西国分寺「山泉」さんが、今月いっぱいで閉められる?
教えて頂いた突然の情報に、びっくり驚き、何よりショック。
いてもたってもおられず、これは急いで伺わなくちゃ、
…と慌てて西国分寺へと。
行きたいな、行きたいな、と思っていたのに、
どうして、こんなに、ご無沙汰していたんだろう…。
それでも、まだ「まさか…」と信じたくなく、
どうか事実ではありませんように…、と心の中で祈りながら…
西国分寺 「十割手打ちそば 山泉 さんせん」
「年越し蕎麦」の貼り紙をそっと眺め、
年季の入った引き戸を開き入れば、変わらぬ素朴な店内。
昼過ぎた店内に先客はなく、
女将さんに通されたテーブルに腰を下ろし…
すっかり感慨深く、じっくりと品書きを一枚づつめくり眺める。
初めて来た日の事、初めてご主人と言葉を交わした日の事、
ぐるり頭をめぐりながら、まずは…、とにかく一献頂こう 。
お願いした熱燗は、程なく出され、
充てにも何か、と壁の貼り紙やボードを眺め…、
「自家製糠漬け」と迷いながら、選んだのは「きのこおろし」。
頼むとすぐ大根が卸され、器にたっぷり盛られた茸。
さっと味付けされた、えのきにしめじ、エリンギなどなど
大根おろしは瑞々しく爽やかで、熱燗のいい充てになり…
しみじみと店内を眺め、しばしぼんやりしていると、
ふらりと常連らしい年配の男性一人に、続けて、ご夫婦二人連れ、
さらに、一人のお客さんがぞくぞくとやってくる。
皆さん、この事を知ってて、なのだろうか…
考えながら、それぞれのテーブルに運ばれる蕎麦を眺め、
では、私も、そろそろお蕎麦を頂こう。
久しぶりに頂く、「せいろそば」。
そうそう、この蕎麦 、
初めて見た時感動した、粒が煌めき埋まる、繊細な粗挽き 。
隙間なくびっしりと粒が重なり合い、繋がり合う、
蕎麦という穀物をしっかりと感じられるこの姿…。
手繰り上げれば、ふっくらとした穀物の香りが豊かに広がり
口にすれば、ざらりと粒が優しく口の中を掠めていく。
しなやかでほろりと零れる、心地のいい歯ごたえに、
ふわっと口いっぱい広がる香ばしさ。
お、美味しい…
やっぱり、「山泉」さんの蕎麦、大好きだ。
汁などなくても味が濃い蕎麦を、大切に手繰り手繰り…
汁は、辛く濃くどろりとして濃厚。
この蕎麦にややきついような気もするが、
濃い汁が好みの人には、たまらなそう。
ちょろりとだけ浸し、手繰りながら、
このお蕎麦が、もう食べられなくなるなんて…
と思ったら、もう切なくて切なくて 、
さらりとした熱々の蕎麦湯をじっくりと味わっていると…
「いらっしゃい(^^)」
と、他のお客さんの帰られた後で顔を出してくれたご主人。
覚えていて下さった!♪、たまらず気になりお聞きすると、
「そうなんですよ、今年いっぱいで(^^;」
と穏やかな笑顔で、おっしゃるご主人。
奥様の体調がよくなく、もう限界でねえ…
と、長野で石臼作りや蕎麦の製粉などやるつもりで、
と静かに語る言葉を聞きながら、寂しさで胸がいっぱい 。
最近始めたという、自家製粉十割の「さらしな」や、
温かい蕎麦も食べてみたかったなあ…
と、ひしひしと悔やまれながら、
ご馳走様でした~
できれば今一度、最後の最後に食べに訪れたいな…。
ブラ様、本当に、ありがとうございました~
「山泉(さんせん)」
東京都国分寺市西元町2-17-16
042-327-7400
11:30~15:00くらい(そば仕舞)
木・第2水休
禁煙 P2台
2010年 6月14日 「とりわさ」にむき実の「せいろ」
2007年12月 4日 「田舎そば」
2007年 8月20日 「とりわさ」に「せいろそば」
2005年 9月21日 ビールで「にがうり」、「せいろそば」
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私も、又来よう!って来る度に思いながら、ご無沙汰しちゃっていたのが、悔やまれてなりません。「かけ」食べてみたいです…
以前来て、美味しいと思ったものの遠いので。再訪は
難しいと思っていましたが、最近健康の為に自転車散
歩をはじめたら意外と来れる距離だったので、もっと
何回も来ればよかったと後悔しています。
まあ、しょうがないですね。
感慨深く、心を込めて手繰ってきました…。
最後にご主人とお話ししていて、こちらのご主人も、「本むら庵」の出身だったというのを始めて知り、おおいに納得した次第です。
えっと、はい、お蕎麦は、こっちで…(^^;。
寂しいけれど、悲しいけれど、
次の世代の風を応援したいです。。
ぜひ!行っておいて下さい。
私もしっかりと、心に留めておきたいと思っています。
ですよねー。「あっちの方」はお料理は
美味しそうだけど…って、合ってますか
ね、このコメント。
改めて写真を拝見し、綺麗な蕎麦だな~という感慨。
そうですよね、勝手なこと、さんざ当方ら言ってましたけど、何事も
バランスっていうかね、それはありますよ。
当方のような「ホットテンパー(短気湯気先的性格)」には色々と誤解も
多かろうが、それは練れて来れば…、ねえ。
しかし、蕎麦を主として喰いに行くというなら、文句なく「こっちの方」
だったがねえ。
色々な所で、色々なお店が消えて行くけど、なんか段々とズッシリ感が
増えて来るんだけど…。
そうだ、新しいお店も逆の勢いで応援しようではありませんか!!
(それしかないような 汗;;
伺っときませんときっと、後悔しますから。
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