昨日にも増して、暑さ爆裂した今日は、
ずっとお会いしたいと思っていた方と、念願叶って初対面。
ぜひ、とお勧めした「土家」さんで待ち合わせ
でも、この暑さ、化粧なんてすっかりはげてしまったよう~っ
と、久しぶりの、駅からの道のりを歩いていくと…
ああ、やっぱりいいなぁ、この風情。
東京とは思えない、田舎の夏の風景がほっこりと広がっている…
黒木の門には、とくさが青々と生い茂り…
思い浮かべてみれば早いもの、開店してそろそろ3年になるんだなぁ
東村山 「手打蕎麦 土家」
たらたら汗を滴らせつつ、扉を開き入ったら、
すぅっと汗が引いていくような、涼やかな風が肌をなでる。
古民家ならではの、優しく柔らかな空気は心地よく、
先に到着していた、蕎麦人さんの横の椅子を引き、緊張しつつご挨拶。
今日は、お昼の「季節の蕎麦懐石」を、お願いし…
まずは、喉を潤わせようと、ハートランドの小瓶を頂き、早速乾杯
くぅと喉を潤わせている間に、すぐに出された「蕎麦豆腐」。
季節折々の創意工夫された、土家さんの「蕎麦豆腐」は楽しみの一つ。
夏らしく、見目涼やかなグラスの中は、鮮やかな景色。
ほんのり酸味の利いた、出汁ジュレがたっぷりとかかり、
その中には、甘みの濃いプチトマトやブルーベリーが彩よく盛り込まれ…
その下に置かれた、角切りされた蕎麦豆腐は、とろ~り。
じゅれがかかり、蕎麦の風味がふわりと広がり…、これっ、美味しすぎっっ
しゃきしゃきっとした胡瓜に、じゅん菜まで添えられていて、
なんて贅沢な、蕎麦豆腐なのかしら…
これには、早速お酒を合わせなくちゃ、と品書きを頂くと、
「今日は、これもあるんですよ」
と、出して下さったのが、奈良のお酒、「ろくまる」純米吟醸うすにごり。
早速これをお願いすると…
大正ロマンの情緒感じる、素敵なレトロのグラスに猪口で供される。
すぅ~と喉を過ぎる、爽やかな酸と旨みの調和した、気品のある味わい。
うすにごりでありながら、すっきりとしたお酒を口にしてると…
待っていました!、土家さんの「旬の点心盛り合わせ」。
食べるのが惜しいような程、繊細に美しく盛り付けられた、
これらのお料理、一つ一つ丁寧に、説明して下さって…
まず、手にした「湯葉豆腐」。
これが美味し~い、艶やかなべっ甲餡がとろりとかかり、
絡まった湯葉の、この美味しさといったら…
さらに、蓮華にちょんと盛られた、「茄子のゼリー寄せ」。
さっくりとしてとろりとした茄子を、ぷるぷるの出汁のゼリーが包んだ一品。
口に含めば、上品な出汁の味わいに、茄子の甘みがふっと広がり、
思わず笑みがこぼれてしまう、絶妙な味わいに…、
しゃきしゃきとした「金糸瓜」に、ほのかな粘りが楽しい「つるむらさき」。
真ん中を飾るは、柔らかな鰻を包んだ、ほっとする甘さの「う巻き」。
この甘みが鰻と実によく合い、うっとりしながら口に運び、
横に添えられた、自家栽培の茗荷の甘酢漬けが、ふわっと爽やか。
さらに、懐かしさ感じる、ほこっほこに炊かれた「南瓜の煮もの」、
「蛸の旨煮」は、もう、信じられない程柔らかく、
じっくりと味が染みた蛸で、これも美味し~い
さっと炙られた「さわら」は、これも身がふわっふわ。
程良く脂が乗り、さわらってこんなに美味しかったなんて…
と、すっかり心酔してしまう、豪奢な旬の盛り合わせ。
これらに、くいくいとお酒がすすみ…
お代りは、福島「国権」をお願いすると、これも素敵な銅製のちろり。
ゆるりとした空気の中で頂くのも心地よく…
続いて出された「碗物」は、「鯵のつみれとそばがきの碗仕立て」。
まずは、そっと汁を口にすれば、つみれ汁の旨さに思わずはっとしてしまう。
鯵の出汁が上品に染み入り、旨み溢れながら気品のある味わい。
そして…、中に入った蕎麦がき、これが美味しい~っ。
とろとろふわふわ、粗挽きでありながら、口に含んだ途端にほろろと溶け、
汁を纏い、鯵の出汁に蕎麦の風味が交差する。
しかも、当然ながらこのつみれが、又絶品。
ふわふわっとした歯ごたえに、鯵の身の出汁がじゅわ~と滴るよう。
この一品に、さらに「黒牛」も頂いて…
最後のお料理は、「冷製、旬野菜の炊き合わせ」。
箸を入れるととろり、口の中に出汁の風味がとろりと広がる冬瓜に、
まるでフルーツのような甘さの、ミニトマト。
しゃきっとして、とろりとした粘りが楽しいオクラが添えられ、
ほのかにピンクがかった、柔らかく炊かれた鴨肉。
これらに、はらりとかかった銀餡が又、清らかで味わい深く、
久しぶりの「土家」さんおお料理に、心底満喫しきり…
ほっと一心地ついたところで、いよいよ蕎麦が出される。
丁寧に手挽きし打たれた蕎麦は、しっとり落ち着いたグレー色。
その中に、細かな蕎麦の欠片が散り、まるで銀河の星屑のよう。
素朴で、温かい温もり感じる、穀物感溢れた蕎麦を眺め
手繰り上げると、ふわりと広がるしっとりとした穀物の香り。
口に含めば、見た目と異なり、しなやかな腰に滑らかな喉越し。
噛みしめれば、お日様を思い出す味わいが広がり、
その途端に、軽快に喉をすべっていく。
優しくて穏やか、初めて食べた時から、次第に変化してきた土家さんの蕎麦。
ごつごつとして雄々しかった蕎麦が、今、大海に近づいた川のように、
優しく慈しみに満ちた蕎麦へと、辿り着いてきたかのよう…
と、するすると手繰った後は、しっとりと白濁した蕎麦湯を注ぎ、
これもたっぷりと頂きながら、ああ、美味しかった
と、しばし余韻にふけっていると…、
最後に、うれしい「デザート」登場 。
又これが、なんて美しい、「桃とスイカのシャーベット」。
しゃきしゃきスイカの、さっぱりとした甘みが爽やかで、
下の桃、これが又しゃかしゃかとろ~り、甘美な桃の甘みにうっとり 。
思わずお代りしたくなってしまう程、美味しいデザートを頂いて…
ほおと寛ぐ古民家で頂く、素敵なひと時。
すっかり堪能している間に、雷も豪雨も過ぎ去って…
ご馳走様でした~
思った通りの素敵な方との会話も、心から楽しく、
本当に、素敵なひと時だったなぁ…
*夏休み 8月14日~17日
「手打蕎麦 土家」
東村山市野口町4-18-1
042-392-9457
11:30~14:00 / 17:30~20:30(売切仕舞い)
水曜定休
禁煙
2010年12月28日 「旬の野菜の炊き合わせ」「粗挽き田舎」
2010年 5月21日 「旬の野菜の炊き合わせ」「粗挽き田舎そば」
2009年11月 2日 お昼の「蕎麦懐石」
2009年 7月21日 「辛味大根おろしそば」
2009年 4月13日 「季節の焚き合わせ」に「ざるそば」、「半かけそば」
2008年11月21日 「昼の蕎麦懐石」の美味堪能
2008年 8月29日 「つけもの」に「粗挽き田舎そば」
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行かなくちゃ!、
その前に、予約しなくちゃ…。
gunさんは、いつも単品で食べているんですか?。それともお昼のコース?
私も当日じゃないと、時間がとれるかどうか分からない事が多くて、ここのところ行けなくているんです。
でも!
gunさんの文字を読んじゃったら…
やっぱり、なんとかして行かなくちゃ、いや、行きたい気持ちがぱんぱんになっちゃいました(^^)
随分ご無沙汰しちゃっているし、
本当に行きたいです。
コーンスープに目がない私、頂けるといいなあ。
やっぱり、予約して、ですよね…
プチトマト、南瓜、オクラ、ズッキーニ、夕顔、冬瓜、煮蛸
どれも美味しかったな。
ちょっと上から散らした微量の柚子の香りが合うんです、ユカさん。
和食なのに南瓜には微かなカレー粉の香り、ズッキーニも特に味付
けはないのに出汁としっかりマッチして。冷たい出汁には昆布のか
すかな旨味も。絶品ですよね。
ちょろっと出して下さった冷コーンスープも良い感じにつぶつぶ感
の残る夏にぴったりの一品でした。
予約していないから、と諦めずに行ってみるものなんですね。
オレンジピールは大好物、あるうちに伺ってみたいです。
はお断りしてたみたい。さらにラッキーなことに屋守のしかも汲
みたてがあって、微発泡で美味しかった。
ご近所からもらったという柑橘で作ったピールも絶品でした。
本人曰く、苦みを抜き過ぎたとのことですが、僕にはこれくらい
が丁度よかったな。
川をはさんだ建築中の老人ホームも完成に近づき、この辺りも
微妙に様変わりしそう。
と言う事は、私も諦めずに、近くに行った折には、覗いてみたほうがいいですねえ。
すっかり、予約しなくちゃ行けないと思って、諦めてばかりでした。
自家製からすみ、羨ましいです。
読んでいたら、すぐにでも行きたくなってしまいました。
切って自家製からすみ頂きました。
干す日数を少なくしてソフトに仕上げた
逸品。ふつうのからすみより厚く切って、
1枚は軽く炙って出されました。最高です。
かってみると、なんと奇跡的にも予約
営業の張り紙がなくて。
何か月ぶりだろう。やっぱりここのお蕎
麦は美味しい。やはり変わらず常陸秋蕎
麦でした。
今は、そうし庵みたくなっちゃった感じですものね。
ふらりと行けた頃が、懐かしいです('_')
るみたいで、ぜんぜん行けなくなってしまい
ました。有名になっちゃったんですねー。
きぬたやのご主人も久しぶりに行こうと思
ったけど予約がとれなくてーって言ってまし
た。
どこでどうつながっているか分からないのが、蕎麦の輪(^^)。
いえいえ、私の方こそ、緊張していました。
素敵な方で、どきどきでした(u_u*)~。
もちろん、一品の、「炊き合わせ」や「漬け物」も同様。
あ、そばがきも、ですよ(^^)。
ぜひ、予約を入れて…。
素材・盛り付け、レポも最高でしたよ。
あの方・・・緊張してたでしょ^^;
知りませんでした。
以前に行ったのが冬場だったので、近々行ってみたいと思います。
季節の点心は、コースでないと頂けないのですが、「蕎麦豆腐」や、「炊き合わせ」、「そばがき」は一品料理でも頼めるので、お一人でも大丈夫です。
あ、そうそう、コースも一人でも大丈夫ですよ、ここは(^^)
(要予約ですが)。
涼を感じました。
いつか行ってみたいです。
gunさんのおっしゃっていた通り、あのブルーベリーが信じられないようで、ものすごくよかったです。
相変わらず、どれ一つとっても手の込んだお料理で、幸せなひと時でした。
gun様も、ぜひぜひ。
この季節の点心、食べてもらいたいです。
私の次の目標は…、まだ食べてない「鰊そば」かしら(^^)。
こちらは、廃屋だったのを、ご主人が手にかけお店に仕立てたんですよ。
でしょ。
しかしいつにもまして、丁寧な記事ですね
満足感が伝わってきます。僕もいつか懐石
いただきたいな。
お酒が、進みますね!
お蕎麦もすごく良い感じですぅ
デザートのシャーベット良いですねー
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