去年から計画していた、恒例のメンバー4人で、蕎麦喰い遠征。
何度か訪れてた私は、「蕎麦売り切れました」の看板しか見てなくて…、
お目当てはそこ、ずっと行きたくていた、柏竹やぶご出身の「木挽庵」。
…が、行こうとした矢先に、震災などがあり、
交通事情は元より、お店の方も大変な被害にあわれ…
伸び伸びになっていた計画が、今日やっと実現、いざ、茨城へ~
ひたちなかICを降り、カーナビの指示に従って入って行った住宅街の中。
さらさらと揺れる木々の間に佇む、茅葺屋根のくぐり門に、紺地の暖簾。
まるで、野々里でふと出くわした、草庵のような、
禅味溢れたた情景を、思わずしげしげと眺めていると…
足元には、そっと置かれた、味わいある句が、一句…
茨城ひたちなか 「木挽庵」
暖簾くぐり、入った途端に古感じる、懐かしい板壁に、
がらがらと開く、使い込まれた、年月培った木の引き戸。
丁度昼時、囲炉裏のテーブルに、カウンター、お座敷とお客さんがいらっしゃり、
忙しそうな中、感じのいい青年に案内され、お座敷の間に腰を下ろす。
衝立で仕切られたお座敷は、座り心地のいい掘り込み式で、、
昭和の面影を残した店内に、途端に郷愁感じ、ああ、いいなぁ…
ぐるり見渡していると、さらに奥には、個室のお部屋もあるようで、
どうやら、団体さんがいらっしゃっているよう。
さて、まずは…、お茶を頂き、置かれている品書きをば。
セットのお蕎麦は、残念、今日は「予約の方のみ」だそうで…。
ならば、「せいろ」と「田舎」の両方の「二色そば」だ 。
…が、その前に、念願のお店に来たんだもの、まずは、蕎麦前
「玉子焼き」に、「そばがき」、それに季節の「天然山菜の天ぷら」も単品でお願いし…、
薫風心地よい陽気の今日、早速ビールと林檎ジュースで、、乾杯~
お通しのお新香を頂いていると、程なく出された「葉わさびの醤油漬け」(400円)。
しゃきしゃきと瑞々しく、ツーンっと来る辛味が鮮烈。
そして…、たっぷりと盛られた「天然山菜の天麩羅」をも。
となったら、早速お酒を、初めて頂く「早瀬浦」。
口にしていると…、4つ切り分けられた、「玉子焼き」(1000円)が、
「浸して頂いてみて下さい」と、玉子焼きには珍しい、出汁汁が添えて出される。
クレープのようにぐるりと巻かれた玉子焼きは、甘めでつるんっとした表面。
ちょっとミルクレープのような…ケーキのようでもあり、これは面白い 。
さらに、「飛露喜」もお変わりをして…
ようやく、独特の素焼きの蓋付き器で「そばがき」(1,050円)登場~
空けた途端に、ふわ~っと湯気があがる白濁した湯に張られ、
ほっこりと顔を出した蕎麦掻きは、優しい粗挽き仕立て…
箸を入れれば、ふわふわとろ~…
口に含んだ途端に、ほろほろと溶けてしまう、ふわふわ蕎麦がき。
ふわっと香ばしさが口に広がり…、り…、ん、ん?後味が…?
いや、気のせいかも、と、添えられた、とろりとしたかえしを漬けると、
本当だ、まるでお餅のよう。
と、お酒もゆっくりと頂いて、お料理を満喫し……、
そろそろ、とお声かけして、出してもらった「二色そば」。
一つは、気になった、「くるみ汁」も添えて頂き、
目の前に置かれた二色の蕎麦は、双璧とも言うような全く異なる姿形。
まずは、更科かと見まごうばかりの、儚いほどに繊細な「せいろそば」
細身の色白、その中に時折混じる、透明な蕎麦粒に、破片のような蕎麦の欠片。
口に含むと、ほろりと解ける腰が軽やかで心地よく、
噛みしめると、ふわっとした甘みに…、ん?これも、、、又…
いやいや、そんなはずは…
と、添えられたくるみ汁を浸し頂くと、胡桃独特の香ばしさに甘みが、
この蕎麦にはらりと絡まり、これが美味しい
そして…、「せいろ」とは裏腹、挽きぐるみの粗挽き、
まるで、きしめんのように、幅広に断たれた「田舎そば」。
口に含むと、ざらりとした喉に感じる蕎麦の欠片の感触が楽しく、
噛みしめると、もっちりむちむち。
幅広の良さ、噛みしめる楽しみがありながら、薄い分、もそさがなく、実に楽しい
噛みしめていくと、まず感じる、じわ~っと広がる香ばしさ。
…が、ああ…、なんとも残念、これも又…
先程から感じていた、ほのかに後に残る、黴臭…。
おおよそ、震災の折の保管に何かがあったのではないだろうか。
これさえ除けば、もっともっと楽しめた筈なのに、と思うと悔やまれてならない。
滑らかクリーミィーな美味しい蕎麦を頂きながら、
きっときっと、又、ぜひ再訪して、改めて味わいと心に思う。
ご馳走様でした~
これがとは思いたくない、…誓って又、伺います!
「木挽庵」
茨城県ひたちなか市東石川3069-14
029-274-0986
11:30~14:00 / 17:30~19:30
(昼夜売り切れじまい)
月曜、祝日、9月定休
禁煙お店のHP
お店を後にした後は…、こちらで食後の珈琲を頂きましょう~
と立ち寄った、「木挽庵」からも程近くの「SAZA COFFEE」
入って見たら、なんって素敵な喫茶店…。
まるで、高原の中のロッジにでもいるような、
緑溢れた、清々しい空気の中で…
頂いた、基本の「サザブレンド」、これが旨いっ
それに…、食後にはやっぱりデザートも。
「メープルシフォン」は、信じられないくらいに、ふわっふわ。
量もたっぷりの「かぼちゃのブリン」が、これまた美味しく…
4人で分け合って食べながら、美味しくて珈琲もお代りまで。
私の二杯目は、「カフェオレ」で。
これも、又心から美味しいと思った、一杯のカフェオレに…
茨城遠征も、良き終焉~。
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私が行ったのは、震災直後だったので、
ちょっと首をかしげるところがあったのですが…。
そうでしたか…。
期待はずれでガッカリして帰って来ましたよ。
あんなのが蕎麦だなんて、・・・。
お昼時に数組しか客がいなかったので、変だなあと思いましたが・・・
。
きっと身内がたくさんコメいれたのでしょうね。
もう二度と行きません!!!
そ、それは知らなかった…。
お近くというのが羨ましいところ。。
そうそう、カノンというケーキ屋さん、ご存じですか(^^)
ひたちなか辺りは、4月にやっと水道が通ったようですし…
いろいろな事があったと、察しています。
又、伺おうと、心に誓って…
夏蕎麦…
力強く、打たれ強い子に育って欲しいです~
蕎麦掻にも、お蕎麦にもとろろが入っていると思っていますか?
お蕎麦だけなんですよ!驚きましたよね。店主の方に以前聞いてみたところ、そば粉とお水で力いっぱい練っているのでとーっても粘り気のあるふわっとした蕎麦掻ができるんだそうですよー。職人技に更に感動です!
ただ、小さなお店ですので数に限りがあるみたいです。
また行きたくなりました♪
(東北3県の被害の甚大さに隠されていますが、物理的にも、また
風評被害的にも…)
復旧は嬉しいニュースですが、なにかと完全復活するには時間が
掛かりましょう。
第一番目に落ち着いて欲しいところが「…」ですので...orz。
早い梅雨入りと、確率の高い台風の襲来、どうやら夏蕎麦の出来
具合は??
ホントは、もっと遠征したいのですが…
たまにこうして、蕎麦好きの人と一緒に出かけるのが、たまりません(^^)。
昼下がり、ゆるりとした時間に伺うと、お茶目なご主人とお話しもできますよ。
やや人見知りなので、話込むまでは時間がかかるかもしれませんが、お酒の事など聞いたら、とても丁寧に教えてくれるはずです。
ぜひ!昼酒をも、いや、夜酒も(^^)。
平日の夜なら、ゆっくりできると思います。
お蕎麦がどちらも美味しそう
天然山菜の天ぷらだけでも
食べに行きたいです~
そしてケーキも…
お腹いっぱいですね(笑)
まだ何も分からない蕎麦の初心者です。
Yuka さんの情報はとても興味深くついつい見いってしまいます。
私は、春ら小平に引っ越してきたのですが、吟さんをたまに使わせてもらってます。
Yuka さんのブログを知らなかったら入ることはなかったお店でしたが、入って良かったです。Yuka さんのおかげでとてもよい店を1つゲット出来ました。私もお酒が好きなので、今度ゆっくりと蕎麦屋酒を楽しみたいと思います。どうやら吟さんも、蕎麦屋酒に力を入れているようで、それらしきメニューがありました。
何やら昼限定のメニューのようで、常連らしき人がなれた感じで注文しているのを見て、私も昼酒に挑戦と心に決めた5月のとある火曜日でした。
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