昼時を外して入った店内には、まだ何人かのお客さん。

一人での切り盛り、忙しそうに立ち回りながらも、
にっこり笑顔でご主人に迎えられ・…、



通された大テーブルの端に腰を降ろし、
最後になるかもしれない昼のひと時を楽しもうと、



まずは蕎麦前、「澤屋まつもと」 東条



お酒に添えて出して下さった、
ミニトマトに、しめじの佃煮、もろキュウ、に…、



ほかほか熱々の、「山芋、椎茸、舞茸の出汁炊き」。
塩だけで頂く野菜の、素の味わいにしみじみ 。



「開運」　山田錦　ひやづめ純米
をお変わりしたら、



添えて出された、シンプルに美味しい、「冷奴」。



岐阜の玉泉堂酒造「醴泉」を、少々頂き、
ようやくご主人とゆっくりお話し。
お昼をやめる事などなど、お聞きして…、

残念な気持ちは、まだまだいっぱいだけど 、



いつも楽しみな、ご主人のお蕎麦。
今日打たれている4種を頂こう。



まず出された蕎麦に、思わず息をのむ、
はっとする程緑鮮やかな、希少で貴重な、
北海道鹿追、「牡丹」の新そば 。
ひこべえ挽き、40メッシュ



淡く尊い、爽やかな香りがふわり。
キシキシと歯に感じる、心地のいい感触に、
優しくたおやかなのど越しは、山中さんの蕎麦の本領。



続いて、二枚目、透明感のあるグレーの玄挽き。
島根雲南の「横田の小そば」。
モラ臼　24メッシュ　



心地のいいほのかな粘りに、欠片がかすめる心地良さ、
じわ～と広がる、青味の混じった香ばしさには、
野生の力強さがあり、ぞくぞくする味わい



3枚目は、手挽きし打たれた、長崎の「対馬そば」

うわあ、なんていい香り…、
置かれた途端に、ツーンっと広がる豊かな香り。



抜きの透明な粒が浮き、甘く香ばしく、味わい豊か。
ん～、これも、美味し～い



最後は、大分豊後高田の「宮崎早生かおり」。
これも手挽き、24メッシュふるい。



すぅ～っと広がる清々しく香ばしい香りに、
ふっくらとした甘みが口に広がり、実に風味豊か。
ああ、もう、どれもが美味しい…。

あっという間の4枚に、
もっと食べていたい、と思っていたら…、



すっと出されたお蕎麦に、胸キュン 。
豊後高田の平打ち、おろしそば。



薄く幅がある蕎麦は、細打ちとは又違う、
噛みしめている間に旨みがじわじわ。

すっきりとした冷かけ汁に、大根おろしが爽やか。
蕎麦の香ばしさを引き立て、後をひく



さらに、平打ちの湯盛りそば。



蕎麦湯に温まった平打ち蕎麦は、
ほわっと優しくほどけ、風味が膨らみとても甘い。
ん～、平打ちの湯盛りそば、これいいなー

次々に出される蕎麦から溢れる魅力に、
憑りつかれたように手繰る幸せ。



熱々蕎麦湯を注ぎ、ゆっくりと余韻を楽しんで…

ご馳走さまでした～

お昼がなくなってしまうのは、とても残念だけど…、
秋から冬の夜長に、
この幸せを頂きに来よう 。

関連記事

• 西国分寺　「潮」　暮の夜の「蕎麦会席」　「ふぐ白子の天かぶら釜」 (2016/12/10)
• 西国分寺　「潮」　秋の夜の「蕎麦会席」「松茸と鱧のしゃぶしゃぶ鍋」 (2016/10/31)
• 国分寺　「きぬたや」　石臼5台での「牡丹」の挽き味比べ (2016/07/21)
• 西国分寺　「潮」　春の夜の「蕎麦会席」　「花山椒と筍の和牛鍋」 (2016/05/02)
• 国分寺　「きぬたや」　夕暮れに心酔　4種の蕎麦 (2016/04/22)
• 国分寺　「てる久」　桜に思い馳せ磯香広がるふわふわ「玉子とじ」 (2016/02/17)
• 西国分寺　「潮」　冬の夜の「蕎麦会席」　焼穴子と白子の「冬至鍋」 (2015/12/17)
• 国分寺　「きぬたや」　夜だけの営業になる前に… (2015/10/22)
• 西国分寺　「潮」　夏のお昼の「蕎麦会席」　鱧三昧に「とまとの冷かけ」 (2015/07/17)
• 国分寺　「潮」　春の夜の「蕎麦会席」　「花山椒と牛しゃぶ鍋」 (2015/04/22)
• 国分寺　「てる久」　名残の桜を愛で「桜切り」に「筍ご飯」 (2015/04/10)
• 国分寺　「きぬたや」　心をも癒す5種の蕎麦 (2015/01/21)
• 西国分寺　「潮」　秋の夜の「蕎麦会席」　「せいこ蟹の鍋やき」 (2014/11/27)
• 国分寺　「てる久」　祝！再開、「冷山かけ」 (2014/09/02)
• 西国分寺　「潮」　夏の夜の「蕎麦会席」　「比内鶏冬瓜釜蒸し」に「とまとそば」 (2014/08/25)

スポンサーサイト