かねがね食べてみたいな、と思っていた「にはち」さんの蕎麦コース。
今夜は、ご近所のお友達をお誘いして、念願かなって頂きに
考えてみると夜に訪れるのは、これが初めて。
うす暗闇の中に、ひっそりと、思わず通り過ぎてしまいそうな、
控えめに漏れこぼれる小さな灯り、いい感じだなあ…
武蔵関 「手打ちそば にはち」
扉を開き入った店内は、昼間よりさらに柔らかな空気がたゆたゆ漂い、
奥様に変わって、まだお若い花番さんが、至極丁寧に迎えて下さる。
今日は、予約して、用意して下さってある奥の席に通されて…
テーブルに置かれた「本日のそば尽し」の品書きを回し眺め…、
全員揃ったところで、まずはビールで乾杯~
…とくぃっと喉を潤わせたところで、銘々に出される前菜の一皿。
姿よく、きれいに並べられたお料理を前にして…、こりゃっ、お酒を頼まなきゃ 。
と、まずは冷から頂こうと、「冷酒」のリストの…、
「影虎」に「豊盃」を一合づつ頂いき、猪口二つ並べて飲み比べ。
すっきりとして蕎麦前に相応しい冷酒を口にし…、
まず口にした「そばとうふ」はさっくりさっぱりとした、滑らかな舌触り。
彩引き立てる「湯葉と菜の花の酢味噌和え」は、
湯で加減ぴたりの菜の花に、酢味噌の味がしっくりと交わり、旨いっ。
「浸し黒豆」は、程よい塩加減で豆の味わいをしみじみと感じ、
甘くない黒豆っていうのもいいなぁ
中でもこの「鴨つくね」がすこぶる美味しい
箸を入れるとさっくりと柔らかく、じわっと染み出るジューシーさ。
鴨の持つ旨みが上品に、それでいてしっかりと口いっぱいに広がってくる。
さらに、ここでもうれしい「蕎麦寿司」まで。
梅肉の風味が爽やかで、蕎麦の香ばしさがふわっと広がり、
これは、もっと食べたいなぁ…。
と、そろそろ熱燗が飲みたくなり、「睡龍」の熱燗を追加でお願いすると、
タイミングよく出された、これも楽しみにしていた「小田巻蒸し」。
ぷるっぷるの茶碗蒸しは、味わい深い滋味なる出汁がじわりと染み、
これが、何とも、熱燗にこれとない組み合わせ。
しかも、うれしい、牡蠣が三個程入って蒸された豪華版。
牡蠣の旨みが又たまらなく、その風味が玉子出汁にじわ~り。
ん~っ、これは美味しい
もちろん、中にはうどんも入り、これも旨いっ。
蒸されてもしっかりと腰を残しつつ出しが染みた、喉越しもいい讃岐風。
にはちさんのうどん、これもいいなぁ~
と、すっかりこの「小田巻蒸し」に魅了されていると…
最後のお料理、天つゆに塩が添えられた「天ぷらの盛り合わせ」。
さくさくっとして、口に含んだ途端に牛蒡の風味がふわ~っと広がる、新牛蒡に、
春ももうすぐ、フキノトウにタラの芽、
それに、これもふわっとして海老の旨みが凝縮した、
ここんとこでは、久しぶりに美味しい!と思った、海老の天ぷら。
どれもがとても丁寧に作られたお料理に、松乃井の熱燗、
さらに、「いずみ橋」を冷で、とお酒も十分に満喫し…
いよいよメインの、「もりと田舎」の二種もりを。
まずは、キメ細やかな繊細に絶たれた「せいろ」から。
手繰り上げると、途端に鼻腔に上る、香ばしい馥郁とした蕎麦の香り。
しなやかできりっと締まった心地のいい口当たりに、爽やかな喉越し。
飲み込んだ後に、ぐっと再び込みあがる蕎麦の風味に、もう、うっとり
やっぱり、「にはち」さんの蕎麦は美味しい…と、あっという間に手繰ってしまい、
これが食べてみたかった、新しい「田舎そば」。
これまでの玄ごと挽いていたのを、丸抜きに変えたという粗挽き。
せいろより気持ち太めの蕎麦には、透明の蕎麦の粒が浮かび上がり、
手繰り上げると、これも豊かに広がる蕎麦の香り。
しっとりもちもちっとした歯ごたえに、噛締めるそばから広がる味わい。
ああ、これは美味しい…
久しぶりに訪れたという友人達も口々に「旨いっ」とつぶやきながら、
あっと言う間に食べ終えてしまった、どちらも見事な二種の蕎麦。
出汁の一つ一つが突出することなく、円やかに融合した奥行き深い汁も旨く、
とろりとした熱々の蕎麦湯を注ぎ入れ、これも皆で飲みきって…
最後の楽しみ、甘味は「そばもち」。
ちょこんっと丸められた、「蕎麦もち」こと蕎麦掻きに、
きなこと小豆が絡められ、これが、又ふわっふわ。
はらりとかかったきなことの相性もよく、小豆の風味が又格別。
小豆本来の豆の旨さが生きた、甘さ加減も絶妙な一品。
しかも、蕎麦の味が、これも又飲み込んだ後にこみ上げてきて…
ああ、もう幸せ…
すっかり心から満喫できた、楽しみにしていた「蕎麦尽くし」。
ご馳走さまでした~
昼一人でふらりもいいけど、皆とお料理をも楽しめるひと時は又格別。
皆さん、ありがとうございました~
*蕎麦尽くし 3,500円
「手打ちそば にはち」
練馬区石神井台7-9-6
03-3920-2815
11:30~14:30 / 17:00~21:30(L.O)
火曜、第三月休
禁煙
2010年 1月12日 「つけとろ」
2010年 7月 7日 「なす天そば」
2009年 9月24日 「焼きなすの胡麻和え」で蕎麦前、「田舎そば」
2008年11月29日 「白菜と湯葉の酢味噌和え」に「つけとろ」
2008年 7月24日 「鴨ささみと三つ葉の胡麻酢和え」、「つけとろ」
2007年10月11月 「栗渋皮煮」「つけとろ」
2006年 7月24日 「冬瓜の鴨みそがけ」「もりそば」
2006年 3月 9日 「玉子とじそば」
2006年 2月15日 「田舎そば」
2005年 7月 7日 「もりそば」
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すごーい、お写真が綺麗で、私までうれしく見とれてしまいました。
さすがっ、たぬきさん♪♪
ご近所会、楽しかったですね(u_u*)~
又、やりましょう♪
あの「田舎」は相当好みでした!
ご主人無口でしたが、気合を感じました。
そばもちも美味しかったです♪
ようやく私もアップしました~。
>Tシャツ&短パンで歩き回りかわいいカフェを見つけては
読書、ダイアリー、愛らしいフランス娘とチャット。
いいですね~~(u_u*)~
一か月…
北から順番に旅しながら蕎麦を食べ歩いてみたいかも…(^^;
イギリス領インドの中のフランス領だった
チャーミングな小さな町です。
Tシャツ&短パンで歩き回りかわいいカフェを見つけては
読書、ダイアリー、愛らしいフランス娘とチャット。
ゆかさんはたとえば1ヶ月の休暇がとれたら、
どちらへお出かけになり、
なにをしてみたいですか。
え、今どちらにいらっしゃるんですか?
(相模原を南国とは言わないですよね…^^;)
東京は、ものすごく寒いです。
月曜日の夜は、大雪だったんですよ~♪
現在2月の半ば、
そちら東京はどうなんでしょう?
まだ寒いのかな。
でも菜の花とは春の匂い。
そろそろ牡蠣も終わりなのかしら。
南国でみる「つれづれ蕎麦」はまた新鮮ですね。
こんがりと日に焼けている岡崎でした。
ぜひ♪
この丸抜き田舎はいいですよ、ぜひぜひ(^^)。
小田巻、実は、ものすぅっごーーーく美味しかったんです。でも、きっとコースのみかもしれません。
このコースはかなりいいので、ぜひ、ご主人とでも、まったりと訪れて欲しいです。
ここではいつもせいろばかりだったけど、
これはよさそう。
小田巻き蒸しはコースだけかな?
ぜひ…こちらにも訪れてみて下さい。
昼間だと、とてもあったかでかわいい奥様もいらっしゃいますよ~(^^)。
いいですね、真心こもった料理の数々
それに最後のお蕎麦といい、デザートといい旨そうです
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