何度か、下高井戸へ向かう世田谷線の中から見かけ、
ずっと気になっていた「手打そば」の小さな看板。
田園都市線沿線に所用があった今日こそ、
思いきって寄ってみようと、三軒茶屋で途中下車 。
世田谷線の駅を出てすぐの小さな踏切、回り込んで踏切まで行ってみると…
あった、あった、これ、この看板だ
うれしく、小走りになりながら踏切を渡って看板へと近づくと、
すぐ先の大通りの喧騒など微塵も感じない、閑静な住宅街の中に、
ほっこりと佇む、和モダンの空気漂うシックな佇まい。
こんな素敵なお店だったんだ…
三軒茶屋 「茶蕎庵 かべや」
看板の文字には、「茶蕎庵」と書かれているし、茶蕎麦のお店?
と思いながら、営業時間の札を見ると、「毎月第三日曜」が「茶そばの日」。
と言う事は、普段は茶そばじゃない…?
と、置かれていた品書きにも目を通し、扉を開き入っていくと、
さりげなく飾りつけられた、小さいながらもゆったりとして、清楚な素敵な空間。
6人程座れそうな大テーブルに、四人かけのテーブル、二人掛けが二つ程。
さらに窓越しに見える、テラスにも、手造りのテーブルに椅子が置かれ、
小春日和の日なんかに、あそこに座ってみたいな~
…と、中からテラスを見渡せる、二人掛けのテーブルに腰を下ろし、
すぐに出された、温かいお茶を頂きながら、とにかく寒い、暖まりたい。
と、早速手にした品書きから、まずは「豊島屋金婚」を熱燗で。
程なく出された熱燗は、備前風の趣ある酒器で出され、
揚げ蕎麦に、お通しが添えてあるのがうれしいなあ。
軽やかで塩加減の程良い揚げ蕎麦に、
さっと胡麻ドレッシングのかけられた、大根のサラダがしみじみ美味しく、
口に含む熱燗で、次第に寒さも解かれ、ようやくほっと
落ち着いたところで、改めて品書きをゆっくりと開きみると、
おつまみも、酒呑み心をくすぐるお料理がいくつか揃い、
外に置かれていたランチの蕎麦の品書きとは又別に、
これは定番のお蕎麦のメニューかな?、ずらりと並んだお蕎麦の品書き。
「カレーせいろ」いいなあ、「けんちん蕎麦」も食べたいなあ、
などと、お酒を頂きながらあれこれ悩むのが、又楽しい。
と、ゆったりと寛ぐ、心地のいいひと時を楽しんで、
やっぱりまずは「せいろ」だ、と「ランチセット」の「せいろ」を注文~。
…と、程なく出された「日替わりご飯」の付いた「せいろ」のセット(1,100円)。
丸い蒸篭に盛られた蕎麦は、ぴんっと角の立ったグレーの蕎麦。
冷水でぴしっと〆られた蕎麦は、しっかりとした腰があり、
するりと入る喉越しも滑らかで、手繰る手が止まらない。
洗練されているようで、太さのばらつきがほのぼのとした手打の良さがあり、
素朴な蕎麦の楽しさに、食べているうちにクセになってしまう味わい 。
ほんのり甘めの汁が、この蕎麦をよく支え…
薬味に、茗荷や柚子の千切りまで添えてあるので、途中これを加えると、
茗荷のしゃきしゃきとした感触に、風味がさぁっと広がり、
さらに、柚子がふわっと香り立つ、ささやかな変化も楽しめ…
気付いたら、あっという間に、食べてしまう。
そして、横に置かれた「日替わりご飯」の、「しゃけ昆布飯」。
ざっくり手でほぐされた紅じゃけが美味しく、昆布の風味がよく合い、
これも美味しくて、夢中でぱくぱく。
頃合い見て出して下さった、熱々の蕎麦湯を注ぎ入れ、
ああ、美味しかった~と、大満足なお昼ご飯に
ほっとして、落ち着いてみてみると、湯桶には屋号が書かれてる。
しかも、蕎麦猪口も手にしっくりとくる、素敵な陶器。
もしかして、こちらのご主人が作られているのかしら…
と、お勘定しつつお聞きすると、高尾の陶芸作家さんに惚れて、
それぞれ作って頂いているそう。
…と、口ひげのダンディなご主人が、にっこり話して下さり、少々立ち話。
「茶そば」は、ご自分がお好きだそうで、
三軒茶屋にちなんで、第三日曜日に、サービスでお出ししているそう。
それも是非食べに来てみて下さい、とおっしゃって下さる言葉がうれしく、
ずっと、気になっていたお店に来れた嬉しさと共に、心に染みる…。
中休みもなしというのもうれしく…
ご馳走様でした~
と、お店を出たら、次々に入って行くお客さん。
あ、そうかっ…、今日は「世田谷ボロ市」だったんだ…
「茶蕎庵 かべや」
世田谷区太子堂4-4-14
03-3414-8570
11:45~19:30(中休みなし)
月曜・火曜定休
禁煙
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これって、心に残るんですよね(u_u*)~。
ドキドキして、お店に向かい、
あ、こんなお店だったんだっ☆
と又ドキドキ。
暖簾をくぐる時の、探検に似た気持ち、いくつになっても、こういう気持ちって変わらないんですね。
本むら庵、そうそう、ここも看板が見える見える(^^)。
こちらの器、とっても素敵だったの。
手にね、しっくり収まる、心地のいい器でした。
ありがとうございます。
そうして見てくれる人がいる、
そう思う事で、私も凹んだり、
沈んだりした心が癒されているんです。
とても、嬉しい。
ありがとうございます…(:_;)
そうそう、世田谷線もとっても混んでいました。
車窓から気になるお店・・・
たぬきはずーっと、中央線から見える
「本むら庵」さんが気になっていました☆
yukaさんのブログを拝見し、やっとこ数年前訪問がかない・・・
そういう時って、凄くドキドキしながら暖簾潜るんですよね~♪
この酒器は
「江戸の職人さんが愛用してそうな男臭さ」があって素敵です。
どんなに凹むことがあっても
どんなに浮かれていることがあっても
yukaさんは毎日お蕎麦召し上がって
いらして,記事をアップしていらっしゃる
ここを覗けば,いつもの自分…
そうなるのです
応援しています
これからも頑張ってくださいませ
安曇野で済ませてしまってます
こんな素敵なお店がまだまだありますな
まあ、三茶って世田谷通りと246の間の
魔の三角地帯に素敵そうなお店が
星の数ほどあるので
あの中ももうちょっと調べてみないと
老舗の劇場もあるからお蕎麦屋さんなんて
ありそう
ボロ市行って見たいんだけど
平日なのよねー
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