列の後ろにつき、しばし待ち…

ようやく通された店内は、もちろん満席の賑わい。



カウンターの真ん中で、少々落ち着かないけれど、
久しぶりのお店、蕎麦前から頂きたいな 。



待っている間にすっかり体も冷え、
お願いした、「浦霞」のぬる燗に、



充ては…、
11月から3月という、限定の貴重さに、



お願いした、「牡蠣天ぬき」 。



そっと蓋を開けたら…、
ふわ～っと広がる、汁のたまらない香りに、
ぷっくらとした牡蠣天みっつ。

まずは器に口つけ、汁をすすすっと。



はぁ～…、たまらなく美味しい 。
やわらかく染みた鰹出汁に、ほんのりと牡蠣の風味が広がり、
汁だけでも、十分すぎる酒の充て。



ようやく引き上げた牡蠣天は、
まだ衣のサクサク感を残し、



はふはふっと齧れば、じわっと滴る海のミルク。
くぅ～、これは旨いっ

牡蠣をほおばり、酒をくぴっと、
次第に汁を吸い、ほろりとした衣が又美味 。

両脇のお客さんの事も忘れ、
しっぽり楽しませて頂いて…




お蕎麦は、迷わず、「もりそば」で 。



あの頃と変わらず、いや、さらに男前を増したご主人の、
颯爽とした姿も気持ちよく…



出された蕎麦は、ピンっと角立つ、
乱れなく断たれた、凛々しい細切り。



冷水にキュっと〆られた蕎麦は腰しっかり。
つつっと落ちる喉越しも清々しい、
粋な江戸蕎麦の良さたっぷり 。

出汁まろやかな奥行のある汁もよく、
盛りもたっぷりの蕎麦もあっという間。

細工なしでほんのりと白濁した、熱々の蕎麦湯を、
汁の美味しさを実感しながら、
何度も注ぎ、たっぷりと味わって・・・

ご馳走さまでした～

今年で14年になるそう。
「又　よろしくお願い致しますっ」
ご主人の爽やかな笑顔が心に残る。

「通し」じゃなくなったのは残念だけど…
今度は、「かけそば」を頂いてみたいな

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