山形二日目の朝も、よく晴れ割ったいいお天気。
旨いお酒は後に残らず、すっきり目覚め…、
これも楽しみにしていた、今が食べ時のサクラボ狩り。
M氏のご友人に案内された、天童のサクランボ果樹園は、
どの木も赤い実がたわわ 。
つやつや大玉の佐藤錦は、びっくりする程甘〜いっ 。
子供に戻ったようにはしゃぎながら、
あちこちの木の実を食べ比べ、
お土産のサクランボも買い求め…、
さあ、お昼は、村山、最上川三難所そば街道へ 、
何軒もの蕎麦屋がある通り沿いに、
ああ、懐かしい…、10年ぶりの「あらきそば」 。
大正9年創業。
まるで昔話の絵本にでてくるような、
茅葺屋根の古民家、郷愁溢れる佇まい 。
山形 「あらきそば」
開け放たれた玄関で靴を脱ぎ上がれば、
ああ…、昔訪れた時の事が脳裏を巡る、この風景 。
障子越しに柔らかな陽の光が差し込む、
足裏に気持のいい畳の間、
黒光りした柱に天井、ところどこに下がる豆電球。
夏休みにおばあちゃん家に来たような、
懐かしい心地を感じながら、
年季の入った板のテーブルに腰を下ろし、
早速ビールで乾杯〜 。
はぁ〜、なんて気持ちいいんだろう…。
添えて出された「浅漬け」をつまみ、
置かれている品書きを見ると、
これこれ、ここに来たら「鰊煮」 。
頼めばすぐ届く「鰊煮」は、
思わずぎょっとする程黒い、独特の鰊。
これがほろっほろっの柔らかさ。
見た目程、ちっとも味濃くなく、
ほのかな味噌に甘みが染みてとてもまろやか。
美味しいっ
ビールを飲み干し、続いてお酒も。
ここにそっと出して下さった、
「胡瓜の浅漬け」に、サクランボが又甘〜い。
山形のサクランボはほんっと美味しい 。
そして、お蕎麦の板そば。
4人で2倍盛りの、「むかし毛利」を頂くことに。
まず置かれる汁は、濃いめでまろやか、
豪快にたっぷりの葱が添えられ、
続いて、ど〜んっと長く大きな「板そば」が 。
蕎麦は山形産「出羽かおり」。
皮ごと挽き込んだ、どっしり太めの挽ぐるみ。
冷水できりっと〆り、しっかりとした腰加減。
歯を押し返すような強さだけど、
昔感じた重たさがなく、意外にも喉越し爽やか。
噛む毎に旨みが広がり、お蕎麦美味しいっ 。
どっぷりと汁に浸せば、さらに味わいが増し、
途中でつまむ鰊が抜群に蕎麦に合う 。
皆とわいわい手繰り合うのが又楽しく、
昔こうして、農作業の合間に手繰っていた人々に想い馳せ…、
あー、板そば、いいなあー
蕎麦湯は、ほんのりと濁った素の釜湯。
注ぎ注ぎ、たっぷりと頂き、
席を立てば、奥の打ち場では、
4代目のまだ若主人が追い打ち中。
その大きな玉を括る姿を、しばし見学させて頂いて…
ご馳走様でした〜
なんとも言えない、郷愁と温もり、
もはや文化遺産と言っていい、「あらきそば」。
ずっとずっとこのままで、あってほしいな…
「あらきそば」
山形県村山市大久保甲65
0237-54-2248
11:00~18:00
毎月11日と26日休み
お店のHP
2007年 9月21日 「にしんみそ煮」「うす毛利」http://arakisoba.com/
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