丸抜きの粗挽き蕎麦が美味しかった新座の「鞍馬」。
ちょっと前に、「品書きががらりと変わった」とか、「蕎麦が変わった」、
との話を耳にし、気になり伺いたいと思っていたところ…
今日は、嬉しいお誘いを受け、蕎麦お友3人と共にお昼を頂きに
と、志木街道沿いの目立つ看板を目指していたのだが、あれ?通りすぎてしまった??
戻って見ると、あの遠くからも目に留まった立派な看板はなくなり、
さりげなく、見落としてしまいそうな小さな看板が足元に立てられている。
お店の様子はそのまま。
立派な日本家屋の格調高い建物が、静かに佇んでいる。
新座 自家製粉手打蕎麦 「新座 鞍馬」
扉を開き、広々とした玄関の横の打ち場を眺め、靴を抜いて店内へ。
にこにこと花番さんに迎えられ、足を踏み入れたお座敷の客室は以前のまま。
ちょっとテーブルの向きが変わったようではあるが、
柔らかい日差しが注ぎこむ広々としたお座敷に、ゆったりとテーブルが置かれてる。
奥のテーブルに腰を下ろし、程なく出されたお茶を頂きながら、
「変わった」という品書きを早速手にし、見てみると…
確かに、品書きががらりと変わってる
以前はあった、ビールやお酒は全くなくなり、セットがメインのよう。
それぞれ、限定各10食というのも、すごい…。
と、中からあれこれ吟味し、ご主人と仲良しのSさんの計らいで、
「もり」「粗挽き」「地粉」の「更級」を除いた蕎麦でセットにしてお願いする事に。
程なくして出されたのは、セットに付く「旬野菜のおひたし」。
澄んだ透明の清らかな出汁に、さつま芋にじゃが芋、牛蒡にピーマンにブロッコリー。
鮮やかな色彩も美しいパプリカ等が、出汁に浸され出される。
一つ一つ口にすると、ほとんど生に近い、素の野菜そのものが味わえ、
しゃきしゃきとした歯ごたえにほっこりとした野菜が、とても美味しい。
すっきりとした上品な味わいの出汁が素晴らしく、全部飲みほしてしまったほど。
と頂いていると、茨城筑西の蕎麦10割で打たれた「もりそば」が出される。
以前の笊に代わって、長方形の蒸篭に盛られた蕎麦は、繊細な細切り。
ざっくりと断たれた切り口に、蕎麦の粒々がびっしりと埋まった粗挽き。
これさえも、「粗挽き」と呼べる蕎麦で、以前頂いた「もりそば」の面影が脳裏に浮かぶ。
その粒々に見とれながら手繰り上げると、強くはないが、
新蕎麦ならでは、のふわ~っと過ぎゆく香りを感じ、口に含むとしなやかな腰加減。
玄の欠片も少々入った蕎麦は、かみしめる間にじわじわと風味を広げ、
ああ、美味しいな~…と、心に染み入るよう 。
タイミングよく、二枚目は「粗挽き蕎麦」。
置かれた蕎麦の姿は、やや平打ちの太めに切られた、所謂「田舎蕎麦」の佇まい。
ふわっと立つ穀物の香りを感じ、噛みしめるともちもちとしたしっかりとした腰加減。
噛みしめると、時折玄蕎麦の欠片がざらりと感じ、
ゆっくりと噛みしめていくと、じわ~と風味が広がって行く。
喉越しというよりは、噛みしめて楽しむ、太打ちならではの味わい。
最後の一枚は、新座市あたご産の蕎麦。
ご主人が自家有機栽培した「地そば」が出される。
挽きぐるみでありながら、透明感が強いグレーの繊細な細切り。
その中には、細かな玄蕎麦の欠片がびっしりと覆う、美しさ。
手繰り上げると、ふわ~っと漂う、どこか日向を思い起こす穀物の香り。
口に含むと、しなやかな腰の蕎麦は、喉越し爽やか。
噛みしめるとほどけ溶けるような蕎麦は、地ならではの風味が広がる。
これも、美味しいな~
と、頃合い見て出された、ナチュラルな蕎麦湯をゆっくりと頂き…
まだ食べた事のない、「かけそば」も食べてみたい、の気持ちがむくむくと。
一人では頼めないけど、せっかく4人で伺っている今日。
と、「かけそば」もひとつ皆で食べよう~、とお願いすると、
もう「もり」の蕎麦は無いとの事で、粗挽きで作って頂く事に。
しばしして、出された「かけそば」は、底まで透けて見えるような美しいかけ汁。
薬味には、葱にちょっと珍しい「山椒」が添えられて。
まずは、その汁を口に含むと、
ああ、なんて、何て美味しい…
じわ~っと、喉もとから身体じゅうに染み入るような、優しい味わい
すっきりとしてまろやかな、上品なかけ汁で、これは極上
そして、太打ちの蕎麦を口に含むと、これはいいっ!
熱を帯びた事で、もちもちとした蕎麦の良さが現れ、
噛みしめると、そのまま頂いた時よりもダイレクトに香ばしさを感じてくる。
最後までだれる事もなく、しっかりとした腰を保った蕎麦。
かけ汁の旨さに、蕎麦の香ばしさ。もういつまでも食べていたよう…。
と、回し食べ、すっかりお腹もいっぱ~い
お酒類がなくなっていまったのは、ちょっと寂しいけれど、
蕎麦にかけるご主人の熱意を、改めて感じてくるよう。
ご馳走様でした~
今度は、ぜひ、「そばがき」も食べてみたいな…。
Kさん、Tさん、Sさん、ありがとうございました
自家製粉手打蕎麦
「新座 鞍馬」
新座市あたご2-2-34
048-479-0055
11:30~1④:30(LO)
水・木曜定休
禁煙 P有
2008年 2月17日 「豊の秋」で栃尾揚げ、「もりそば」に堪能
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ここは、休日終わるのが早くて、なかなか行けずにいるんです。
ま、値段は、確かに…(^^;;。
あと、お酒がないのも、寂しいところなんです。
又チャレンジして、gunさんのコメント確かめに行きたいです。
旬野菜は蕎麦の実の入った出汁に人参ジャガイモ、青
菜などが入っていましたが、どれも1かけくらいで少な
過ぎ。蕎麦3種といってもこれで1900円は高過ぎでし
ょと思ったのですが、出汁があまりに美味しくて、2回
目はかけ蕎麦を。期待にたがわず透き通った美味しい出
汁でした。しかしやはり、「かけ」蕎麦に1000円払う
人はそうはいないでしょう。それでも1回目に食べた3種
のうち「玄挽き地そば」これはyukaさんの時にはなかっ
た?が気に入ったので単品で頼んだのが3回目。汁につけ
て食べるのを忘れそうなくらい美味しい。むしろ汁がや
や残念か。
ここは山葵ではなく大根おろしで喰わす主義でしょうか。
しかし単品でも950円。あまりに高いのでこの美味しさだ
け記憶して4度目の訪問はないかなー。駐車場にも高めの
車が止まってました。
法事をやる庫裏のような広い玄関。一瞬間違えたか
と思いきや、右手には立派な蕎麦打ち場が。
地盤が弱いのかそばの志木街道にトラックが通る
と地震と同じくらいの振動がして驚きました。
せいろと田舎のコースを頂いたのかしら?
ぜひぜひ、かけも…。
あの、お出汁は、幸せにさせられますよ~(^^)。
年越し蕎麦は、鞍馬さんで食べるのは、かなり難しそうですね…(^^;
ちなみに年越しは鞍馬さんのおそばを食べたいな~と思いましたが、夜はやらないそうです。お土産用のおそばはあるそうです。
次はかけを頼んでみます。でわ^^
とびっくりしてしまいました。
昔も…
よかったのですが…。
釜や厨房を手伝ってくれていたお弟子さんが、独立なさり、与野でお店を開かれたようで、こうしたそうです。
でも、蕎麦は、流石でした。
がらりっと変わってますでしょ。
私もびっくり。
お酒類が全くない、というのもちょっとさびしいですが、蕎麦はさすがに美味しいです!
かけ、がとてもよくて。
ぜひ…
(野菜のお浸しも秀逸)
なんかどんどん高いメニューになってしまう。開店当時のメニューが良かったなぁ~
が、待てよ! 驚きますね(@@) 休日は「水」だったのが、「水」と「木」(祝日の場合は営業)に、そして~営業時間が「11時30分~2時半(ラストオーダー)ですか!! しかも、アルコールがない!!!
しかし、蕎麦は美味そうですね、どれも、これも・・・
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