かれこれ2年ぶりくらいだろうか。又来よう♪と思いつつ、なんて月日の経つ事の早いこと。通しの営業になったと知って、是非是非訪れたいと思っていたところ。
南阿佐ヶ谷の駅を上がり、青梅街道沿いからちょっと入った路地の隙間に、こっそりと佇む小体なお店。
南阿佐ヶ谷 「蕎 ふるやま」
とうに2時も回った時分。
本当だ・・、やってるやってる 。
営業中の札を確認し、半分開けはなれた扉をくぐる。
入った店内は、外の強い日差しから逃れたようなしっとりと影を落とした落ち着いた空間。ゆっくりと流れるジャズボーカルが流れる中、まったりとした空気がのんびりと流れてる。
あ・・・、いらっしゃい、とのどかに出てきて下さった奥様。さすがにこの時間、先客もなかったので、一枚板で作られたどっしりとしたカウンターの端に腰を下ろす。
ああ、このカウンターはいいなぁ、と以前訪れた時の記憶がふうっと思い出される。ぜひぜひ、ここでゆっくりと蕎麦前から楽しんでみたい・・・と、思っていたんだっけ。
カウンターの景色は記憶の中とほぼ変わらぬ、寛ぐ空気たっぷり。このゆったりとしたカウンター席、そして飾りつけ、カウンターとテーブル席がふたつだけの本当に小さなお店だけど、ふっと一人で訪れるのにはとてもいい空間 。
お茶を用意してくれている間に、品書きをぺらぺらと眺め、まずは地酒のリストの中から「九平次(純米吟醸無濾過)」を選びお願いする。
白磁の片口に注がれ、充てにと甘さを控えて柔らかく炊かれた煮昆布が添えられる。このちょっとした「充て」が出されるのは、やっぱりうれしい。
頂きながら、ゆっくりとこれも豊富なお料理が並ぶ品書きをあれこれとうれしく迷いながら、「おつまみ三点セット」(鴨ロース、蕎麦味噌、乾生海苔)と迷ったが、以前来た時にとても印象にあった品書き、「スモークチーズと塩らっきょう」がまだあったのがうれしく、すかさずこれをお願いする。何ったって、添え書きに「相性ぴったり」と書かれているんだもの、これはやっぱり食べてみたい♪
程なく出された「スモークチーズと塩らっきょう」は、陶器の平皿にかわいらしくも美しく盛られて出されて、見た目もうれしい。
九平治のややしっかりとしたお酒を口にしつつ、濃厚なスモークチーズを味わい、その後でさっぱりとした塩らっきょうを食べると・・、おおっ 確かに、確かにこれはいい♪
あるようでなかったこの組み合わせが絶妙。まったりとしたチーズに、歯ごたえの異なるものの組み合わせ、そして味わいの相反する意外感。これは・・、ちょっとはまってしまうかも・・。何はともあれ、チーズ好きにはうれしい一品。
量もたっぷりで、他に頼む必要もなく、これでまったりとした昼下がりをゆるゆると寛ぐ・・・。中休みのない気兼ねなさ、そしてせかすこともなくゆっくりとさせて頂けるのが何よりもうれしい。
ただ・・、目の前の工事の騒音が残念ではあったけど・・・
さて、お蕎麦は何にしよう~。
いくつかお蕎麦の並ぶのを目で追いながら、やっぱり久しぶりだし「せいろ」を頂こう・・・と、思ったが、目の前に置かれた季節のそば「冷やしかけそば」が気になって仕方ない。
さんざん迷った挙句、今日はこれを頂いてみようっと。
程なくして目の前に置かれた「冷やしかけそば」は、全部盛られてくるのかと思いきや、具が別皿で出される。丼には美しく澄んだ汁が注がれ、千切りの茗荷と紫蘇が蕎麦の上にかかってる。
まずは、揚げ玉、大根おろしを加えずにそのまま汁を頂くと、これが旨いっ
きんきんに冷やされたかけ汁は、出汁の香るすっきりとしたやさし~い味わい。喉に気持ちよくすうっと体に染み入ってくる。
ほっとして、今度は揚げ玉、大根おろし、ネギを加え、おおざっぱに混ぜて頂くと、揚げ玉のコク、ぴりりっとした大根おろしの清涼感が増しこれが又いい。
蕎麦を手繰ると、以前のやや太めの挽きぐるみの蕎麦とは違い、薄いグレーの細切りの蕎麦。あれ?蕎麦、変わったのかな?
口に含むと、しなやかさがありながらピンとしたしっかりとした歯ごたえ。汁によく絡まり、かみ締めると蕎麦の風味と甘みがふわりと広がる。お、今度の蕎麦、これもいい・・・。以前の猛々しいものとは違い、優しさが加わった感じというのだろうか。
時折あたる、茗荷のしゃきしゃきとした歯ごたえに、からりとした揚げ玉、からまる大根おろしと共に、箸を止めることなくするすると手繰ってしまう。最後には、この優しいかけ汁まですっかり頂き、非常に満足
きちんと品書きの最後には、「本日のそば」福井在来種、と明記され、入り口近くでは石臼が回っているこちらの蕎麦、これは是非とも又近いうちに「せいろ」単品でも頂いてみたい。
すっかりゆっくりとしたひと時に、疲れもすうっと引いたよう。
お勘定をしながら、お聞きすると蕎麦は二八とのこと。以前は確か十割だったはず、お店もどんどん変化しているんだなぁ~・・と、しみじみと思う。
何はともあれ、こんなお店が通しでやってくれ、しかもお料理の種類も豊富。これはとてもうれしい。
ご馳走さまでした~ 又、ぜひ訪れたいな・・・。
*お品書き
せいろ 680円、辛味おろし 840円、つけとろ 950円、鴨つくねせいろ 1,050円、鴨せいろ 1,380円、天せいろ 1,380円、ぶっかけ 1,160円、冷やしかけそば 880円、花巻、卵とじ、きざみ 840円、山かけ 950円、鴨つくね南蛮 1,050円、鴨南蛮 1,380円、天ぷら 1,380円、カレうどん 950円
そば味噌 320円、板わさ 、わさび芋 530円、鴨ロース、そばがき 840円、おつまみ3点セット 690円、にしん煮 780円、スモークチーズと塩らっきょう 580円、かぶの千枚漬、焼き味噌 420円、小エビの掻き揚げ、海老 630円、野菜天 840円、などなど・・
天明、醸し人九平治、天墜、白漠、王録、陸奥八仙、八海山 680円~1,050円
手打そばと酒「蕎 ふるやま」
杉並区成田東4-26-12
03-5378-0233
11;30~21:30
水曜、木曜定休(祝日営業)
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いや、どんなに探してもそのあたりにはなかったので、新しいお店なのかな、と思っていたところでした。
「さくらい」さん、知ってはいたのですが、通そうでなかなか伺っていなかったのですが、今度行ってみます♪
やはり思われましたか・・・、お蕎麦本当に変わりましたよね。以前は、もちょっと太めの野性味のある蕎麦だったかと・・。
でも、私も今度のそばも又よかったと思ってます。
冷しかけそば、いいですよっ、
夏の暑い日には最高です。ぜひ♪
それと「たかはし」さん、知りませんでした!荻窪環八沿いの「高はし」とは違いますよね?
ありがとうございます。ぜひ、探して行ってみたいです(^^)。
私、お笑いの舞台ってまだ見たことないんです。見てみたくなってきちゃいました。
新宿にはヨシモトもあるし・・・、
今度行ってみようかな。
あ、でも、「浅草」っていうのが又、いいのかも・・・
というわけで私、「ふるやま」の近所に住んでいるのですが、この前の週、夫婦で久々に訪ねて「蕎麦が変わったね」と話していたところでした。今度の蕎麦もきりっとして美味いですね。冷しかけそば、やはり気になっていたので次はぜひ試します!
余談ながら、「ふるやま」のすぐ近くの四つ角(店を出て左に曲がる)を道なりにずっと進んで、五日市街道を渡って右折し、右に少し行ったところにある「たかはし」も落ち着いた良い店ですよ。機会があればお試しくださいませ。
友人のお誘いで「よしもと浅草花月」を
観劇に!
待ち合わせを上野でして上野藪蕎麦へ行って
ひとしきり涼んだ後銀座線で浅草へ
とーっても面白かった
お笑いの舞台って初めて見たのだが
生の森三中の村上知子はTVより
痩せてない?とか
こだまひびきの漫才は流石ベテランって感じ
また見に行きたくなりました
ほんっと、ひっさびさに行ってとても満足な時間をすごせることができました。
本当に、うれしいお店です。
>塩ラッキョウとチーズ
や、やはり定番でしたか(^^)
今度は、何を頼もうかな、なんて楽しみにしているところです。
以前にもお邪魔したものです。
ふるやまさんイイですよね~
私も1人でのんびりしたいときに伺います。
スモークチーズと塩らっきょうも定番です。
ありがとうございます。早速訂正して置きます。酔っ払ってたのかしら、私・・・
×九平治
○九平次
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