今度はお料理もきちんと頂いて、又訪れてみたい…、
と思っていたのに、一人じゃ「おまかせ」のお料理を頂けず、
行きたい、と思い続けて、早3年。
との話をしたら、じゃあ一緒に行きましょう、とのうれしいお言葉。
ようやく今日、予定をあわせて、お昼の「おまかせ」を頂きに
サザエさんお町「桜新町」の大通り。
以前来た時の、見事に咲きそろった八重桜を思い出しながら、
砧通りに折れ、住宅街の中へと入った住宅街の路地沿いに、
思わず通り過ぎてしまう、シンプルなお店にたどり着く。
蕎麦屋だとは、ちょっと見分からない、モダンな白壁に扉があるのみ。
よく見れば、奥は打ち場だと分かるガラス窓に、
植木蜂の後ろに、そっと掲げられた小さな看板。
用賀 「しんとみ -shintomi- 」
扉を開き入ると、日の光が差し込む、すっきりとした明るい店内に、
すぅ~っと伸びたカウンターが、すぐ目に飛び込む。
蕎麦屋らしからぬ、この様子に始めて来た時は、戸惑ったなあ…
などとこれも懐かしく思い出されながら、
奥に待っていて下さった方の横の椅子を引き…、
今日は久しぶりに春めいた、ぽかぽか心地のいい陽気。
歩いてきて乾いた喉を、まず潤わそうと、恵比寿の生で、早速乾杯
ちょっと強面のようなご主人の、目の奥は優しく、
その横で、てきぱきとした若い板前さんの爽やかなもてなしが気持ちいい。
お昼の献立に一通り目を通し、
今日頂くのは、楽しみにしていた「おまかせコース」。
すぐに、出された「蕎麦お粥」は、優しい滋味溢れた蕎麦スープで、
口にすると、途端に寛いだ心地にさせられ、ほっこりと。
続いて、「菜の花としめじお浸し」が出され、
さっと湯がかれた菜の花は瑞々しく、かかった出汁がとても上品。
さらに、三陸産、今朝届いたばかりとの「新若布」に「茎若布」。
これが、とにかく美味しい
さくさくっとして、まるでほうれん草などの青菜のように新鮮な若布。
こんな若布は初めて、さっとかけられたポン酢醤油の味付けも要らない程に、
その食感に、爽やかな味わいに、感動してしまう。
添えられた、その茎の部分の茎若布も、柔らかく、
振りかけられた胡麻が香ばしく絡まり、これも美味しい~
と、これらのお料理を前に、早速お酒を…。
と、お願いすると、カウンタに並べてくれる三本に、
見たら、又飲みたくなってまず頼んだのは、「黒龍」しずく。
口にするとふわっと広がる、澄んだ清らかな味わいに、
すぅっとやわらかく立つ、フルーティーな果実香。
ああ、これは美味しいお酒…
と、このお酒で若布を楽しみ…
「胡麻豆腐の湯葉餡がけ」です、と出された、湯気がふわりと立つ小鉢。
まるで茶碗蒸しのような、このお料理を添えられたスプーンで掬うと、
とろりとした、銀餡仕立ての湯葉餡がとろ~り。
しかも中の「胡麻豆腐」に、思わず目を見開いてしまう。
胡麻独特の香ばしい甘さが、上品にじわ~っと口に広がり溶け、
湯葉餡と絡み、その調和に、もううっとり。
これは、美味しい~
食べ終えたのを、寂しく思っていると、蓋付きのお椀が出される。
蓋を開けると、緑鮮やかな「ひすい豆のすり流し」。
その中にそっと沈む、鯛のかぶと焼きに立派などんこ。
ふわっと広がる豆の優しい味わいに、出汁がそっと手を添えた、
しみじみとした情緒溢れた、すり流し汁に、
鯛の身がふわっと解け、鯛そのものの風味が、じわ~り。
お、美味しいいい…
さらに、香ばしく焼かれたどんこ椎茸の、この身の厚さ。
かぶりついた途端に、じわ~っと椎茸のエキスが滴ってくる。
汁に絡めながら頂く醍醐味に、一滴残らず頂いて…
次のお料理は、「鱒のたたき」。
これも、三陸から今朝届いたばかりのものだそうで、
これが、又これまでに食べたことのない旨さ。
やや鱒は苦手だったのに、この鱒には思わず感動してしまう、
ふわっとした身に、臭みがまったくない、品のいい旨み。
ほのかに甘みさえ感じてくるようで、これも美味しい~
…と、一瞬半熟に焼いた目玉焼きかと思った、ホワイトボールは、
「チーズソースがけフルーツトマト」
これが、又素晴らしすぎる!。
甘い美味しいフルーツトマトに、かかったチーズソースが絶妙。
モッツァレアチーズにリコッタチーズ、それにバルサミコが混ぜられ、
このソースが、とにかく美味しくて美味しくて…
すっかり、こちらのご主人のお料理に心底感動。
これに「白隠正宗」の「あらばしり」、を追加して…
この後はお蕎麦になります、と言葉を添えて、出された天ぷら。
たらの芽、こごみに、ふきのとう。
コシアブラに、行者ニンニニクと早くも春の息吹、山菜の盛合せ。
さっくりと薄衣で揚げられた天ぷらは、軽やかで、
それぞれの山菜の風味で、口いっぱいに満たされて…
たっぷりお料理を満喫し、いよいよ最後の、メインのお蕎麦を。
笊に盛られた蕎麦は、記憶の中の蕎麦の姿を思い出す、
江戸前よりやや太めに立たれた、男らしい凛々しい姿。
手繰り口に含むと、ふっと広がる爽やかな穀物の香りに、
むぎゅっとした腰があり、ぷつんっと歯切れよく喉に落ちる。
強い個性はないが、食べた後にほっと寛げる安心感。
するすると入っていく喉越しの良さに、
手打ちのぬくもり感じる素朴さもあり、するすると手繰ってしまう。
出される蕎麦湯は、頃合い、ぴたり。
さらさらとして優しく白濁した蕎麦湯を汁に注ぎ口にすると、
ふわっと鰹の風味が柔らかく広がる、汁が又美味しい。
念願のお料理に、お蕎麦の余韻に浸っていると…
これも、うれしい、最後のデザート。
美しく繊細にガラスの器に盛られたのは、「イチゴのデザート」。
苺をつぶし、ワインとかすかにゼラチンで固めた、水菓子は、
食べた後の体にうれしく、何よりこの苺の味わいに…
もう、笑みがこぼれて仕方な~い
これ、お持ち帰りしたい程…
美味しかった…、とお腹もいっぱい充実感に満たされて、
後ろで暖かくもてなしてくださった女将さんのお心遣いも心地よく、
凛々しいまだお若い板前さんに、
口数少ない中で、時折見せてくれる笑顔がうれしいご主人のおもてなし。
今度は「懐石弁当」も…の欲求もむくむく…、
ご馳走さまでした~
贅沢で素敵な午後のひと時を…
K様、ありがとうございました
「しんとみ」
世田谷区用賀3-5-11
03-3700-8282
12:00~14:00 / 18:00~22:00
火曜定休
2008年 4月10日 熱燗で、「天せいろ」
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「おべんとう」というのは、「懐石弁当」のことかしら?
私も、次回はそれを食べてみたいな、と思っています。
お近くなのが、羨ましい限りです。
こういうのを目の前にするとうれしくなってしまいます。
山菜、本当にこれから、どんどん出始めるので、又楽しみな季節になりました(^^)。
渓谷を深い水の色のような。
山菜もこれからの時期、どんどん楽しみでたまりません。
でも、きれいな街。
それに、こちらのお料理は、もともと日本料理に携わってきたご主人のお店です。
きっと満足できるはず・・・・
ぜひ(^^)。
早々、街中では会わないと思いますよん(^^;
用があって 桜新町に 友達と行くことになったのですが、
どう行く?電車だと 乗り継ぎだし、、自転車で行こうか、、
思ったより 遠かった(笑)
おまかせコース おしゃれなメニュー
今の時期だからの 天ぷら 特にお蕎麦屋さんでなければ、、
我が家は 呑み 食いの家族なので 蕎麦良し 一品もの多しで、
調べて行くのですが はずれることも、
これからも 参考にさせていただきますね。
なんてこ洒落たお店っ!
でも桜新町って行きにくい
何故なら仕事関連の取引先の
社長が住んでる
大きな街でそんな滅多合わないよって
思うけど
朝、二分に一本走る
田園都市線でちょくちょく同じ電車に
なったことがあったので
やっぱ仕事関連の人に
プライベートではあんま会いたくない
そんな気持ちなのだ
なので桜新町はなんとなく足が遠い
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