既に皆集まる中、急いで腰かけ、品書きを開けば、



まずは、「お昼の小丼のセット」が挟まれ、
そう言えば、これ、まだ食べた事ないなあ。

見ていたら、すっと顔を出してくれたご主人が、
「今日入ったんだけど…」



と出してくれた、二本の瓶。
「手取川　山廃純米原酒」に「国権　山廃純米」　　　



さらにもう一本、私に薦めてくれたのは、
女性杜氏「富久長」の、純米吟醸「美穂」。



各々好みのお酒を注ぎ、
添え出された、自家製山葵漬をつまみながら…



壁に貼られた季節の一品、
「ホワイトアスパラガス」、食べたいな 。



とろりと、たっぷりとかかった蕗味噌に、
ホワイトアスパラガスが絶妙な組み合わせ 。



…と、「これが酒の充てにいいんだよ～」、
とＦ氏の言葉で、皆な揃ってお願いした、



季節の蕎麦の、「桜海老せいろ」のつけ汁（単品）。



さくさくっとした桜海老のバラ天が香ばしく、
さらに海苔がほろりと溶け、風味高い磯の味が重なり、
確かにっ、これ、美味しいっ 。

蕎麦前もしっかり楽しんで…
では、いよいよ「小蕎麦」をば 。



島根奥出雲の小蕎麦、
丸抜き細挽き粉に、玄挽きを3割混ぜ打ったもの。



グレー色帯びた蕎麦は、程良い加減の細切り。
表明にはぷつぷつと、様々な色形の粒が浮き、
むわむわと広がる、濃い香り。

もちもちとした歯ごたえに、喉ごしは滑らか軽く、
じわじわ～と、途端に広がる力強い蕎麦の味わい。

これこれ、これぞ小蕎麦 。
豊穣たる穀物の旨みたっぷりで、あっという間手繰り終え、



続いて出された2枚目は、
同じ小蕎麦の、玄挽き粉を5割混ぜ打ったもの。



おっ、この香りは全く別物、なんて力強い香りだろう…



手繰り口にすれば、すぐ分かる、旨さの違い。
香り風味、5割の方が格段に味わい濃く、甘みがあり、
思わず目が見開く程の旨さに、途端にうっとり

小蕎麦の旨みの秘密は、殻にあるのだろうか…
しばし、ご主人含めて始まる「小蕎麦」談義 。

素朴で野趣さあり、上品で食べやすく、魅力満点の小蕎麦。
もっとこの蕎麦食べてみたい、と…



最後に出してくれた一枚は…
長野和田浦の蕎麦、熟成6日目。



顔を寄せた途端に分かる、むわと広がる、
熟成蕎麦独特の、甘く芳ばしい、濃厚なナッツ香。



もちもち腰に、思わずにやりとしてしまう、この味わい。
邪道だと思いつつも、やっぱりこれは美味しい 。



さらりとした熱々蕎麦湯で、
「桜海老のつけ汁」を最後にたっぷり堪能し、
興味深く満喫した、「小蕎麦の会」。

ご馳走様でした～

「今度は全玄挽きで打ってみようかな」
ぽつりとつぶやいたご主人の言葉、
考えただけでゾクゾク、それも絶対食べに来ます 。

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