朝から彼は休日出勤で出かけたのだが…
3時に来客があるので、一人ぷらりと遠出はちょっと難しそう。
とは言え、今日もぽかぽかいい天気、近くまでなら…、
とお散歩がてら、前にtatenonさんが紹介していたお店に行ってみよう~。
東伏見の武蔵関公園を抜け、線路に沿った川沿いの住宅街。
武蔵関に向かって行くと、程なく、さりげなく暖簾が下ろされた一軒があり、
門の前には、「手打蕎麦 粗挽きもりそば」の置き看板。
営業は週末だけという、住宅蕎麦屋。
わくわくしながら、暖簾を潜り、ゆっくりとドアノブに手をかける。
武蔵関 「手打蕎麦 むかいだ」
ドアを開けて入った先は、普通の住宅のお玄関。
すぐに、丸顔の目がくりっとしたご主人が出てきて下さり、
「いらっしゃい。二階なんですが、二つある部屋お好きな方どうぞ」
と迎えられ、早速、目の前の階段を上って行くと…
右手には、二人掛けのテーブルが3卓程ならび、
その一つには、既に一人の男性がいらっしゃりお蕎麦を待っているよう。
ならば、、と左の部屋を見ると、捏ね鉢の向かいに、大テーブルが一つ。
一人では贅沢だけど、こちらに座らせてもらっちゃおう。
捏ね鉢に、壁にかかったのし棒を眺め腰を下ろせば、
今しがた打っていた”気”のようなものを感じられ、背筋がぴんと延びるよう。
部屋を仕切る壁には、額に入れられ、
蕎麦粉につなぎ、水など原材料がしかと書かれている辺りにも、
ご主人の心意気が現れているなあ。
などとぐるり見渡していると、お茶と品書きを持ってご主人が来て下さり、
早速手にし開いてみると…
まず目に飛び込んでくる、しっかりと書かれた「粗挽き粉」についての一文。
見ただけで、粗挽き粉に対する思い入れが感じとれ、
次のページは、「肉ときのこのつけそば」、のこれも粗挽蕎麦のよう。
粗挽き好きとしては、ますます興味を持ちつつも…
まずは、その前に一息いれて、蕎麦前をば 。
「豊盃」と「石鎚」のうち、好みの「石鎚」を選んで、ようやく注文。
頼むとすぐ、一升瓶を抱えて再び登ってきて下さり、
受けにたっぷりと零して注いで下さった「石鎚」無濾過純米。
フルーティーで繊細な、清らかな口辺り、美味しいなあ、と味わっていると、
程なく「お通しです」と出された、「炒り銀杏」。
ぽつりぽつり剥きながら頂く、このひと手間が酒飲みに楽しく、
しばしゆるりと、お酒を味わって…、
隣の席のお客さんのお皿を片しに来たご主人のタイミングを見て、
早速「粗挽きもりそば」をと、お声かけ。
頼みながら、「土日だけ、なんですか?」とお聞きすると、
「平日は、仕事してるんですよ(^^;」
と、蕎麦好きが高じて、栃木で習い、週末だけやっているそう。
「とても粗い粉なんです。でもこの粉に出会ってどうしてもこの粉で打ちたくて」
と、穏やかな口調の中にも、この粉に対する愛情がしっかりと感じられる。
「是非、食べてみて下さい」
とおっしゃり、再び階下に降りて行き…
程なく、再び登ってきて、目の前に置かれた「粗挽きもりそば」。
簀が敷かれた蕎麦は、ぴかぴかと輝くどっしりとした太めの蕎麦。
その中には、丸抜きの蕎麦粒が埋め込まれ、繊細で美しい模様を描く。
しばし見とれ、手繰り上げれば、これが豊かな香り。
馥郁とした豊穣な穀物の香りが、むわ~んと鼻孔に登ってくる。
口に含むと、むちむちっとしたかなりしっかりとした腰加減。
すする…というよりは、噛みしめ噛みしめ頂く蕎麦で、
次第に、じんわりと蕎麦の風味を感じてくるよう。
汁は、雑味なく素直な伸びのある汁で、これも申し分なく、
ふむふむ、これはなかなか 。
ただこのしっかりとした蕎麦は、温かい汁で是非食べてみたい。
と、猪口に盛り、蕎麦湯を注いで食べてみると、これがぴたり。
暖まった事で、俄かにふわっと広がる香ばしさ。
これは…、肉ときのこのつけ蕎麦、も食べてみたいなあ、
と思ったよりも量もあったお蕎麦に、お腹もいっぱい。
「又、週末に、来て下さい」と温かな言葉を返して下さり…
ご馳走様でした~
公園を散歩がてらに、住宅で頂く粗挽き蕎麦。
もっとご主人のお話しもお聞きしてみたいな…。
「手打蕎麦 むかいだ」
練馬区関町北3-37-18
03-3929-1612
11:00-17:00
土日のみ営業
禁煙
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週末、あまり電車に乗らないので気付いてませんでした。
中休みなしのようなので、ぜひ(^^)。
平日はお仕事をされ、土日は蕎麦屋とは頭が下がります。
反対に私は、根をはやしてしまうタイプかも(^^;。
住みだすと、根付いちゃうんですよね~~。
しかも、今回はやや移動しましたが、それまでは近距離での移動だったので、相変わらず西側ばかりです。
・・・ん?と言う事は、もう4年経ってるし、又こちらに…(^^)?
いえいえ、単に引っ越し魔(!)だからでしょう...
なんせ、生まれてこの方、4年に一度の割合で越している。
まじ、転勤族も青ざめますよ(笑
途中で合流した配偶者も輪をかけて酷く、当方のように国内を
ゴチャゴチャ以前に海外生活3年間というのもあり、後はご想像
の通り、一緒になって輪をかけて...
今のところに落ち着きたい!!という、強い希望はあるんです
がー...(うまくいけばいいけど 笑
それぞれが特徴があるので、それもうれしい限り。帰りに通りがかった甚作さんにも、ご家族づれがぞろぞろと入っていく姿もあり、みな頑張って欲しいです。
武蔵関公園、年配の方が多かったです(^^;
ぜひぜひ♪
(ずっと、武蔵野公園だとばかり思い込んでいました)
それはそうと、よしのさんって本当に多摩地区網羅してるんですね~。びっくりです。
まだ粗さはありますが(蕎麦粒がじゃなくて)、がんばってもらいたいなあ、と思っています。
さてさて!今年は豊作との事、うれしい限りです!
あとは天気がいい日が続いて…、無事脱穀ですね♪。とてもとても楽しみです。千葉の自家栽培の蕎麦の味わい、想像しただけでもわくわくです(^^)
それにしても武蔵関は手打ちそば屋が多い、ラーメン屋より多いか?と思うほど。
PS.武蔵関公園のボートでは、カップルはあまり見かけませんね。親子連れが圧倒的に多い…
当方何を隠そう(笑)、一時期武蔵関近辺に居を定めておりまして
(2年くらいだけど)、当該公園(ご参考:「武蔵関公園」ですよ、
「武蔵野~」ではありません)へはジョギングに行ったり、ボートを
借りて漕ぎ出してみたり。(武蔵関公園でボートに乗ったカップルは
どうなる?というような華やいだ話題?はなし、です。汗;;)
土曜日曜に趣味でできる、というのはある意味での理想ですね。
そこに生活が掛かっているのではできないでしょう。しかし、思いを
カタチにしたところが素晴らしい。
長らく続けられて、散歩に来る人たちに愛されるようになればいい
ですね。
ところで、大そば種の脱穀に掛かりたいと思います。
(はい、これから 笑
今年は蕎麦にとって条件が良かったのか、大して工夫もしなかったのに
出来はいいようです。近隣の数少ない蕎麦農家の出来具合を見ても、
昨年とは比べ物にならないように見えました。(水田後のはダメのよう
でしたねえ、刈っちゃったかな?
ご参考) お酒、「石鎚」であり、「石槌」ではないですよ~。
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)