瑞穂町役場近くの、全くの住宅街の中に、
楚々と暖簾が下ろされた、上品な扉を開き入ると…、

「いらっしゃいませっ 」
明るい気持ちのいいご主人の声がお出迎え。

ああ…、変らない 、
すっと気持ちが晴れるような、生き生きとしたこの声。

「お好きなところにどうぞ」、続いて奥様に温かく通されて、
掘りこみのテーブルに腰を下ろし…







冷たいそばに、温かいそば、と眺め、
季節の、「トマトの玉子とじ」や、
「わさび菜おろし」に「納豆そば」が気になるけれど…

やっぱり、あの、粗挽き十割の、「田舎」が食べたい 。

ちょっと栄養も考えて、「田舎」で「とろろそば」に決め、
彼は、「力そば」と迷って、国産合鴨の「鴨汁そば」。

頼みほっとし、ページをめくれば、



お料理もいろいろと美味しそう 。



もうちょっと近ければ…、
蕎麦前も楽しみに、訪れたいのになあ。

などと、近くの人を羨ましく思っていると…



「お待たせしました」と、二つのお盆が到着～。



ん～っ、見ただけで分かるっ、
実に美味しそうな、「田舎そば」

ほんのりとグレー色帯びた、端正に断たれた細切りに、
様々な色合いの欠片が紡ぎ合う、上品な粗挽き。



手繰れば、きゅっと〆った歯ごたえが気持ちいいっ。
穀物感溢れる、心地のいい表面のざらつきに、
すっと落ちる喉越し爽やか。

ん～っ、これこれこれっ、
「むらやま」さんのお蕎麦、美味しいっ 。



しかも、蕎麦猪口には、ふわっふわのとろろが浮かび、



まずは、そろりとよけ、汁にだけをそっと浸し、
まろやかな汁の美味しさを味わって…



続いて、ほわほわのとろろを絡め…
はぁ～、このとろろも、美味しいなあ 。



ようやく、玉子をとっぷり絡め、
汁とまろやか玉子、蕎麦との出会いに笑みこぼし…



最後はすべてを丁寧に混ぜ絡めれば、
くぅぅ～っ、これは美味し～いっ 。

そのままでも美味しいお蕎麦を、
二重にも三重にも、四度も楽しめるだなんて。
これは楽しすぎっ 。



一方、彼の「二八」は、「田舎」に比べてやや細く、
ちょっと交換してみると…



これもきゅっと〆り、はんなり淑やかな上品な口当たり。
ふわっと消え入るような喉越しで、「二八」も美味しいっ 。



しかも、鴨汁の汁の美味しいこと。
しっかりと染みた鴨出汁を、洗練した旨さに仕立て、
濃すぎず、薄すぎずの見事な加減 。

するすると軽やかで、いくらでも食べてしまえそう、
二人あっという間に手繰り終え…、



注いだ蕎麦湯は、とろりと濃厚。
とろろ汁は、まるでお粥のようで滋味深く、
注ぎ注ぎ、たっぷり頂いたらお腹もいっぱい大満足。

ご馳走様でした～

席を立てば、「ありがとうございましたっ」、
又、気持ちのいいご主人の声に見送られ…、

「むらやま」さん、やっぱりいいなあ。
又訪れて、今度は、「わさび菜」、食べてみようかな

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