年内に食べずに、気になったままの、「煮奴そば」。
雪が降るとの予報の出ている今日は、又寒さひとしお。
こんな日は、湯気を立てたあったかな温そばがまさにぴったり。
…と、立川での所用を済ませ、早速電車に乗り込み久米川へ
久米川駅南口、ささやかな商店街、モザイク通りの中程に、
すっとえんじの暖簾が下ろされた、清楚な佇まい。
久米川 「石臼挽き 手繰りや 玄冶」
おっ、外からもお料理の品書きが見えるのは、うれしいな~
と、扉を開き入ると、すぐににこっと迎えてくれるかわいい奥さん。
あれこれと、ご挨拶に世間話など交わしつつ…
まずは手にする、気になる「季節のそば」のお品書き。
取材の時頂いた「北海天せいろ」に、又新たなメニュー「湯葉そば」が書かれ、
うどんのメニューが、又ユニーク 。
ラーメンのような「もやしみそうどん」に、ご主人の遊び心たっぷり。
と、久しぶりに訪れたんだもの、まずは蕎麦前。
いくつかの冷酒と迷ったが、やはり寒さに勝てん、と浦霞の熱燗を。
添えて出されたお通しは、黒豆が添えられているのが珍しい「山海漬け」。
手造りだろうか、まろやかな口当たりの中に、きりっと山葵の辛味が利き旨い。
と、落ち着いた頃で、店内にも貼られている品書きを眺め…
中から気になり選んだ、「クリームチーズの酒盗寄せ」。
酒盗がかかったクリームチーズを想像していたので、一瞬びっくり。
そうかっ 、「クリームチーズの酒盗かけ」と、勘違い。
きちんと牛乳からチーズを作って酒盗を混ぜ込んで作られたそうで、
ほんのりピンクかかった滑らかな仕上がったクリームチーズ。
口に含むとチーズのコクに酒盗の風味がふわっと広がり、お酒にたまらない。
これを充てにしてたら、くいくいとお酒が頂けそう…と、
思いながらもここはすぱっと切り上げ 、そろそろお蕎麦を。
すっかりお気に入りの、「トマト淡々そば」の文字に惹かれつつも、
今日はこれ、お目当ての「煮奴そば」
自信に満ちた頬笑みを浮かべて受けて下さり、程なく出された「煮奴そば」。
これはすごいっ、思ったよりダイナミックに盛られた丼半分を覆うお豆腐。
まずは、とすくう汁は、どこまでも清らかに澄んだほとんど透明なかけ汁。
口に含むと……
ああ、ああ、なんて美味しい~っ
じわ~っと柔らかく優しく広がる、なんて清らかな味わい。
奥行きありながら、上品なこの風味は、…まるでお吸い物だ
こんなにも上品な汁を、蕎麦に合わせてしまうとは…、、、
と、しばし汁を慈しみ、豆腐をすくえば、ほろっと滑らかな絹越し仕立て。
この汁が、ふわっと染み纏い、この豆腐はお酒が欲しくなるなぁ…
そして、中の蕎麦を手繰り上げれば、透明な蕎麦粒が透けて見える、
端正に切り揃った繊細な蕎麦。
口に含むと、熱い汁の中でも存在感があり、汁を纏った蕎麦がたまらない。
羽毛のように包む優しい汁に、ほろりとほどけ香り立つ蕎麦の風味。
ああ、これは美味しい~
さらに、豆腐を崩しながら、蕎麦と一緒に食べるのも、又楽しい。
豆腐の風味に汁が絡まる蕎麦、これは豆腐好きにはたまらない醍醐味。
途中で浅葱をはらりと落とし、さっと広がる葱が合うのは言うまでもなく、
後はもう、夢中で、はふはふと手繰り汁まですべて飲みつくす。
ああ、美味しかった…、と至福の心地に満たされて、
ふと後ろを振り返ると、ご主人が石臼を回してる。
「今、せいろの分を挽いてるんですよー」と、見せてくれた福井の蕎麦。
んん?、「せいろ」の?
とお聞きすると、今「せいろ」にも手挽きした粉を混ぜているそう。
「好きなんですよね~、結局(^^;)」
と照れたように、頬笑みながらも、ごりごりごり石臼を回す手は休まらない。
さらに、2月からは、又新たなメニューも出るそうで、これも楽しみ。
ご馳走様でした~。
ここはやっぱり…、月毎に訪れたくなっちゃうなあ。
「手繰りや 玄治」
東村山市栄町2-38-2
042-398-5833
11:00~21:30
11:00~15:00(月曜)
火曜日定休 禁煙
2010年10月13日 「焼き茄子の生ハム巻き」など蕎麦前を、絶品「松茸そば」
2010年 8月 4日 「夏野菜のじゅれかけそば」
2010年 6月28日 「夏野菜のじゅれかけ」絶品「トマト坦々そば」
2010年 3月21日 「若竹せいろ」
2009年 8月 5日 手挽きで「冷かけそば」
2008年 8月 8日 「自家製さつま揚げ」に「冷かけそば」
2008年 3月 7日 「海老しんじょう」に、「鴨ロース付き鴨せいろ」
2008年 1月29日 豪華っ「野菜天せいろ」
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熱々お豆腐と共に、冬はうれしい一品です。
本当に…
いいお店ですよね(u_u*)~。
しかも手頃な値段でやってくれてる、嬉しいお店です。
腐との相性は良いのですが、お蕎麦とい
うとなにぶん馴染みが無いので微妙な印
象。つゆは、そえられた胡椒を使うとまた
旨味が強く感じられるスープになります。
うどんに関しては、江戸時代は、七味で
はなく胡椒の方が一般的だったと聞いた
事がありますが、蕎麦ではどうなんでしょ
うね。
不味いのに地元に定着していて潰れな
いという不思議な店をよく見かけますが、
ここは美味しくて、地元に馴染み客の多い
良いお店ですね。
サラダ蕎麦、うーん、これも食べてみたいです
2/14~23休業ですか。
以前、御主人と話をしていたら
「土地柄か、意外とお客さんに高齢の方も多くて、
足を上げると痛いのでテーブルの方でという人も多い」
と仰っていたので、
その辺を配慮しての改装なのでしょうね。
ちょうどその期間に寄るつもりだったので、
情報ありがとうございます。
私も、手挽きやせいろも食べたいのに、玄冶さんの季節の蕎麦は、身捨てておけなくて…(^^;。
なるほど、サラダ蕎麦に名前決定したんですね。その前に…、湯葉そば、食べに行ってきます(^^)。
ぜひ食べに行ってみますね。
2月の、サラダそば(?)も、ちょっとどんなのか興味があるのですが…
いつも楽しみなメニューが多く、迷ってしまう、悩ましいお店です。
明日2月からは、又新しい温蕎麦も出るそうで、それも楽しみにしているところです。
もやしみそ、これ、蕎麦で食べたらどうなのかしら…。
豆腐もそうなんですが、この汁が、実に実に実に実に柔らかく優しくて…
二日酔いの日なんて、たまならいかもっ
…と、私も思ってしまいました(^^;
次に予定がなかったら(普通は飲まんか…汗)、お酒のお代りしたくなった程、これはよかったです。
近くに、このお店が出来たのは、とてもうれしい。
ご主人の柔軟かつ豊かな発想、楽しいですよね♪
私は、今!
そちら(の蕎麦屋)に行きたくて、密かに計画しているところなんですよ~♪
弱った胃腸にも丁度よさそうなので。
燗にも合うし、冷にも合う、最初に頼んでおいて、ちびちびいただくと幸せです。(笑)
「無風」の燗と合わせると、個人的には最強タッグ。
来月の御蕎麦も楽しみです。
それに酒盗寄せがいいですなー
豆腐と汁蕎麦って初見のビジュアルですな
しかも蕎麦が見えないから思わず
「こんなの頼んでません」
って言いそう
でも寒寒なこの季節にはいいですね~
先日、横浜で以前よく行ってた
しゃぶしゃぶ屋さん
〆に板お蕎麦がいただけて
気に入ってたのに
久々に行って見たらお店が変わってしまってた
悲しい・・・
今晩また横浜でご飯なので
ベイクオーターにもしゃぶしゃぶと蕎麦の
お店があったなぁ~
後はそれは相方次第なのですがね
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)