁の上に、赤に緑、茄子紺に黄色、
鮮彩カラフルな彩が輝き、まるで、お花畑の中にいるよう 。
見ているだけでもうれしくなってしまう丼を前に、
まずは…、吉野葛仕立ての汁を頂こうとれんげですくい口にすれば、
こっ、これは美味しいっ
まるやまさんの上品ですっきり柔らかな冷かけ汁の旨みはそのまま、
ほろりんとした、強すぎず弱すぎず絶妙な、口当たり柔らかなとろみ加減。
冷されたかけ汁は、このとろみがある事でさらに優しさが感じられ、
飲んだ後の喉に体に、労わるように染みていく 。
と、汁をじっくり堪能し、中の蕎麦を手繰り上げれば、
この汁が蕎麦にほろりと絡み、蕎麦と汁が円やかに溶け交わり、
滑らかに喉を落ちて行く、何とも言えない心地の良さ。
冷かけとは又別もの、
これは、飲んだ後の体に、暑さで食欲落ちたにでも、
するりと入ってしまう、またとないお蕎麦だ…。
と早速上に豪華に盛られたアスパラと一緒に口にすれば、
アスパラが又甘み濃く、これと一緒に食べる蕎麦がたまらなく、
パプリカの糖度の濃さは周知の事、これが又美味しくて…
とろりとした揚げ茄子と絡む蕎麦に再びうっとりし、
さらに、海老好きにはうれしい、ぷりぷり剥き海老まで散らされ、
手繰るのが楽しくて、知らず知らずに笑みがこぼれる 。
途中で添えられた、紫蘇の薬味を加えれば、
途端にふわっと広がる、紫蘇の清涼な風味が絡まり、はっとさせられ…
気付いたらあっという間、夢中になって食べてしまう。
頃合い見て出された、程良く白濁した熱々した蕎麦湯を、
ちょこっと残した汁に注げば、蕎麦湯の風味が溶けた汁が又絶妙。
舐めるように汁すっかり飲み干して…
最後には、ほっこりしみじみとした甘さがうれしい蕎麦かりんとう。
暖か蕎麦茶と一緒に、美味しかったなあ
としばし余韻にふけりぽりぽり…
ご馳走様でした~
三種の冷やかけに加えて、またまた素晴らしい、新「冷やかけ」。
又すぐにでも食べたくなってしまう気持ち抱えながら、
暖かい笑顔で見送られお店を後に。
今年の夏は、又楽しくなりそ~う 。
自家製粉 石臼挽
「手打蕎麦 まるやま」
杉並区和泉1-2-3
03-3321-1478
11:30頃~15:00 / 18:00~21:00
木曜定休、水曜昼のみ
禁煙
2012年 4月 4日 素敵な出会いの楽しい宴、「花まきそば」などなど
2012年 2月27日 「生干しいか焼き」に「鶏南蛮そば」
2012年 1月 6日 「湯葉刺し」に「山かけそば」
2011年12月 5日 「生干しいか焼き」に、「鶏せいろ」
2011年11月 7日 しらすおろし、葱焼きに、「玉子とじそば」
2011年10月 4日 「きのこのつけ汁せいろ」
2011年 8月10日 「梅と茗荷の冷やかけ」
2011年 6月15日 しらすおろしに、「花巻の冷かけそば」
2011年 5月 8日 「梅と茗荷と辛味大根の冷かけそば」
2011年 5月 3日 「筍ととりそぼろのせいろ」…の抜き
2011年 4月18日 「絶品豆腐」に、「ホット辛味おろし蕎麦」
2011年 3月 7日 雪見蕎麦屋酒、揚げ玉、卵別盛り「たぬきそば」
2010年 2月 1日 「プチオフ蕎麦会」
2010年12月21日 玉子別盛りの「山かけそば」
2010年11月24日 「せいろ」の旨さにうっとり、「花巻そば」にうっとり。
2010年10月25日 「蕎麦の実入りきのこのつけ汁せいろ」
2010年 9月 8日 「蕎麦巻き蒸し」に感動、蕎麦三昧
2010年 8月 3日 「辛味おろしの冷かけそば」
2010年 6月23日 「山芋の千切りの冷かけ」
2005年 5月25日 「梅と茗荷の冷かけそば」
2009年 4月23日 「新:ちょこっとつまみ」に「筍と鶏そぼろのせいろそば」
2010年 2月15日 「裏メニュー:田舎の細打ちそば」
2010年 2月 8日 新メニュー「蕎麦巻き蒸し」
2009年 1月 5日 「花巻そば」
2009年11月30日 やっぱり旨い!粗挽き仕立ての「せいろそば」
2009年10月 9日 新メニュー「葱天そば」
2009年 8月 4日 「神楽の舞」で薩摩揚げ風、「ごぼう海老天そば」
2009年 6月 2日 「おろしそば」
2009年 4月27日 「ごまだれで二色蕎麦」
2009年 2月27日 「鴨鍋と粗挽き蕎麦の宴」
2008年12月21日 親子煮うまうま 「ごまだれで二色そば」
2008年10月10日 お新香盛り合わせ 「地鶏卵とじせいろ」
2008年 8月12日 三人で料理いろいろ 穴子天を堪能 「冷やし海老おろし」
2008年 7月 9日 肉じゃがで一杯 「おろしそば」
2008年 6月14日 種物三昧
2008年 5月17日 プロジェクトX Ⅳ
2008年 2月12日 「地鶏せいろ」
2005年 5月23日 代田橋 手打ちそば長寿庵
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もはや、冷かけを超えた、新たなる蕎麦。
tatenonさんにも気に行ってもらえて、うれしいです♪
是非、夏のうちに食べて欲しいです♪
これは出かけなくては。本番が終わったらすぐにはいかなくては!
と朝からソワソワしてしまいました。美味しそう♪
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