(「青春」がちょっと照れくさい)JRの「18切符」を使っての蕎麦小旅行 。
朝早くに待ち合わせ、まずは第一目的の、高崎の「おおの」さんに向かうが…
なんとっっ、ここまできて「臨時休業」。
こ、こんな事もあるから…、人生いろいろ~。
と、気を取り直し、次の目的地、前橋へと移動。
お腹ぺこぺこの我々は、さらに期待を膨らませ電車に乗り込む。
前橋と言えば、又絶対訪れたいと思っていた「浅川」さん 。
凛々しく書かれた一枚板の看板に、蕎麦への拘りをひしひしと感じ、
ふと下に置かれた文字を見ると…
「手刈り天日干しの純血 常陸秋そば」の文字。
その暖簾から漂う風にさえ、浅川さんの意気込みが感じられるよう 。
前橋 「手打そば 浅川」
扉を開き、中へ入ると、すっきりとして清潔感漂う店内は、
町蕎麦屋の気兼ねなさと、品の良さがあり心地がいい。
丁度、前橋の「だるま市」もやっている今日、お客さんが賑う中、
端のゆったりとしたテーブル席に通される。
今日は、事前にお願いしていた「おまかせ」で頂く蕎麦料理。
まずは、ひとまず喉を潤わせようと、ビールで乾杯~
合わせてすっと出されたのは、「根菜の『返し』漬け」。
短冊に切られた、ほっこりとしたさつま芋に大根、
シャキシャキとした歯ごたえも楽しい蓮根に、甘みの濃いパプリカ。
しっとりと程良く漬け込まれた野菜は、どれもが美味しい。
続いて、こんもりと大皿に盛り付けられた「水菜とじゃこのサラダ」。
瑞々しい水菜の上には、カリカリに揚げられたじゃこがとても香ばしく、
ぱらぱらとまぶされた、大根の鬼卸しがぴったり。
和風ドレッシングもよく合い、食べている内に体が浄化されていくよう。
「浅川」」さんの野菜料理は、本当に美味しいな~
と、頂きながら、すぐに「九平治」「飛露喜」、「風の森」と頂き…
しっとり甘辛く炊かれた、初めて頂く「野沢菜のやさわ煮」(だったかな?)。
小魚の出汁も染みいり、これはお酒にたまらない。
さらに、「蕎麦煎餅の温野菜盛り」。
軽やかにぱりっとした蕎麦煎餅の上に、ほっこりとした野菜がたっぷり。
大根、人参、じゃが芋、それに青梗菜。
優しく味付けされ、素の野菜の旨みが、しみじみと味わえる一品。
さらに熱燗をもお願いすると、お皿に盛られたかわいらしい一品が。
蕎麦を丸めて焼かれたもので、ペッパーの風味がきりっと立ち、
もちもちカリカリとして、これは、ビールにもワインにも合いそう~。
と、すっかりお料理にお酒も十分堪能していると…
ようやく昼時の賑わっていた客足も落ち着きを見せ始め、
ご主人が顔を出して下さり、蕎麦についてのあれこれ。
「今日はちょっとすごいですよ 」
にっこりと微笑まれ、通常の3分の1の量で取り分けて食べるよう、
何枚かの「常陸秋そば」の食べ比べ、を出して下さるそう。
最初の一枚目は、「筑波」の常陸秋そば。
艶々と輝く丹精な細切りの蕎麦は、甘皮も挽きこんだ
様々な色の蕎麦の粒が埋め込まれた粗挽き。
その美しさに見とれ、口に含むと、微かに感じるざらつき感。
しっとりとした腰が心地よく、噛み締めると途端に広がる味わい。
深く香ばしい、豊かな蕎麦の風味に思わず思わずうっとり。
久しぶりの浅川さんの蕎麦、やはり美味しい~
二枚目は、埼玉「三芳」のこれも常陸秋そば。
見た目は、ほぼ変ぬ美しい姿。
だが、香り、風味が微妙に違い、この三芳も非常に風味豊か。
三枚目は、茨城「筑西」。
ざらつき感にしなやかさ、香り風味の高さに、
もう、違いを感じるのも忘れ、堪能してしまいそう。
そしていよいよ四枚目は、浅川さんが最も拘る「金砂郷」。
手繰り上げた途端、日向を思わせる香ばしい香りにはっとする。
噛み締め噛み締め味わうと、甘みに深い香ばしさが入り混じり、
さすがに先の三枚以上の旨さが感じられ、思わず唸ってしまう。
もう、心からうっとり~…
金砂郷の常陸秋そば、それも手刈り天日干しに拘り、
その品質や手間暇を心から愛し大事にしている浅川さんだからこそ、
やみくもな粗挽きではない、蕎麦の良さを十分に引き出しているんだなぁ、、
と、しみじみと感じてしまう。
と、あれこれご主人も交えて蕎麦談義が始まったところで…
最後にお楽しみな一枚、と「熟成そば」まで。
同じ蕎麦であるのだが、どこか透明感が出てきた蕎麦。
手繰り上げると、これまでの香りに熟成独特のナッツ香が加わる香ばしさ。
しっとりとした歯触りも、微妙に変わり、これはこれで、やはり美味しいなぁ。
さらに、途中で一つ作ってもらった、「赤城鶏の鶏汁」。
敢えて「鴨」ではなく、鶏、それも赤城鶏に拘っているだけあり、
ふわっふわの身の鶏肉は、とてもジューシー。
汁にはたっぷりと鶏の旨みが染み、今まで食べた鶏汁の中で一番かも…。
と、大満足で食べ終えたのだが…
書かれているのを見たら、どうしても食べたくなって、
皆で食べるなら大丈夫♪と、お願いした「かき玉そば」。
まるで湯葉のようにひらひらと、たっぷりと覆う玉子の冠。
澄んだ美しいかけ汁は、すぅ~っと上品で柔らかく、
玉子の濃さを吟味して作られたのが伺える、美味し~い甘汁。
ふわふわとぅる~っとした玉子に、柔らかいとろみ加減が絶妙。
中に浸る蕎麦は、しっかりと歯ごたえを残し、玉子に絡まり…
もう、言葉のない旨さ。
浅川さんでは初めての温蕎麦だが、種物で食べるのもいいな~
と、もう心から満喫した思いに満たされ、すっかり幸せ。
様々な蕎麦を打って下さった事に、心から感謝してしまう。
ご馳走様でした~
こんなお蕎麦を、すぐにでも食べられる前橋の方々が心から羨ましい。
又すぐ、食べたい…と、思ってしまう浅川さんの蕎麦。
又、ぜひ!伺います
*お品書き
金砂郷せいろ 800円、満天せいろ 650円、辛味せいろ 850円、じゃこおろしせいろ、鶏せいろ 1,050円、天せいろ 1,350円、卵とじ 750円、花巻 850円、かき玉、カレー南蛮 900円、鶏南蛮 950円、力餅 1,050円、天ぷらそば 1,200円など
しゃきしゃきとろろ 400円、湯葉とじ 700円、赤城鶏のふうわり玉子とじ 700円、帆立の籠 750円、天ぷら各種、パリパリ蕎麦サラダ 650円、水菜のじゃこおろしさらだ 650円、そば焼き味噌 450円、赤城鶏の煮こごり 350円、そばの巣づくり 1,500円、金砂郷のそばがき 1,000円
ビール 650円、中屋、喜久酔、九平治、黒龍、梵、風が吹く、松の司、寿月、都美人、鳳凰美田、十四代、泉川など 600円~
「手打そば 浅川」
群馬県前橋市日吉町3-41-12
tel:027-231-7294
11:15~14:30 / 17:30~21:00(LO20:30)
水曜定休 (火曜昼のみ)
禁煙 Pあり
2008年 3月29日 お料理いろいろ「満天せいろ」、熟成食べ比べ
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sinoさんは、でも、ご主人と仲良しだからいいな~なんて、思っています。
ぜひ、春には♪
sinoさんの蕎麦めぐりも、楽しみにしています。
私も、また利用したいです(^^)
私も計画したのに計画倒れになってました。一緒に行ける仲間がいるとさらに楽しくなりますね。羨ましい限りです。
私は、今回も18きっぷで上京した妹の宿屋の女将業だけでした(T_T)
春はなんとか実行したいなぁ。
本当に…
前橋から、こちらに来て欲しい、何て思ってしまう位の、名店です(^^)。
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