まだ夕方早い時間は、先客もなく、ゆっくりと空気の流れる心地よさ。
すぐにあれこれと世間話なぞ始まりながら、すぐに「入ってるよ～」と
にこにこして「飲み比べてみてよ」と、出して下さったお酒二本。



「山間（やんま）」純米　亀口直詰Ｔ４とＴ５。
軽やかで爽やか、それでいてふわりと優しい甘みがあり、ほうっ、これは美味しい



そっと出される今日のお通しは、「胡瓜と若芽のツナ和え」。
と、これをゆっくりと頂き味わいながら、ふと品書きを開きみていると…



おっ、３列手書きで書き足されている、新たなメニューがっ
聞くと今月新たに作ったそう。となったら、早速頂きたい、とお願いした「蒸し牡蠣」。



ほい♪ほい♪と、うれしそうに厨房に向かうご主人を眺め、
しばしして目の前に出されたお皿の上には、殻付きの立派な牡蠣が盛られてる。



蓋を開けると、これは美味しそう～、湯気を立てたぷるぷるの牡蠣が現れる 。



ちょっとレモンを絞り、箸でするりと離れる牡蠣を口にすると…
途端にジュージーな牡蠣のエキスが広がり、牡蠣の濃厚な旨みがじわ～っ。
これは美味しい～いっ



と、感動していると、「これに合わせてみて」と、新潟の越の白鳥「かめ口一番」。
口に含んだ途端に目の覚めるような、清々しさがきんっと広がり、驚く旨さ。
こ、このお酒、こ、これはすごい



そして、これも新メニューとの「焼きがんも」をも。



表面をカラリと焼かれたがんもは、中の具も楽しくそれだけで味がしっかり。
添えられた生姜をちょっと載せ頂くと、お酒にぴったりのうれしい一品。
これは、いいな～、とうれしく頂いていると…

「今年は、全部で１０個新しいメニュー作るつもりだよ」
と、もうひとつ考えているという（命名）「山芋海苔山葵」を試食にと…。



焼き海苔に千切りされた山芋、山葵が置かれたシンプルなお皿。



これを言われた通りに、海苔にそれぞれ適当に載せてくるりと巻いて食べるそう。
シンプルでいて山芋に山葵、海苔の香ばしさがよく合い、このひと手間も又楽しい。
ちょっとつまみたい時なんて、これはいいな～



…と、楽しんでいると、一組、又一組と、そろそろ夜のお客さんがいらっしゃり、
私も、そろそろお蕎麦を頂こうと、お願いした「十割そば」と「粗挽き」の二種盛り。



茨城境町の「常陸秋そば」。微粉の十割蕎麦は、鶯色の緑がかった美しさ。



手繰り上げると、途端に立ち込める、常陸秋そば独特の深い豊かな香り。
口に含むと、しなやかな腰が心地よく、噛みしめるとこれも甘みのある香ばしさ。
喉越しも爽やかで、喉を落ちた後から、鼻孔に風味が上り、これがたまらな～い



そして、びっしり蕎麦の欠片が埋め込まれた、グレーの粗挽き。
手繰ろうとする間でもなく、込み上げる香りは、ダダ茶豆のような濃い香り。



聞くと、「ゆっくり熟成の４日目」だそうで、この香りにうっとり。
噛みしめると、もちもちとした腰に、ざらりと掠める欠片の感触。
…と、じわりと広がる甘くて香ばしい、これもナッツの風味がたまらない 。

生かえしに変えてみたという汁は、柔らかくて優しく、蕎麦に絡まり、
もう、夢中で食べ勧めてしまう。

細工なしのさらさら蕎麦湯を注ぎ、中清の蕎麦の余韻にどっぷり…。
すっかり心から大満足で、ゆっくりと席を立ち、
ご馳走様でした～

新たなメニューが増えるとなると、さらに楽しみ。
今度は、「湯どうふ」をたべてみようっと。

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