休日の午後１時半。
きりりと磨かれた古風な玄関を入れば、
すぐに迎えてくれたのは、にこやかな作務衣姿の花番さん。

「今、片付けますので、ちょっとお待ち下さい」
玄関には靴がずらりと並び、どうやら満席だったよう。
程なく通され、座敷へ入れば…



はあ・・・、思った以上に立派な古民家。
年月培い、黒々とした柱に梁、
障子から心地良く注ぐ陽の灯りに、しっとりとした畳の肌触り 。

すぐに出されたお茶を頂き、置かれている品書きを開けば、



「長月のおすすめ」に、





なかなか豊富な「一品料理」に、
「つめたいそば」「あたたかいそば」
さらに、「角煮」「天ぷら」「鴨」の料理のつく、みっつの「御膳」



こんな場所に、お酒まで揃ってるなんて、ある意味罪～
車でなく来れる人を羨ましく思いつつ…



真っ先に気になったのは、「奈川在来種」の「十割そば」　。

早速これをお願いしたら…、
「限定１５食」既に売り切れてしまったそう 。

ならば、ちょっと気になった「和月蕎麦」をお聞きすると、
「卵黄が乗ったお蕎麦です」
と花番さん。



しかも、その玉子は、地元川島の「トップラン」だなんてっ
即効これに決め、
彼の「とろろそば」と添え注文～。



「お店のお願い」をふむふむと眺めていると…



さ程待つ事なく、お蕎麦が到着。



うわあ…、なんって色の濃い、ぷっくり丸々の愛らしき玉子
彼まで一緒に、わあっ♪と、思わず声が出ちゃう 。



さらに「とろろそば」の「とろろ」も、泡立ちふっくら、美味しそう 。



微粉で打たれた、気持ち太めの蕎麦は、角立ち凛々しく、



そっと手繰り口にすれば、
パキっと歯切れのいいしっかりとした腰、気持ちいい 。



汁は辛口、すっきりとして濃くまろやかで美味しく、
そっと浸した蕎麦は、風味が増す



散らされた、胡麻に揚げ玉、三つ葉と手繰れば、
それぞれの風味が混然となり、
汁と絡まった蕎麦は、後引く美味しさ 。

あっというまに半分程、楽しみ…



崩してしまうのが惜しいような、輝く黄味に箸を入れ…



たっぷりと絡め手繰った蕎麦は…、
くぅぅ～、この玉子、ものすごく濃厚～



徐々に絡め、汁に浸し、うっとり楽しみ、



最後は、汁をそろりと掛け、ぶっかけで食べるのも又旨いっ



途中で交換した、「とろろそば」も、
ふんわりとしてこれも、美味しい



頃合い見て出された蕎麦湯は、程良く白濁し熱々、
玉子を残すことなく猪口に入れ、
ぱっと煮え立つ玉子の蕎麦湯を、再び楽しみ…

注ぎ注ぎ、もり汁の美味しさをたっぷりと楽しんで…

ご馳走様でした～

ずっと座っていたくなる、心地のいい古民家で、
きりりとした粋な蕎麦、
これで、蕎麦前も出来たら、どんなにか…

などと妄想しつつお店を後にしたら、



おおっ、危なかった、「蕎麦売り切れ」の貼り紙がっ 。

良かった、良かった食べられて、
今日はツイテル…？

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