夜に出向くのは初めて。・・・そして、最後になっちゃうんだなぁ、などと思いながらお店を目の前にすると、何とも感慨深い。
国立 粗挽き手打ち蕎麦「蕎盧庵」
ほんのりと中の灯りが漏れ出でて、しっとりとした和の趣き。
なんだか、なくなってしまうのは、とっても惜しい気持ちでいっぱい。。
扉を開けようとすると、入り口横には移転、閉店のお知らせが貼られてる・・・。
ふっと落ち着く、黒木で覆われた店内は、相変わらず心地がいい。
打ち場もまだ新しく、考えてみたら開店当初に伺った時から、まだ2年余り。去年の11月に伺った時には、そんな雰囲気も全くなかっただけに、惜しまれてならない。
でも、静岡に縁のあるご主人とのこと、考えあっての移転なんだろうな・・・。
午後7時。
今夜の皮切りのようで、打ち場のすぐ横のテーブル席をとり、まずは・・、ビールで乾杯♪
寒いとはいえ、駅から歩いてきた喉に恵比寿ビールがとっても美味し~い。
今まで、お昼にしか訪れたことがなかったので、きちんとお料理を頂くのも初めて。
まずは・・・、「ぬか漬け」。200円っ??と思ったら、丁度一人分くらいの量。それでもいい塩梅に漬かったきゅうりと蕪がいい箸休めに。
そして、静岡ならではの「黒はんぺん」。 魚の風味に甘みをも感じられ、山葵で食べるこれがとても美味しい。宇和島のじゃこ天とは又違い、優しい感じもあってこれはいいな~ 。
となったら、お酒が恋しい。
ビールに変えて、まずは、「正雪」純米吟醸を。
こちらのお酒も、静岡のお酒が中心のよう。
お酒は、備前焼きのようなとっくりで。
そして、前回訪れた時から、食べてみたかった「桜海老づくし」。
んんん~っ 見ただけでもうれしくなっちゃう盛り合わせ。
桜海老の刺身に、釜揚げ、それに桜海老の掻き揚げ。まさに「桜海老づくし」。
刺身は山葵で。ほんのりと美しいピンク色の海老は、透き通りつやつや。口に含むと、まったりとした舌触りにほわ~と甘みが広がりたまらな~い
一方釜揚げは、さっと茹でられた分、身がふわっとしてこれもいい。こちらは、生姜醤油で。
いやぁ、桜海老っていいなぁ・・・と、改めて。もちろん、素材の良さもあるんだろうなあ。
そして、美しく円に形作られた掻き揚げ。
ぎっしりの桜海老が折り重なるようにして、さくっと揚げられたもの。
塩で頂くもので、桜海老の香ばしさが非常に強く出てて、これもすこぶる美味しい。いつまでもカラっとした衣で、ご主人の天ぷらも見事なもの。
(カルシウムもたっぷり??)
こんなお料理だもの・・、お酒も美味しく、お変わりは(なぜかこれだけ京都のお酒?)「玉の光」に、「初亀」純米吟醸と続いて・・・。
最後に(やっぱり食べておかなくちゃ)の「玉子焼き」。
均等に切り分けられて出され、出し汁をたっぷり含んだような、ジューシーでふわふわの玉子焼き。
やや甘めの味付けで、熱々の時はあまり感じなかったけど、ちょっと冷めてくると、しっとりと味が落ち着いたようで、美味しさが伝わり日本酒にとてもいい。
いやぁ、どれもこれも、満足なお料理にすっかり満喫。
間に何人かのお客さんが訪れては帰って行くのを横に、すっかり長居しちゃった。
そろそろお蕎麦を・・と、「せいろ」は頂いているので、今日は「辛味大根おろしそば」を。
こちらの「辛味大根おろし蕎麦」は、別におろしが出されるスタイル。
見た目にもうれしいくらい、豪華に蕎麦の粒が表面を覆う。
常陸大田の蕎麦を、24メッシュで挽いた蕎麦は、切り幅にもムラがなく丹精な細切り。切り口のエッジも潔いもので、これはいい。
たぐり寄せると、強烈ではないが、ふわりと蕎麦の香りが立ち込める。口に含むと、期待通りのざらりとやさしく舌をかすめていく、この感触がたまらない。これこれ、この粗挽きがとても好き。
つなぎは1割5分とおっしゃっていたが、つなぎ感はもちろん感じることもなく、粗挽きながらもしなやかさがあり喉越しも爽やか。
しっかりとした返しで作られた濃厚な蕎麦汁、そのままでもこの蕎麦に美味しいものだが、このぴりりっとした大根おろしを加えると、辛味の中に大根の甘みが加わるよう。これと蕎麦とのハーモニーがまたとても楽しい。
いやぁ、これはいいなぁ・・・
蕎麦湯を注ぎゆっくりと頂きながら心から大満足。
しかも、初めて来た時よりは前回が、そして今回はさらに蕎麦が美味しくなっているように感じる。ますます、移転してしまうのが惜しい限り。
他のお客さんも帰られたこともあり、ちょっと顔を出してくださったご主人は、謙虚さのあるまじめで素敵な方。そして笑顔がとてもいい
移転先は御殿場とのこと、心から・・・エールを送りたい気持ちでいっぱい。
がんばって欲しいな。
開店は11月頃とのことだから、そちらにも是非訪れてみよう。。
今夜は本当にご馳走さまでした~。
最後に来れて、本当によかった・・・。
糠漬け 200円、黒はんぺん 300円、桜海老づくし 1,000円、玉子焼き 700円、
辛味大根おろし蕎麦 1,000円、
ビール大瓶 800円、正雪(純吟)、玉の光(純吟) 700円、初亀(純吟) 1,000円
自家製粉 粗挽き手打そば
「蕎盧庵」
国立市中2-5-8 矢沢ビル101
042-573-3070
11:30~14:00 / 17:30~20:30
月曜定休 18日まで
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初めてじゃあ、ないですってばー(笑)
そう♪、行っちゃってました。
よかったです、ほんっとに。最後に行けたこと、本当によかったと心から思っている次第・・・。
御殿場でもがんばって欲しい。
きっと、あのお蕎麦にお料理なら、と思っています。
タマにしか覗かない、この“つれずれ”偶然、今 出先で覗きに来たら・・・
さすがyukaさん、閉店前に駆け込んでいたのですね。w
昨年、友人のライブへ行くチャンスがあり、国立近辺の情報を、、、とコチラを参考にして伺ったのがココ。。
結局は、最初で最後になってしまいました。。(涙)
旨い酒に旨いツマミ、そして旨い蕎麦。。
遠くへ移転してしまわれるのは、チョットだけ残念ですね。
いつかまた、訪ねてみたい店です。
そうなんですよ・・・。
私も残念な思いでいっぱいで。
で、今日はどちらに・・?
場所を調べていたら・・・・このページに。
閉店・・・。
うーん、お昼どうしよーーー。
情報に感謝です☆
察しが鋭いですねぇ。。
ってことで、私もよくよくお話をお聞きしたら、それも又いい選択なんだろうな~と思った次第です。
明日?大丈夫ですと思いますよー。
ぜひ、最後に・・・。。
私もとても残念に思っているところです。明日は、ぜひぜひ・・・。
ご主人のお人柄もとてもよいので、お話されるといいと思います(^^)
「くろさわ」・・・、高橋さんのお蕎麦でしか伺ったことがないので、私も行ってみます♪
ありがとうございました。
明日で当地はおしまい!!・・・ですか・・・
最終日に行ってみたいとは思いますが、多分とても
混むでしょうから止めときますぅ・・・
御殿場って、一応静岡?ならば故郷に近いところで
営業されたいということでしょうか?
ま、駅舎もなくなっちまったことだし、H大学だけで
持つところでもなかろう。
また、近頃(いえいえカナリ前から)土地代高いし、
テ○ント料だって・・・なんて不穏な忖度してしまいがち。
まま、あっしもチト考えますに、そういうこともあって当然!
かと。(他人事ぢゃなし・・・)
え~え~蕎盧庵移転ですか・・・?ここの粗引き蕎麦すごくいい蕎麦で大好きでした。
ただお店の営業時間が短くなかなか伺えなかったのでここのところ御無沙汰。一度頑張って行ったときは定休日とか・・・。18日までとの事なので是非明日行ってみようと思います。情報ありがとうございます・・。
蕎麦巡りをしていると、お蕎麦やさんのお蕎麦が進化していたり、あれっ?と思う時がたたあります。これだからやめられない・・・。昨日はyukaさんの仕事地近くの[くろさわ」に行きましたが、とてもきれいなおそばがでてきて満足!おいしいお蕎麦食べている時って、ほんと至福の時間ですね。毎日ブログ楽しみにしてますね。
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