お昼のちょっとした時間を、ほっと寛ぎたいな・・・と、気になっていたお店へと足を向けてみる。
初めて降りる「西所沢」。
ささやかな町並みを歩くとほどなくして、細いながらも車通りの多い道沿いに突き当たる。その殺風景な通りに面して、そこだけふっと和むような和の趣の、さりげない店構えがすぐ目に入る。
西所沢 「手打蕎麦 久呂無木」
三田のお蕎麦屋さんで店長をなさっていたご主人が、去年こちらで独立されたというお店。
まだ新しいお店だけど、落ち着いた空気を感じられるのは、その実績が醸し出しているものかもしれないな・・
急に強まった雨から免れるように、急いで扉を開く。
入るとすぐ、右手には打ち場が置かれたしっとりとした間があり、さらに扉を開く先が店内。
右手にカウンターがすっと伸び、左側には衝立で仕切られた小上がりが3卓ほど。その奥にも部屋がありそうだけど、戸が閉められているから宴会用なのかな。
全体にしっとりとした空気で、とても落ち着く作り。後ろに流れるジャズのBGMがちょっと浮いているようにも感じるが、小じんまりとまとめられた店内は居心地が良さそう。
カウンターもいい感じだったけど、ちょっと雨に塗れた靴を脱ぎたくて、一人だけど小上がりの席に座らせて頂く。先客のご夫婦と並びの小上がりだけど、ついたてがあるので、とても寛げちゃう。
しかも、掘りごたつのテーブル席なので、それもうれしい作り。
すぐにかわいらしい奥様が、お茶とお絞りを出して下さり、すすりながらテーブルに置かれた品書きを広げると、まず初めのページには蕎麦やうどん、汁についての拘りが。
ふむふむ~、なんだか期待できそう
品書きには、蕎麦の種類が冷、温いくつかに、うどん、丼ものと結構豊富な品揃え。お料理も手ごろな値段で頼みたくなってしまうものも並び、これはなかなかいいなぁ~。
その中から、平日のランチを見つけ、中でもいくつかのお料理と蕎麦のセットの「彩り」が魅力的だったので、それを頼むことに。
それと…、
やっぱりせっかくのお料理を頂くので、お酒をも。
なんったって、「諸国地酒」と看板に書かれていたんだもの、これは頼みたくなってしまう。
中から、埼玉の「すてきなさざなみ」を選ぶ。
美しいガラスの徳利に注がれ、充てには優しい味わいの蕎麦味噌。
お蕎麦はお声がけで…、とお願いすると、程なくしてまずはお料理の三品が出される。
小さな小鉢三種ではあるが、どれもが丁寧に作られたのが伺えるきちんとしたもの。
まずは、湯葉刺し。天盛りにされた山葵の質もいい。
ねっとりと、そして大豆の旨さのしっかりと感じられる湯葉で、これはお酒にいいや
そして揚げたての、これがとってもうれしいっっ大好きな「白えびの天ぷら」。
奥様にお聞きすると、富山のものとのこと。さっくりカラリと揚げられた白えびは、甘みがありほんのり振られた塩加減が丁度いい。これは美味しい♪
「サラダ」は大根とキャベツが均一に千切りにされたもの。かけられたドレッシングがよく馴染み、しゃきしゃきと瑞々しく素材の良さが伺える。
すっきりとした軽やな香りのいいお酒を、とても満足なお料理で満足し、ゆったりと寛いでしまう。
いつしか雨も上がり、明るさを見せ始めると、ご近所の方と思われる常連のお客さんが、一人、また一組とやってくる。すっかり地元に根を下ろしてるんだなぁ~…
ひと時の時間をすっかり満喫して、メインのお蕎麦を。
手作りらしい陶器の器にすのこが敷かれて盛られた蕎麦は切り幅にムラのないグレーの細切りの蕎麦。見るからみに瑞々しく輝き、凛々とした姿で美しい。
なんでも「会津、川場村、嬬恋村、で蕎麦を研究しているという方に特別に有機栽培で作ってもらったものを契約して仕入れている」(と、書かれてた)という蕎麦らしい。
手繰り寄せると、強烈ではないが(時期的なものもあるかも…)それでも、清々しい爽やかな香りがふっとかすめる。
口にふくむと、ややぬめり感のあるしっとりとした腰。きりっと冷水で締められた蕎麦は、滑らかな舌触りと共に心地よく、すっと落ちていくのど越しがとても爽やか。
かみ締めると、これも草原を思わせるような蕎麦の風味がやさしくではあるが、飲み込む瞬間にふっと込み上げる。しかも見つめる蕎麦のひとつひとつには、粗挽きにされた蕎麦の粒が散りばめている。ご主人にお聞きすると、こちらで丁寧に石臼で挽いているとのこと。
そして、又何よりもこの汁が旨い 。突出せずにふわりと香る上品な鰹の風味がしっかりと感じられ、濃い目の汁ながらとてもまろやかに仕上がっている。この汁をちょこっと漬けて頂くと、ぐんっと蕎麦が旨みを増し、これは美味しい…
頃合を見て、ご主人自らが、「お口にあいましたでしょうか…」と蕎麦湯を出してくださる。
この蕎麦湯がこれまた美味しい!
熱々で、とろとろっとした真っ白なポタージュ。
この汁に注ぎいれ、マーブルにかき混ぜて頂くといつまでも飲んでいたくなってしまうくらい。
そして…、ほおっと一息入れて、お蕎麦と一緒に出された「甘味」を。
羊羹?と思ったそれは、なんと「黒胡麻プリン」。これが又おいしいぃぃ~
最後のデザートまで頂き、大満足
まだお若そうなご主人は、すっきりとしたハンサムで素敵な、そして真面目そうな方。かわいらしい奥様と切り盛りするこのお店にすっかり好感を覚えてしまう。
これは、夜にでもさらにゆっくりと訪れてもみたいな~。
それと…、品書きの中の「会津いわい鶏のとりそば」がとても気になってしまったので、それを是非頂いてみたい。
ふっとした束の間の時間だったけど、のほほんとした、いい時間をすごせた事が何よりうれしく…、
本当にご馳走さまでした~
*お品書き
もりそば 680円、ごまだれ、とろろ、おろしぶっかけ 900円、とりそば 950円、天もり 1,200円、かけ 680円、わかめ 780円、きつね 850円、やまかけ 900円,天ぷら 1,200円、天丼 1,200円、ミニ天丼 400円など
(平日ランチ)彩り 1,000円、天丼蕎麦膳 950円、じゃこ蕎麦膳 850円
岩手いわい鶏炙り焼き 750円、出し巻き 700円、じゃこ山椒焼き、オニスラ 300円、こんにゃく田楽 250円、そばみそ、刺身こんにゃく 400円、牛しぐれ煮、南蛮漬け、漬物 500円、鴨ロース 1,000円など
醸し人九平次、黒龍、南部美人、雪室、すてきなさざなみ、八海山 650円~980円、焼酎各種 500円
手打蕎麦・うどん・諸国地酒
「久呂無木」
埼玉県所沢市西所沢1-4-14
042-922-9619
11;30~14;30 / 18:00~21:30
水曜定休(祝日営業、翌日休)
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ご主人もとても熱心な方のようだし、お店もいい感じです。
是非、又所沢の方にお越しになったら、訪れてみてください。
応援したいお店です。
お蕎麦も湯葉も、惹かれます、所沢は以前ならばよく行ったのですが・・・・
お酒の揃えも良さそう、期待できるお店のようですね♪
私も、大好きなお店です。
>多摩湖狭山湖
よさそうですよー。
泊まりがけでなくても・・、いや、大変かしら??
サイクリングロードがあって、とてもたくさんの自転車が走ってます。お蕎麦屋さんも点在しています♪
私も最近、ちょっと遠出したりするようになったので、いつか挑戦したいです!
こちらも、なかなかいいですよ(^^)
機会あれば、ぜひ♪です。
もう行かれていたんですね(^^)。
そうなんです、すーっごい気になってしまって、とっても食べてみたい。
ぜひ!行ってみます♪
駅からも程近く、こちらもいいですね
YUKAさんと南無さんに勧められた「ふじ多」、すっかりファンになって、居付いてしまいました。
お二人推薦の「菊谷」も行ってみようみようと思っているうちに、d@nchuされてしまったので、しばらく寄り付けそうもありません。残念。行っておけばよかった。
ここもよさそうですねエ…。でも遠い。
そのうち、多摩湖狭山湖あたりを、泊まりでゆっくりポタリングしてやろうと計画しています。その際はぜひ、とりそばなど…。
さすがに感が鋭いですね。
まず、つけ汁に意表を突かれました。
思わず「エッ!?」と、声を出してしまいました。
で、「これは?」と、聞いてしまいました。
是非是非、次回はお楽しみを。
岩手のいわい鶏は、甘味が強く、味の濃厚な、旨い鶏肉でした。
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