ずっと頼まれていた、この時期貴重な天神様のお札。
午後から築地での所用があるので、その前に…、お札を頂きに湯島へ
ちらほらと学生さんの姿も見える、平日はゆったりとした天神様に、
私もついでにお祈りさせてもらって、お札を頂き…
寒さがぶり返した寒い中、甘酒にかな~り心惹かれながらも振り切り
お昼を頂こうと、ずっと気になっていていたお店へと
天神様からまっすぐ進んでいくと、通り沿いにふと出くわす、
ささやかな間口の、しっとりとした趣あるお店。
湯島 「手打 古式蕎麦」
昼ちょっと過ぎ、扉を開け入った店内は、気さくな空間。
奥の天井にはテレビが置かれ、テーブル席は6卓程。
人気店なんだなあ…、と、ただ一つだけ空いていたテーブルに腰を下ろす。
すぐに、愛想のいいちゃきちゃきっとした女将さんがお茶を出して下さり…
ふと見上げる壁に貼られたお品書きに、
テーブルに置かれていたお品書き。
ここでは、是非食べてみたいと思っていたのが、「山揚げ」。
まずは、それを単品でお願いし、甘酒を振り切って来た事もあり、
温まりたく、「熱燗」をお願いすると…
「うちは、冷でしかないんですが」
のお言葉。せっかくだし、念願の「山揚げ」で一杯頂きたい。
「で、では、冷で」
と答えると、
「鬼ころし、土佐鶴、峰の白梅、…、…、…(覚えられない)、浦霞、とありますが…」
とすらすらと言われ思わずたじろぎ…、浦霞でお願いする事に。
と、程なく出されたお酒は、シンプルにコップ酒。
一見、お水のようで、昼酒でも悪びれた感がしてこない。
そして、念願の「山揚げ」(小)も目の前に出される。
ん~っ、これは、美味しそう
こんがり狐色に揚げられた、すりおろした山芋揚げとの事。
熱々の出汁に浸され、添えられているのは浅葱に大根おろし。
箸を入れると、周りはからりとしてさっくさく。
その中には、とろ~っと蕩けるような、ふわふわ山芋。
口に含むと周りの香ばしさに、とろろの舌触りが何とも優しく、上品な出汁の味わい。
こ、これは…、美味しい~
後でたっぷりの大根おろしを加えると、次第に溶けだし、
優しい出汁の中に染みていく山芋に葱に、大根おろし。
すっかり、うれしくなって、冷酒と共に口に運ぶのが楽しい。
これは…、温かい蕎麦に載せた、「山揚げそば」も絶対美味しいに違いない!
と、すっかりこの「山揚げ」を満喫し、お酒と共に楽しんだ後は…
これも興味のあった「黒いそば」との「もりそば」を 。
(お昼はうれしい、サービス価格♪)
と、目の前に出された蕎麦に、知ってはいたのに、一瞬びっくり
く、黒い…、どこまでも、黒い…!
まるでココアを練り込んだかのような、色の黒い平打ち気味の蕎麦。
まずはそのまま口に含むと、ぴしっと冷水で〆られた蕎麦は、
噛み締めると、むちょっとした独特の歯ごたえ。
こ、これは…、やはり「古式」と名乗る武蔵境の「延寿庵」の蕎麦に似ている!
むちょむちょとしながら、しっかりとした腰があり、
時折、粉のようなざらつき感を喉の奥で感じるながら…
次第に、カカオのような香ばしさが広がってくる不思議な魅力。
汁はちょっと独特な風味もあるが、しっかりとした味わいで蕎麦に絡まる。
と、むちゅむちゅと食べていると、なんだか病みつきになってくるよう。
しかも、頃合い見て出された蕎麦湯も、「延寿庵」同様、湯飲みで出される。
ナチュラルに白濁した熱々蕎麦湯は、美味しく、ほっとしながら頂いていると…
この蕎麦に非常に驚いている様子に、すかさず女将さんが、
「初めてですか?」
と、生き生きと説明し始め…私も一緒にお聞きしていると、
「蕎麦には、甘皮というのがあって、栗でいう渋皮なんですが、それを盛りこんでいるから、こういう色になるんですよ」
との事。それにしても、この色は又独特。
なんだか、妙な魅力を感じ、この蕎麦で暖かい蕎麦も、あるいは大根の絞り汁で食べるという(とおっしゃっていた)「古式そば」も食べてみたくなっている。
その小セットもあるようなんで、次回はそれを頼んでみたいなあ、
と、しかと思いながら席を立つ。
ご馳走様でした~
「延寿庵」もかなりご無沙汰。
なんだか、急に行きたくなってきたなあ…
「手打 古式蕎麦」
文京区湯島3-20-5
03-3836-5229
11:00~14:30 / 17:30~21:00
第三月曜、日祝は昼のみ
禁煙(と思う)
- 関連記事
-
- 本郷三丁目 「料理人 江川」 海老香りあんかけつけ蕎麦 (2013/03/05)
- 湯島 「古拙」 よるそば梅コース (2011/11/10)
- 根津 「鷹匠」 贅沢な昼下がり (2011/05/14)
- 護国寺 「蕎すけ」 (2011/04/08)
- 駒込 「玉江」 4年ぶりに再会した蕎麦 (2011/03/28)
- 本駒込 「藪蔦」 (2010/03/26)
- 根津 「よし房 凛」 (2010/01/25)
- 湯島 「手打古式蕎麦」 (残念ながら閉店) (2010/01/22)
- 本郷三丁目 「料理人 江川」 (2010/01/07)
- 茗荷谷 「いんちきそば 京屋」 (2009/11/27)
- 本郷三丁目 田奈部」 (2009/07/06)
- 護国寺 「蕎すけ」 (2009/06/15)
- 江戸川橋 「やぶ宗」 (2008/10/03)
- 後楽園 「舞扇」 (2008/08/26)
- 護国寺 「蕎すけ」 (2008/05/02)
閉店の明記していなかったです。
私ももうあの独特の蕎麦が食べられくなってしまって、
とても残念で…。
あとあの、山揚げ。
惜しまれるばかりです…。
蕎麦屋へ行くときの、データベースとしてROMしていました。勝手にリンクもしてました。
私は単なる食いしん坊の軟弱健康オタクです。
ところで、この店ではかつて好んで食べてました(割子五段のみ)が、知人から聞いた話では、建物の建て替えで、閉めてしまったとのこと。どこかへ移転したのかは分かりません。
ポリフェノールの塊みたいなあの黒さが・・、残念です。
ねねっ♪
美味しいでしょ~(^^)。
その分、二人前頂いてきやした。
「山揚げ」、とってもウマァ!です。
どうやって揚げるのだろう?。
ぜひ、お参り帰りに寄って見て下さい♪
この向いくらいに教室もありませんでしたか?
こんなお蕎麦だったのか!
度胸無しなので
見つけたお店にぱっと入る事が出来ないのです
湯島、梅祭り行ってお蕎麦か!
屋台で何か食べてしまい
お腹一杯の罠も・・・
でも、上った後には、下りあり、ですよん(^^)。
ここの「山揚げ」、ぜひ食べてみてください♪。
(大)もありますよって…(笑)
黒いそばだけなら「竹邑庵太郎敦盛」が好きかなぁ。
九条葱、最近盛りが少なくなったけど・・・(笑)。
秋葉原から京成上野駅まで歩くついでに坂を登ってこようかな・・・(汗)。
私も、なぜ、知っていながら今まで来ていなかったのか…
と思ってしまっています。
いいですね、なんだか、ちょっと病みつきになってしまいます。
このセット、とても魅力的だな~
と思ってずっと壁を見ていました。
次回は、ぜひともそれで…(^^v
PS.明後日が初天神、「鷽替神事」の季節ですね。湯島は25~、亀戸は24,25。
→ yuka (03/19)
→ yuka (03/19)
→ sherbetsST (03/18)
→ 森のたぬき (03/01)
→ yuka (02/24)