川口駅から市役所を目指して歩くこと十数分、その裏側あたりの通り沿いに、遠目からも一際目を引く、独特な店構え。
な、なんでこんな名前を・・・、と思うお店の暖簾は半分千切れ、剥げて古びた木枠の扉。噂を聞いて思い描いていた以上の佇まいに、思わず唾を飲み込む・・・ 。
川口 「手打ちそば 因業屋」
緊張してたから・・・?カメラを忘れちゃったのが残念~っっ
この暖簾に釘付けになりながら、恐る恐る扉を開いて中へ。踏み入れた店内は、じっくりと使い込まれたどこか民芸調のような古びた空間。だが、流れる空気はどこか暖かく、懐かしい気持ちにもなる不思議な空間。
ぶっきらぼうに後ろで髪を束ねた、噂どおりの仙人のようなご主人が、カウンターの中で笑顔で迎えて下さり、名前とは違って、なんだかほっとする・・・。午後の1時を過ぎた時分、他にお客さんもいなかったので、ご主人の目の前のカウンター席に腰を下ろす。
落ち着いたところで、まずはビールを。
・・・と、注文すると、「そこの冷蔵庫から好きなの選んで」と言われ、冷蔵庫を開けると、これが楽しい
エビス、ラガーに始まり、ハイネッケン、バドワイザーなど等、数種類のビールが揃ってる。うれしくなって、昔好んだ「レーベンブロイ」を選び頂くことに。
友人は、早くもこのお店のウリの一つのワインを頼み、まずは乾杯~。
さてさてと、目の前に立てかけられている品書きを見つめると、とてもリーズナブル。しかも、ビール、日本酒、ワインにそれぞれ合うようなお料理が並んでいるのが、面白い
中でも、こちらのカキが美味しいと言うことなので、お聞きすると、まだ今年は届いていないとのこと。残念~。で、まずは、「海老天ぷら」を塩でお願いすると、「カットしましょうか」と。カット??かぶりつく海老も美味しいけど、カットしてあれば食べやすいかな、と言われるままにお願いしてみることに。
程なくして出された「海老天ぷら」は、6等分にカットされて揚げられたもの。揚げた物をカットしたのとは違い、万遍なく付けられた衣が香ばしい。天ぷら屋さんの、ジューシーな天ぷらとは又違う、どちらかというと、フリッターに近いような天ぷらだが、ビールにはぴったり。
お互いに、ビールにワインなので・・と、さらに頼んだ「腸詰め」は、たっぷりの粒マスタードが乗せられたもの。
これで、ビールを堪能して、私もせっかくなのでこちらのワインを・・。友人はお変わりには赤ワイン。たっぷり注がれるワインに合わせて頼んだ、「チーズ」に「オリーブ」。
久しぶりにゆっくりと友人と交わす会話に、時々ご主人を交えてのお話に、すっかり拍車がついてしまって、日本酒まで・・・。どっぷり大きめなぐい呑みに注がれて出される生酒に、さらに頼んでしまった品々。
卵には目のない私にはうれしい、「燻製卵」に、大振りに切られた甘みのしっかりとした「板わさ」。
さらに、美味しそうで頼んでしまった「いわし」は、ほろほろと炊かれ、たっぷりの葱が載せられて。これは日本酒にはうれしい一品。
すっかりお酒にお料理に堪能したところで・・・、噂のお蕎麦を。
温そば、冷たいそば、それぞれ豊富に並ぶ品書きを、いくつかお聞きすると、「うちは、どれも暖かいのも冷たいのもできますよ 」、との言葉に、気になった「鴨汁」と合わせて、私は「鴨汁蕎麦」をお願いする。
そして・・・、目の前に出された蕎麦は、板皿にたっぷりと盛られた平打ちのしっかりとした太目の蕎麦。黒っぽい挽きぐるみの十割蕎麦は、啜るというよりは、しっかりと噛み締めるタイプ。新そばとのことで、香りはやや穏やか目だが、口に含み噛み締めると、その強い腰のもちもちとした歯ごたえがたまらない。洗練さらた蕎麦とは対極にあるような、武骨で粗野な蕎麦のもつ、素朴で実直、うそ偽りのないしみじみとした味わい。
東京の蕎麦に慣れているだけに、この蕎麦は病みつきになりそうな不思議な魅力を持っている・・・
そして、葱のたっぷり入った熱々の鴨汁。これが又旨い。出汁のしっかり染み出でた汁には、ジューシーな鴨肉がたっぷり。これが、この太い蕎麦によく絡み、ほんのり温かさを加えた蕎麦が、さらに食べやすく旨さを引き立てる。
頃合見て出された蕎麦湯は、十分に白濁したもの。注ぎりれてすっかり頂いてしまうと、もう、満腹と同時に、ゴールにたどりついたような達成感のような感覚まで・・
一方友人は、季節メニューの、贅沢にも「まつたけ(!)蕎麦」。一口頂いた汁は、見た目と違い上品に松茸の香りがふわりと立つ仕上がり。温かい汁に浸された蕎麦は、優しさを加えたしみじみとした感じに仕上がっている。
いやぁ、すっかり大満足~ 。
はにかむような微笑で、少しずつ話されるご主人との会話もとても楽しいものだったし、何よりも、この不思議な空間で憩ったひと時。これは、ときどき着てみたくなってしまいそう~。
帰りしな見渡すと、かなり珍しいワインの空きビンがごろごろとあるあたり、このお店の奥の深さはまだまだ未知なる物がたっぷり。
すっかり満喫した思いで、お店を後に。
本当に・・、ご馳走さまでした~
又、ぜひ、来て見たい、そう思いながら、ほろ宵加減を楽しみながら駅へと・・・。
そして、勢いついた我々は、「斉藤酒場」にまで・・・
*お品書き
もり、かけ 700円、天ざる 1,800円、たぬき、きつね、はなまき、たまごとじ、月見、おろし、 800円、腸詰そば、にくそば、とりそば、いわしそば、かれいそば、とろろ 900円、きのこ、むじな、因業屋そば 1,000円、白子 1,200円、カキそば 1,300円、まつたけそば 1,500円
燻製たまご 250円、板わさ、塩うに、腸詰、ベーコン、チーズ、オリーブ、サラミ、鴨つくね 300円、鴨汁 600円、えび天ぷら 800円、そばがき 700円
ビール 500円、ワイン 500円~、日本酒 700円
「手打そば 因業屋」
川口市中青木1-11-28
048-253-0045
12:00~15:00 / 18:30~ 22:00
不定休
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でも、でも、
私には、ここのうどんは無理そうです(^^;;
久し振りに直径2cmのうどん堪能してきました。
やっぱり、破れてなくちゃ、
なーんて、私も思ったりも・・(^^;
http://blog.livedoor.jp/himantai/archives/52035598.html
綺麗にしたのは良かったのですが、常連さんからの評判はすこぶる悪いそうです(笑)。
そうですね。2007年ですから! ということは、小生が行ったのはもっと前だった訳ですね。 あれがトレードマークなんでしょうが、半分以上は無くなってしまっていますね。
さて、今はどうなんでしょう?
でもっ、この暖簾が、ピシーんとした、ま新しい暖簾だったら、帰って違和感があったりも…(^^;;。
これがいいんです、よ、ね(^_-)
でも、いつまでもつか・・・・。
ちなみに先代の暖簾と提灯は5代目だったそうです。
南向きで直射日光が当たり風も当たるので消耗がはげしいんだとか・・・(汗)。
やっぱり、暖簾は破れたままなんですね~(^^)。
かれいそば、やっぱり迫力ある!
辛いのが苦手な私に大丈夫かしら…
と、どろりとした写真に圧倒されてしまいました。
わたしは、かれいぢゃなくて、いわしにしよかなー(^^;
申込用紙をアップしてありますのでよかったらどうぞ(笑)。
久しぶりの「かれいそば」堪能してきました。
ここが私のカレー南蛮そばのルーツなのです(笑)。
安くなったとは、言え…(~_~)
気になっていたんですよーん。
その後どうなったのかしら、と…。
サマージャンボが当たったら、
私も参加してみたいなー。
匂いだけ嗅がせて貰いました。
ちなみに今日も行ってきました(笑)
それはそうと、
これが有名なワイン会なんですね!
…にしても、25万。。
誰も集まらなかったら…・
掛けですねえ。。(^^;;;;
何が出てくるかは内緒だそうです(笑)。
ブログに書きましたが、明日夜、1本250万円のワインを開けるそうです。
予定人数10名、会費25万円(笑)。
人数が集まらなかったら会費も上がります。
沢山集まれば安くなります。
どうでせう(笑)?
もう行かれたんですね。
私は、ちょっと日にちがつかず、今年は行けそうにないです。
来年こそ、行きたいです・・。
PS「いなか」ですね♪いなか。
ありがとうございます。
おっし近々・・・(^^)
まぁ、蕎麦に関しては業務用の大量生産品だったのでそこそこ見終わらせて(笑)。
蕎麦関係の業者さんのブースがなんか面白かったです。
一般来場者の方々、いかにも御蕎麦好き&お酒好き!
利き酒だけ済ませて帰っていかれる方も(爆)。
9日が最終日でダッタン蕎麦の新製品発表会もあるようですよ。
落語家さんもいらっしゃるようで。
北の丸公園の科学技術館ですよ。
PS:
京成高砂の「名古屋」は、是非とも田舎蕎麦を味わってください。
田舎蕎麦ですよ(笑)!
早い!
はーい(^^)。
ではっ、ということで、時間を見つけてうかがってみたいと思います。
あと、たかさご・・・・・・・・
入口の提灯、もはや提灯ではなく蚊帳となってしまいました。
かれいうどん、変わらず素敵な味を提供してくれています。
親父さんの薀蓄を聞きに行ってくださいねぇ~~。
なんだか、ますますますます、興味を持ってしまいました。かれいうどん。
でも、蕎麦で食べちゃうかも~(^^;;
ホント、病み付きになるんですよねぇ~~。
帰りは、青木中央小学校(だったかな?)の脇にあるパン屋さん「妙力堂製パン所」でコッペパンに餡バター塗ってもらってお土産にしました。
カレイうどん召し上がりましたか~♪
店主から江戸の一本うどんの講釈ききましたか?
香りが良くて、カレイうどんの固定ファンがけっこういるんですよ。
私もその1人です
今日、念願の「かれいうどん」食べてきました。
うどんが3本しか入っていないけど・・・・・
うんにゃ、3本も!であります(笑)。
カレーの香りが今でも脳裏から抜けなくて・・・・
嗚呼、もう一回行こうっと!
http://blog.livedoor.jp/himantai/archives/51263665.html
(お聞きしておいて良かった~)
いろいろ・・・。
ありがとうございました。ちょっとウルウルしちゃったりも。
ますます仙人のご主人と、もう一度お話したくなってきています(^^)。
あのスパイスの香りがたまらないですぅ~
いつも店に向かう途中、天ぷらを揚げるゴマ油の香りがすると、そっちにつられ、店に入ってカレ-の香りがすると、思わずカレーを頼んでいる自分がいるような気が・・・
辛いのが苦手な人は生卵をのせて貰うのも美味しいですよ~お試し下さい
私も又、仙人のご主人に会いに行きたいと思ってます♪
(今度は、かれいそば、食べてみようかしら^^)
是非、また寄らせてもらいますね。
イベント情報あったらご連絡します。
お会いできるのを楽しみに・・・
しかも・・・、私の知らない事などなどの、フォローもありがとうございました(^^)。
いや~、あんまり緊張していたせいか、この日は、デジカメを忘れてしまっていて携帯で撮ったので、自分の中ではとってもとっても悔やんでいるんです~(涙)。
とてもとても楽しいひとときでした。
又、ぜひ、訪れたいです。
仙人のご主人も大好きです。
いろいろと、ほんっとにありがとうございました。又、お越しください。そして、いろいろな情報も、教えてください。
打立ての蕎麦と寝かせたウドンが信条なので、蕎麦は捌けたら水回しから・・・
ウドンは仕込分が無くなったら終了。
お客を待たせたり断るのは確かによくありません。しかし、一人で切盛りしているので、私ら常連は店が混んでくると注文してても後回しにされちゃいますので、配慮はしてるんですよ~(汗)
お客さんには関係のないこととは言え、ここでは書けませんが、色々事情があって突然店を閉めたり、休んだりすることもあるので、事前に電話確認の上、時間的余裕のある時に是非リトライして主人のこだわりを確かめてみて下さいね。
毎年、この時期に貸切バスに2-30人くらいで新酒祭に出かけます。一度「ルミエール」で一度ネット検索してみて下さい。(通販、高島屋で購入可)
世界ワインコンクールで日本初金賞受賞のワインを輩出した会社(皇室晩餐会御用達ワイン)で塚本会長は日本人唯一のワインコンクール審査員(すごい人です)
因業屋のハウスワインは看板酒のルミエールです。
当日はバス中より酒盛り開始、現地ではシャトー見学、ジャズ演奏有り、模擬店、飲み放題の試飲会、ワインセールなど夕方まで楽しいひと時でした。
仙人のような店主、このサイトを見て大変喜んでおりました。 食いしんぼ目線での写真(お上手です)、ゆったり流れる空間、素敵なコメント。懐が深い蕎麦屋なので、楽しんで頂けたようで私も嬉しい。サッと入ってサッと食べ店を出ることを望む方には向かないのかな・・・。店主自身も店名の通り、自分のこだわりと時間を大切にする分誤解されやすいのですが、書画骨董に詳しく、趣味人で、店の食器も一流、ハウスワインはルミエール、店に並ぶ空き瓶は客と一緒に割勘で飲んだワインの会の歴史です。今月は11/17夜に5Aクラスの肉を食べる会(もと精肉店でした)など、色々なイベントがありますので、是非!いつかお会いしたいですね
うふふ、行かれましたか~(^^)。
よかったっ。となると、私はいっぱ~いネタを食べたことに・・(笑)。
「かれい」には、引っかかったんですよ、私。一瞬、魚のかれいが載った蕎麦かと思ってしまいましたもの。(ご主人、にやにやしてました)
ワインのツアー、私も聞きました。行きたいなあ、と思ったのですが、すでに用事が・・。でも、すごく楽しそうですよね!
昨日、行って来ました(爆)
知らなかったんですが、とっても辛いカレーうどん(蕎麦)があるんですよ。
お品書きをよぉ~~く見ると、「にく、とり、いわし、かれい・・・」
そう、最後のかれいとは鰈の唐揚ではなくてカレーなんです。
仙人曰く、これが引っ掛けだ!ワハハ!
仙人、更に曰く。
蕎麦が美味しくて当たり前。
それが原点。
蕎麦だけを食べて行くお客さんは、ご飯だけを食べて行くのと同じ。
蕎麦屋はネタが美味しいんだから、いろんなネタを食べるのが正しい。
なるほど。
で、昨日は天もりを頂きました。
海老天が、とっても御馳走でした。
ワインのバス旅も週末にやるそうですよ。
その日が不定休なのか・・・・・。
仙人のご主人、とっても好きになっちゃいました。お話、よかった~です!
それに、この蕎麦、わかります。どこか病みつきになる、不思議な魅力がありますよね・・。
私も、時々訪れちゃいそうです♪
そうなんです、そうなんです。
この外見、ちょっと入るの躊躇いそうですよね(^^;;。
ビールは、小瓶はどれも500円なんですよ。冷蔵ケースから、好きなものを選ぶのが、とても楽しかったです♪
仙人オヤジのお話、面白かったでしょ?
あの蕎麦は病みつきになるんですよねぇ~~。
また税務署の駐車場に車を停めて食べにいきましょ!(笑)
入るのに勇気が要りそう。
「ビール、好きなのとって」ってどれも同じ値段なんですか?
たまらないですよね~♪
ん?
ご機嫌なようですね(^^)
エヘッ
良いね
蕎麦屋
飲み屋
ちと酔っ払い
大丈夫ですです(^^)。
何でも三本・・・とか??(笑)
酒場、もう、すっかり魅了されっぱなしです。いあや、一発で気に入ってしまいました。あの年代感じる壁、天井、テーブルすべて。そしておばちゃんたちの心温かい対応に、お財布にうれしいながらも美味しい料理。通いたくなってしまいました・・。
はいっ!是非、次はいこいに・・(^^)
それは~、んんん、考えてしまったのも致し方ないかもしれないですね。
でも、きっと何か事情があったのかも。
ちょっとシャイな感じも受ける感じのご主人で、よかったですよ。
又、ぜひ、よかったらリトライを。
蕎麦は、かな~り、独特ですね(^^)
お品書きの写しに ウッ ドッ ンッ! が無い・・
これだけは是が非でも試して頂きたい!?
笑えることは 確信します
私も随分長いこと行ってないな、あの変なオヤジさん見学に近々に行ってみたくなってきました。
それにつけても凄い行動力
私の大好きな酒場にまでとは・・・(抜群でしたでしょ? 斉藤酒場 店を巡る全てが飴色のような・・・ こっちも暫く振りに行ってこよう!!斉藤酒場で憩う 「いこい」ついでに近くの赤羽も呼んでいるような気がする・・)
因業屋は12時ちょい過ぎに入ったら「今日はもうそば終わりだよ」と言われたことがあり、それ以来行ってないねぇ。
そのときは(なんて客の入りの読めないおやじなんだ)と憤った記憶がある。
だからあまりいい印象がないな。
ではまた。
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