3時を既に回った、どっぷり平日の昼下がり。
扉を開き入ると、さすがにお客さんの姿はなく、贅沢にお一人様の貸し切りだ。



端の席に腰を下ろし、ここに来たらやっぱり一献傾けたい。
中から、「サラウマ」と書かれた「四季桜」一合を、まずは注文。



「鞍馬」独特のフラスコの酒器から、注ぎ口にし…



充てのお料理をゆっくりと吟味。
「厚揚げポン酢」にも心惹かれたが、「水茄子」は期間限定。



と、お願いした「水茄子のお刺身」。



切り口からも滴りそうににじみ出た、潤った水茄子は、
山葵醤油を浸しながら食べると、甘みがじゅわ～っと広がる瑞々しさ。
しばし、この水茄子で、四季桜を楽しませて頂いて…



〆のお蕎麦、と品書きを見つめ…、
そういえば、いつも「箱盛り」で、まだ食べた事のなかった「甘皮そば」。
今日こそは、「黒目の甘皮多めの太そば」との、「甘皮そば」を食べてみよう。



…とお願いすると、程なく。
目の前に置かれ、すっと蓋を開けて下さる、一連の儀式に、



顔を見せた蕎麦は、濃いグレーのやや太めに立たれた、雄々しい蕎麦。



野趣溢れたグレーの、角の立った太めの蕎麦に、蕎麦の微粉が混ざり合い、
手繰り上げると、ふわりと香る、カカオのような香ばしい香り。

噛みしめると、おっ、これは面白い

ごわごわ感はなく、滑らかな表面の蕎麦は、むちむちょっとした歯ごたえ。
すすすっと手繰る蕎麦ではもちろんなく、ゆっくりと噛みしめていると…
じんわりじんわりと、ほのかな苦みを含んだ香ばしさが口を満たす。

食べ進めるに従い濃さを増し、ほお、これは味わい深い 。

と、そのままの蕎麦をしばし楽しみ、
汁を浸し頂くと、出汁がしっとり染みたまろやかな美味しい汁…なのだが、
箱盛そばベースで作られているのだろう、この蕎麦にはやや弱いかしらん。



と、もぐもぐ噛みしめ、じっくりと久しぶりの「鞍馬」さんの蕎麦を楽しみ、
さらりとした蕎麦湯を頂いて…

ご馳走様でした～

一挙に秋になったかの寒い今日も、蕎麦湯でほっと暖まる。
にしても、この気温の変化は、まるでジェットコースターだよぅ。

関連記事

• 代田橋　「まるやま」　きのこのつけ汁せいろ (2011/10/04)
• 高井戸　「休日や」　蕎麦のあるcafe (2011/09/10)
• 阿佐ヶ谷　「やの志ん」 (2011/08/16)
• 荻窪　「本むら庵」 (2011/08/15)
• 代田橋　「まるやま」　梅と茗荷の冷かけ (2011/08/10)
• 下井草　「金城庵」別亭 (2011/07/28)
• 阿佐ヶ谷　「大古久」 (2011/07/22)
• 西荻窪　「鞍馬」　甘皮そば (2011/07/21)
• 井荻　「みわ」　稚鮎の天麩羅と冷やかけそば (2011/07/08)
• 代田橋　「まるやま」　花巻の冷かけ (2011/06/15)
• 代田橋　「まるやま」　冷かけそば (2011/05/23)
• 井荻　「みわ」　山菜三昧に竹の子ご飯 (2011/05/11)
• 代田橋　「まるやま」　竹の子せいろ　…の抜き (2011/05/03)
• 代田橋　「まるやま」　絶品豆腐にホット辛味蕎麦 (2011/04/18)
• 荻窪　「本むら庵」　山かけそば (2011/03/25)

スポンサーサイト