ふぅ~、心底冷え切った上に、お腹もペコペコ・・・
ふらふらとしながら、乗り換えの立川でとりあえず途中下車。行きたいお店は豊富な立川だけど、さすがに2時すぎようとするこの時間、大抵のお店はそろそろ中休み・・・。
だったら・・・
こういう時こそうれしい、中休みのないデパ蕎麦屋。しかも、麻布十番「更科堀井」さんの支店♪と、駅すぐ横の伊勢丹へ向かうと、エレベーターで脇目もふらずに一挙にレストランフロアまで。
立川と言えども、さすが伊勢丹、上品なお店が並ぶ中、どっしりとした「そば」と書かれた提灯が遠目に止まり、目指して行く。
お店に辿り着くと横の壁から石臼が見え、その奥にはさらに打ち場をも。
うんうん、こちらも、きちんと自家製粉、手打ち蕎麦なんだ・・・
と、思いながら表に回ると、これも、麻布十番の風情をどこか思わせる、老舗の佇まいの片鱗を感じる、落ち着いてしっとりとした入り口。
立川伊勢丹 「総本家 更科堀井」
入り口に伺うと、すぐに花番さんに案内され店内へ。入り口すぐの所にいくつかのテーブル席と、間に大テーブル、そして奥には4人がけのテーブル席が、きっちりと並べられている。午後2時もすぎようとする時分、それでも4割り程のお客さんが、それぞれに寛いでいる。
一人であったので、間にあった変形大テーブルの一角に通され、腰を降ろしてほっと・・・。麻布のお店の風情には及ばないものの、デパートの蕎麦屋にしては、このしっとりとした空気はうれしい。とは言え、同じデパ蕎麦として、「吉祥寺まつや」に比べて、昼酒している人がほとんどいないのは、ちょっと寂しいな・・・。(と思うのは私だけか・・)
すぐに出されたお茶を頂きながら、置かれた品書きを開く。
あった、あった 。
ここにくる事があったら、是非頂いてみたいと思っていた、本店にはない立川限定の、煮物、焼き物、さらしな、もりがセットになった「麻布十番膳」。
「数に限りがございます」と書かれているので、通りがかった花番さんに、まだ残っているかお聞きすると、あるとのこと。ならば・・、お蕎麦は後にして出して頂けるかとお聞きすると、大丈夫とのこと。これは、うれしい!凍えた体に、熱燗をちょっと頂いて・・・、このお料理を頂いてみようと、お願いする。
本店とほぼ変わらぬお酒の品揃え。だったら、やはり「堀井」さんでは「名倉山」を。
熱燗で出された「名倉山」は、ひょうたん型の徳利に。
これは、持ちやすく注ぎやすい。
アテには、麻布の老舗の豆屋を思い出す、豆がいくつか出される。
・・・が、待てども待てども、お料理が来ない・・・
催促するのは、気が引けたが、さすがにしびれを切らして、通りがかりの花番さんにお聞きすると、お料理もすべてお声かけで、と思っていた様子。ではなくて・・、お料理は先に頂きたいとのことを、再び告げるが、なかなか理解してくれない・・・。
ようやく、ベテランと見られる花番さんが来て下さり、なんとかお料理がやっと・・・、置かれる。
「焼き物」のお料理は、甘辛のしっかりした味付けの出し巻き卵に、蕎麦屋の焼き鳥。やや冷めてはいるものの、この懐かしいような味付けの卵焼きは、熱燗にうれしい。
「煮物」は、金沢の治部煮だろうか・・。椎茸、竹の子、生麩、銀杏、そして身のとても柔らかなふわりとした鴨が、葛仕立てで煮込まれたもの。これも、冷えているのが残念ではあるけど、味わいよく美味しい一品。
ようやく、お料理とお酒で満足することができ、ほっとしたところで、お蕎麦を。
「さらしな」と「もり」の二種が、各々の小さめの箱型の蒸篭に盛られて出される。
ん?、本店とは違って、こちらでは汁は一種類なんだ・・・。
まずは、まだ、「堀井」さんでは頂いたことがなくて、食べてみたいと思っていた「さらしな」。純白の蕎麦は、しっとりとしたやや、柔らかめの腰だが、淡雪を思わせるようなふわりとした軽さがある。
そのまま噛み締めると、やさしい甘みが後に広がる蕎麦。汁は、本店の「あま」と「から」の中間くらいだろうか・・。出汁がまろやかに引かれた、濁りのないきれいな汁。薬味の葱、山葵の丁寧なあしらいがとても好ましい。
続いて、「もりそば」を。
薄いグレーの蕎麦は、機械切り?と思う程の揃った切り幅。やや長めなのが、少々食べるのに気を使うものの、ほんのりと香る風味に、蕎麦の香ばしさもうっすらと広がってくる。やや、茹で過ぎかな?と思わせるものはあるものの、デパートでこれだけの蕎麦が食べられるなら、十分かな。
タイミング見て出される、うっすらと白濁した蕎麦湯を頂き、ややしこりが残りながらも満足な心地に。
ほっとしながら、まだまだ、お客さんが途切れることなく入ってくる入り口へと向かいながら、お勘定を。・・・と、「先ほどは、大変申し訳ありませんでした。又是非ともいらして下さい」と丁寧な一言が。
ああ・・・、この、この一言だけで、すべて忘れてしまえそう。
又、来よう、改めてそう思い、お釣りを受け取る。
ご馳走さまでした~
せっかくの素晴らしいデパート蕎麦屋。吉祥寺まつやさんのように、本店に負けずに、老舗の良さを引き継いで欲しい・・・。
今度は、周りのお客さんが美味しそうに食べていた、種物も食べてみたいな。
*お品書き
もり 630円、さらしな 735円、変わりそば 840円、かしわせいろ 998円、鴨せいろ 1,575円、天せいろ 1,470円、精進天もり 1,365円、冷やし五目、冷やし納豆 998円、とろろ 945円、花まき 788円、月見、玉子とじ 840円、親子南蛮 1,029円、にしん 1,260円、など
小海老天丼 609円、カレー丼、山かけご飯 504円、麻布十番膳 1,260円、(天ぷら付 1,680円)
名倉山 630円、久保田千寿 840円、万寿 1,050円、ほか
「更科堀井 立川店」
東京都立川市曙町2-5-1 伊勢丹立川店8階
042-540-8273
11:00~21:30
伊勢丹の定休日
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丁度、路線が重なっているみたいで、なんだかうれしいです。
西武線は、かなり充実しているのは、うれしいですよね♪
しゅうさんも、新しい発見、感想などありましたら、又いらしてください。
これからもよろしくお願いいたします(^^)
何年も前オープンした当時、昼下がりに入店したときも、こんな時間に来て申し訳ありませんて思わされた対応だったように記憶してます。
…花番さんていうのですね^^ゞ勉強になりました
神田まつやさんのちゃきちゃきした客あしらいがふっと思い出されて…比較するのは蕎麦のできぐらいにしたいですよねスミマセン
玉川上水から西武線東西線乗り継いで出稼ぎしてます
今度途中下車してデビューしたいお店や、
お、あの店じゃん!とつぶやいたり
少しずつ楽しみにバックナンバー読ませてもらってます^^)
そうそう、どんな時間帯でも、必ず人が憩っていて、それでいて、接客のぴしりとした居心地のよさ。
懐かしいです・・・。
えっと、お昼は禁煙のようだったので、それはよかったです。
はい(^^;;。名倉山はやはり、冷の方がいいですね。おっしゃる通り、やや辛かったです。でも、この日は、とにかく寒かったもので・・・(^^;;;
そうなんですよね、支店があるのはうれしいのですが、名前を名乗るのであれば、本店と同じように徹底してもらえると、とてもうれしいものです。
今後に期待したいです(^^)
本店は確かに客あしらいは流石、と思います。季節のお酒も選べたり・・・
名倉山は熱燗では辛くなかったですか?私はいつも冷でいただきますが、さっぱりしたいい感じです。
本店で霰蕎麦、食べたいな!
ほんのちょっとしたことだが
お店の人はこちらが遠慮しているで
あろうことも察してくれたりすると
いいのですが・・・
老舗の二号店三号店となると
店員の教育も行き届かないことも出てくるでしょうから
ほんとは支店は熟慮して出店してほしいが
中々都心まで出て行けない人も多いので
頑張って欲しいものですね
店の作りは、しっとりとした感じだったので、期待していたので、ちょっとがっかりしてしまいました。
こいうささいな事が、とても大事な事であったりしますよね・・。
でも、最後にきちんと侘びを入れてくれたことで、ちょっと救われました。
中休みを気にしないで、デパートでそこそこの蕎麦を食べられるは本当にありがたいということがあるんですが、更科堀井さん、支店を沢山展開するなら、ちゃんとバイトの花番さんまで行き届く教育を考えないと行けない気がするのですが、、、大事なことですよ。
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