と、９階レストラン街に降りたつと、妙にほの暗い。
節電が謳われてもう半年近く、下のフロアよりも照明を落としているよう。

そんな、３時もとうに回った店内は、すごいなぁ、こんな時間でもほぼ満席。



何とか空いていたテーブル席に腰を下ろし…



まずは一献、肌寒い今日は熱燗（600円）に、
ここではすっかりお決まりになった、お新香(300円）を。



「いつもありがとうございます」と、さりげなくおっしゃる花番さん。
取り立てて常連扱いはせずとも、このひと事になんだかほっと心暖まり…

そつなくこなす花番さん達のテキパキとした応対を見ているのも心地いい 。
入れ替わり立代わり、お客さんが流れる様子をぼんやりと眺めつつ、
ゆるりとしたひと時を憩い、寛ぎ…



さて、お蕎麦は何にしようかな

｢吉祥寺まつや」、全制覇の目標を心に思い、まだ食べていないもの…。
「にしん蕎麦」にしようか、「山菜」もいいかな、などとあれこれ迷い、
涼しくなった気候に食欲も戻ってきた今日、「かしわ南蛮」を食べてみよう



と、頼むと程なく出された「かしわ南蛮」。



ひらりひらりと長葱が浮かび、その間に存在感ある上品な鶏肉。



まずは、れんげですくい汁を一口。

ああ…、この何とも言えない、安心する味わいあるかけ汁。
関東の人間のDNAに染みた、ほんのり甘めの醤油ベースの味わいに、
洗練された、とか上品な、とかというのとは別の次元の旨みに染み入ってしまう。

その中に、ほのかに広がる鶏肉の出汁が柔らかく染み、
しみじみと、旨いっと感じながら、何度かれんげを掬い口に含み…



汁を楽しんだ後は、いよいよお蕎麦。
熱々の汁を纏った蕎麦は、それでもしゃきっとした歯ごたえを残し、
じんわり汁の染みた蕎麦が、又何とも言えない旨さがあり…



途中で、葱を口に含めば、しゃきしゃきとろ～っとした長葱の甘みに、
鳥胸肉はふんわりと柔らか。
皮を取り除いていた肉は、上品で、ぎとぎとした脂っぽさがないのがうれしい。

ん～、これは美味しいなあ

親子南蛮の玉子を抜いたもの、なのだが、
玉子が入らない事で、ストレートな旨さが味わえてこれはいい。
と、後は夢中で、鶏肉、蕎麦、葱、蕎麦と交互に夢中で手繰り手繰り…

気付いたら、汁まですっかり飲みほして、
ほおっとささやかな満足感に、一人そっとほくそ笑む。

ご馳走様でした～

うんうん、どれを食べても美味しい「まつや」の種物。
改めて…、全制覇、してみたいなあ。

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