がらがらと扉を開けば、わあ、これは広いっ 。
表から見て想像していた以上に広く、解放感溢れた店内。



高い天井から風流な照明がいくつも下がり、
ゆったりと作られた掘りこみのお座敷にテーブル席、
真ん中にはカウンターがぐるりコの字に囲み、その正面には…



あっ…！、打ち場がっ 。
カウンターのまん前に、立派な打ち場がちゃんとある。

…と言う事は、ここは手打ち？
途端に気持ちが高揚しつつ、
花番さんににこやかに通され、テーブルに腰を下ろす。

すぐに出されたお茶を口にし、早速品書きを手にすると、



まずは、「季節の品書き」が挟まれ、
その裏の品書きの綴りを手にすると、すごい…
何枚もページが綴られた豊富な品書き。



ちょっとした宴会にも良さそうな「清川御膳」がまずあり、



カレーに力を入れてるのかな？、カレー丼が数種、



定食に、丼もの（かつ丼）があり、…彼の目がキラリ。



さらに、お蕎麦とのセットに…、



冷たい蕎麦にうどん、



温かい蕎麦にうどん。



サイドメニューとの一品料理もずらりと並び…、




あっ、これはっ…、
「プレミアム蕎麦粉」の「1日１０食限定そば」との、「十割せいろ」
これがあるというのは、やはり手打ちに間違いないっ。
即効、この蕎麦に決め、



早速、花番さんにお聞きすると、
残念…、さすがに日曜日の午後3時、既に売り切れてしまったそう 。

どうしようかなあ、と再び品書きをめくっていると、
彼は、せっかくなので蕎麦も、と「かつ丼セット」に決めたようで、
私もつられ…、「親子丼セット」をお願いして見る事に。



待つ間に、びっしりと書かれた説明書きを読んでみると、
「蕎麦は、北海道旭川の江丹別産」の二八そば。
うどんの小麦も北海道の国産小麦に、駿河の粗塩使用で、
醤油はあきる野の「キッコーゴ」。



さらに、何と昭和43年に暖簾分けして始められた、という、
紛れなく、歴史ある老舗蕎麦屋だったんだ
本家、花小金井の「清川」さんも気になるね、などと話していると…



程なくふたつのお盆が目の前に到着。



真四角の蒸篭に盛られた蕎麦は、
確かにこれは「手打ち」のお蕎麦、角が立った端正な細切り 。



手繰り上げれば、きちんと蕎麦の香りが漂い、



きりっとした気持ちのいい腰があり、喉越し爽やかな、
期待していた以上のお蕎麦だ…。

汁は、出汁がまろやかに染み、万人受けしやすいやや甘め、
どっぷりと浸しても大丈夫の采配か、薄めの汁で、
この蕎麦にきちんと合い、これもいい 。

小さめの蒸篭だがたっぷり盛られ、思ったよりも量があるのもうれしく、
これまで、手打ちと知らずに入らなかったのが惜しまれる…。

このお蕎麦だったら、単品で頼んでも良かったなあ、
などと後悔しつつ、親子丼の蓋を開けると…



あっ、これも美味しそう 。
ほかほか湯気立てた親子丼には、しっとりと玉子がとじ盛られ、



早速食べて見れば、これも美味しい 。
甘辛のしっかりとした濃いめの親子丼とは違い、
上品な出汁に玉子の旨さが広がり、
とろりとした玉ねぎに、ふわふわの鶏肉がたっぷり。



ご飯の上には、刻み海苔が敷かれそれが又香ばしく…、
この出汁からすると…、温かいお蕎麦にも期待がむくむく 。



一方彼の「かつ丼」は、ここは「鶏かつ」だそうで、
厚切りカツは、見ただけでもボリューム満点。



お肉も柔らかくジューシーで、
「下手な豚肉よりこれはいい」、
「今度は、単品のかつ丼を食べて見よう」
と、満足そう ヨカッタ、ヨカッタ。



熱々のお味噌汁に、



切り干大根の小鉢まで付き、すっか～りお腹いっぱい。
病み上がりの私の食べきれなかった「親子丼」まで、彼はパクパク。

駐車場は広く、新青梅街道沿いというアクセスも便利、
花番さんの応対も丁寧で気持ち良く、
品書きは豊富と、使い勝手のいい美味しいお店。

今度は、是非限定１０割か、温かいお蕎麦も食べてみよう。

ご馳走様でした～ 　　 　 　 　　　 　 　



大晦日もきちんと営業、夜10時まで。
もう、そうんな時期なんだなあ… しみじみ…。

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