「珍しい在来種があるんですよ(^^)」 とのメールを頂いて、
そんな事を言われたら、もう、猫にマタタビ、食べてみたい…。
午後からまるまる休みの今日、早速八王子へGOGO 。
暑さも凌いだ駅からの道のりも、待ち遠しく、
よくやく辿り着いたお店は、青々とした木々の緑が目に鮮やか。
石畳を歩けば、すっと下ろされた純白の暖簾に、
きりっと書かれた「十割手打ちそば 自家製石臼製粉」の文字。
さすがだ… 横には、蕎麦の産地がずら~り。
西八王子 「自家製石臼粗挽き蕎麦 いっこう」
午後1時もとうに過ぎた昼下がり、扉を開くと、お昼の喧騒が過ぎ去った後の、
ゆるりとした空気の中、にこにこ笑顔の女将さんが迎えて下さる。
ゆったりとした大テーブルに、贅沢に座らせて頂いて…
久しぶりのお店、まずは蕎麦前。
中から選んだ「東北泉」は、ご主人の手作りの陶器の酒器に、
かわい~い、愛らしい猪口が添えて出される。
素敵な猪口で頂くお酒は、又味わいも格別で…
そっと出して下さったお通しは、「小松菜と揚げの煮びたし」に、
「胡瓜と桜大根の酢のもの」。
野菜好きとしては、うれしく、これだけででも、もう十分 。
…と、厨房にいたご主人が、出して下さった天ぷらの盛り合わせ。
茗荷に、オクラ、モロッコインゲンに…
「これがお酒に合うんだよ」との、「新生姜の天ぷら」。
ほんのり甘めの衣が、まるでラッキョウのようで、これが美味しい
と、お酒にお料理を頂きながら、早速例の在来種についての話が始まる。
なんと、初めて聞く「静岡」の「在来種」で、
最近、静岡の「たがた」さんを中心に、守っている品種だそう
さらに、加水についてのお話しや、
石臼についてのあれこれあれこれ、
さらに蕎麦について、打ち方やらあれこれと、尽きる事のない蕎麦談義。
ううむ、やっぱりいっこうさんは、普通じゃない~(^^;
すっかり、久しぶりのいっこうさんとの話を楽しんで、
いよいよ、そのお蕎麦を頂こう~ 。
と、「粗挽き三兄弟」全部食べたい、と少しずつ三酒類お願いし…、
まずは、長野県白馬の丸ヌキ、「白妙」との「手挽き」から。
#12を4%含み、半分以上が#24以下という、これは正に「超」粗挽き。
独特の、溝の作られた陶器の器に盛られ…
はかないまでのきらきら輝く、透けるような透明感のある中に、
蕎麦の粒々が、ぎっしりと積み重なり、くっつき合い、
粒のみでできたかのような、ざっくりとした蕎麦の表面。
手繰り上げると、粒の一つ一つが光りに透け見え、ああ、なんて美しい…
見とれている先から、ふわぁぁ~、馥郁とした蕎麦の香りに、思わずうっとり。
口に含めば、しっとりとしてぷりぷりぷつぷつ、
蕎麦の粒が口の中を、あちこち掠め、噛みしめた途端に広がるこの味わい。
お、美味しい…
清々しく香ばしく、高雅な蕎麦の風味に既にノックアウトもの。
が、続いて二枚目、「蕎薫」との「せいろ」が又美しい。
ううむ、これも又、何て粗挽きなんだろう…。
群馬赤城の夏新だそうで、これが又、豊かな香り
新蕎麦の爽やかさに、深みのある香ばしさが、鼻孔をくすぐる。
噛みしめれば、この風味が又豊か。
蕎麦粒が弾けるように、甘みを含んだ香ばしさが、口いっぱい 。
なんて、この夏新美味しいんだろう、これはこの夏楽しみだ…
そして、最後は、手挽きの粉も含む、
「十割そば」との、玄+丸抜きの粗挽き蕎麦。
それを、例の「静岡在来」と、「福井大野」の二種出される。
2年真空保管したという福井大野の、この蕎麦の、なんて荒々しく雄々しい姿。
黒に茶色、透明にクリーム、様々な蕎麦粒のこの重なり合い。
蕎麦というのを通り越したかのような、この野趣さ。
手繰り上げるまでもなく広がる濃厚な香りは、まるでカカオを思わせる。
ざらり、と掠めていく蕎麦の欠片の感触が、ぞぞぞとする程たまらなく、
噛みしめれば、ぐわ~っと力強い蕎麦の香ばしさが押し寄せる。
それでいて雑味を感じさせない、洗練された気品さえ携え、
しかも、時間を置くに従い、この香ばしさの深みがさらに増す。
ううう…、こ、これは美味しい…
比べて、やや優しい色合いの、初めて頂く「静岡在来」。
おっ、これは…、
先と又異なる、香ばしさの中に甘みを含んだ温もりある香り。
噛みしめると、ふわりと広がる香ばしさに…
じわっと後に残る、まるで栗を思わせる柔らかい甘み。
こんな味わい、初めてかも、これっ、美味しい…
と、すっかり食べ終え、心の底から満喫しきり。
食べながらも、にこにこと、蕎麦について熱く語るご主人。
本当に、蕎麦が好きで、蕎麦の研究を心から楽しんでいるのが滲みでて…
日々、毎日蕎麦に向き合い、石臼に向き合い、
さらに分析して、グラフに留める。
どこまで行ってしまうのだろう…と、
この先も、この蕎麦追いにずっとついて行きたい気持ちでいっぱい。
それもこれも…、横でにこにこ見守っている奥様あっての事、
と、見えなくなるまで、奥様の笑顔に見送られ…
ご馳走様でした~
今日は、思いがけずの、うれしい素敵な出会いもあったりで、
帰りは、うっとり、夢見心地で電車に揺られて…
手打蕎麦処 蕎酔庵
「一紘 -いっこう-」
八王子市日吉町8-16
042-622-0792
11:30~14:30
(夜要予約)17:30~20:30
火曜水曜定休
P2台 禁煙
2011年 1月24日 「粗挽き三兄弟」
2009年10月16日 「粗挽き三昧」
2009年 3月 6日「手挽き粗挽きそば」に「かけ」も満喫
2008年 4月20日 「掻き揚げ」、絶品「手挽き蕎麦」
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うふふ、確かにそんな感じかもしれません。
仕事とうよりも、もう取りつかれているかのような感じで、聞いているほうも、どんどんどんどん、引き込まれてしまうんです。
でも、ビリージョエルというよりは…、
ジブリの音楽のような、牧歌的なほのぼのとしたご主人なんですよ(^^)。
牡丹さんがいらっしゃる日が、今から待ち遠しく、わくわくモノです(^^)。
その異端?じゃなくて 一端をDVD化して某雑誌社に取り上げてもらったら、大ブレークしそう で 怖いですねぇ~。
バックミュージックは、ビリー.ジョエル「素顔のままで」...がお似合いとおもふのですが あくまでも空想するのがたのしい。
熱く語るご主人の眼差しが、ここに居ても伝わってきそうです(笑!)
いろんな試行錯誤あっての発展途上人で、臼と粉の面白さを具現化しているという表現が失礼にあたらないこと切に願います。
求める粉の形状が、臼に反映され芸術的なお蕎麦に変幻していくたのしさを味わってなさるのではないでしょうかねぇ~。
そば打ち冥利に尽きる世界を彷徨い歩いている 夢遊病に取り付かれてしまった幸せな御方と拝察させてもらった次第です。
八王子には、泊りがけで一度は きっと!!
熱き想いは!きっと実現するもの と 想いたいものですねぇ~
けど
危(ない)Normal vs 危(ない)Normal の対談は、かなり危なさそう 臼ひき人はテリブリー人が多いので御用心ください(笑;)
まさに、研究熱心、恐ろしいほどですよ。
ぜひ、平日にでも♪。
西八王子は、他に2店あり、なかなか充実した町です(^^)
そうなんです、ご主人、独自の霧吹きを作成し、霧吹き噴射での加水について、熱く語っていました。
品書きの後ろに、ずらりと並んだ、グラフに表。
ここに載せきれてないほど、実は、「いっこうの蕎麦とは」というページがあるんです。
ぜひぜひぜひ、
いつか、こちらのご主人と語って欲しい・・・
と思ってしまいます。
しかも、うれしそ~に、
「石臼の目立てがまた楽しくて楽しくて」
と始まって・・・(^^)。
すごいをとおりすぎて、変人のようなお方です(笑)
研究熱心なお店みたいですね。
平日休みの時の候補にしとこ。
加える水は、霧吹きでじんわり吸わせ
るのが、加水率は違えど、十割 おせいろ 手びきに共通する加水のようですね!
木鉢の技 粒々がどのように変幻していくのか?興味深々です。
円グラフから、真似できるものなら どうぞという自負心が伝わってくるような?気がいたします。
そいった開示する度胸にも、凄さが伝わってきますよね~。
おっ!こんなに暑いのに 背筋に感じる一筋の汗って!?
お陰様で、エアコンなしでも、涼しい思いをさせてもらえましたです。
淡々と、このようなおそばを打てる御人 凄すぎます!
稲光に打ちのめされてしまった気持ちです。
湿式加水と攪拌造粒の基本から それも、粗粒には細粒で攻めないといけないのっかなぁ? ということ学ばせて頂きました。
本当に・・・
最近は、季節関係なく、美味しいお蕎麦が食べられるので、幸せ限り。
いっこうさん、すごいです。
ぜひぜひ(^^)。
でも、この蕎麦は、すごすぎです(^^)
溝の掘られたお皿、素晴らしいオリジナル作品です。
なーんて。
もっとお見せしたい、グラフなどあるのですが、今度行かれた時のお楽しみ、かしら(^^)。
やっぱり、一紘さんは、おかしいです。
すごすぎです。
わざわざ待っていて下さって、ありがとうございました(^^)。
帰り、大丈夫でした?
でも、そこまで回復されたら、もう大丈夫。
私もほっとしました(u_u*)~
又、どこかでお会いできるといいなぁ、と私も思っています。
ぶっかけは私もまだ食べてないです♪。
どんなのかしら。
ちょっと興味シンシン。
でも、ここはもう、蕎麦だけで大満足しちゃうんですよね(^^)
匂いたつような・・・という表現がまさにぴったりのお蕎麦ですね。
夏のこの時期でこれほどの蕎麦を食べられるとは、さすが「いっこう」さんですね。
秋まで待てない・・・
また訪ねてみたくなりました♪
また行きたいとこが増えちゃったよww
つか、やっぱ土日は混むんかしら(^_^;)
器もすごく良い感じですねー
ゆっくりと 考えて 見ます。
食べられないのが とても残念!
アー残念、と、、100回ぐらい叫んでいます(大汗)
聞いたからには会わずにはいられなくて、
待ってしまいました。
お会い出来て、本当に嬉しかったぁ!!
今日は、貴重な品種で美味しい
「いっこう」さんのお蕎麦も頂けて、
良い快気祝いになりましたぁ。
しかし、yukaさんとご主人の
蕎麦への熱い想いと蕎麦談議には
ビックリしましたぁ。
私は単なる蕎麦好きなだけですが、
蕎麦って、本当にやめられないですね。
また、どこかで会える事を楽しみにしています。
これもすごくおいしかったです。
YUKAサンの話を聞いて、私も近々行きたくなりました。
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