扉を開き入ると、程良く照明の落とされた心地のいい空間に、
コの字型のカウンターがぐるり厨房を囲み、
窓をバックにテーブル席が3卓ほど。

午後1時ちょっと過ぎ、サラリーマンの街中とあって、既に混雑は過ぎ去り、
ゆったりとした空気が流れ始める中、カウンターの端に腰を下ろす。

感じのいい花番さんが、すぐにお茶を出して下さり…



これだ♪、りゅうさんが食べていた、お昼の「本日の日替わり膳」。
さっそくこれをお願いしようとしたら…

「あ、すみません、その二つにつけとろ、もう終わってしまったんです…」
と、厨房から若い職人さん。 えええっ
ま、まだ1時20分になろうか、という時間なのに、こりゃ残念～。



とは言え、お蕎麦ならまだあるそうなので…
初めてのお店、「せいろ」にしようと思ったが、ちょっとムシムシした陽気、
さっぱりと「辛味大根おろしそば」に決め、改めて注文。



頼むとすぐ、薬味の葱に大根おろし、もり汁が出され、
程なく、笊に盛られた蕎麦が置かれる。



蕎麦はこんもり、ややグレー色を帯びた、艶やかな細切り。



壁の「北海道音威子府キタワセ」の文字を眺めながら、手繰り上げると、
おっ、これは…、キタワセとは思えない、香ばしい豊かな香り。

口に含むと、しっとりとした心地のいい腰があり、味わいもしっかり。
するするっと落ちる二八ならではの喉越しもよく、これは美味しい



もり汁は、上品に鰹の香りが漂う、まろやかで雑味なく、
これが又、蕎麦の風味にひと際旨みを加え、美味しいもり汁。



…と、そのままで、もり汁だけで楽しんだ後は、
「辛いので、様子見て入れて下さい」との辛味おろしをそっと加え…



蕎麦に絡め頂くと、キンっとした辛味大根の辛さが、蕎麦の甘みを引き立てる。
しかも、掻き立ての削り節が添えてあるのもうれしく、
これも加えると、さらに鰹の風味がじわっと広がり、これが美味しい



頃合い見て出された蕎麦湯は、程良く白濁した熱々のもの。
す～っと綺麗に伸びる汁の旨さを改めて実感し、
お蕎麦もたっぷり盛られていて、蕎麦湯を頂いたらお腹もいっぱい。

ご馳走様でした～

花番さんの応対も気持ちよく、居心地のいいお店。
品書きに加えられた夜の品書きをそっと見ると、お料理もかなりの充実。
夜に訪れてみるのもいいなぁ、などと思いつつ…

今度は、是非、日替わり膳を頂いてみたいな

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