彼の都合もついたので、夏休みを一日だけ分割して取り、山梨へとプチ旅行 。
からりと晴れた青空の下、好調に中央道を走らせる。
早くも…、空にはすっかり秋のひつじ雲。
「一宮御坂IC」で降り、街道から山道へ。
木々に囲まれた、山中の細道ををゆっくりゆっくり登って行くと…、
山の斜面に、さらさらと暖簾をなびかせ佇む、素敵なお店に辿りつく。
前回訪れて、二人でとても気に入ってしまったお蕎麦屋さん 。
山梨県笛吹市 「手打ち蕎麦処 右楽」
車を入れるとすぐ、主人が顔を出され、にこにこと迎えて下さる。
「いらっしゃ~い」
と招かれ、なんだか親戚の家を訪れたような温かな気持ちになりながら、ご主人の後に続いて暖簾をくぐる。
すぅ~っと風が通り抜ける店内は、以前と同じ本当に素敵な空間。
しっとりと落ち着き、隅々まで行き渡ったセンスの良さ。
モダンな椅子の置かれたテーブル席に、
骨董の蕎麦猪口やお皿の並べられた飾り棚が置かれた、ゆったりとしたカウンタ席。
「せっかくだから、こちらにどうぞ~」
と前回同様、進められたカウンター席の目の前には…
壁一面くりぬかれた窓が作られ、視界いっぱいに広がる、山から見下ろす絶景。
もう、ここに座った途端、時を忘れてぼ~っとしてしまいそう…
すぐに、美味しいお茶と、ミントの香りが爽やかなお絞りを出して下さり、
「あれ?、前にもいらっしゃった?」
と、あれこれと話していたら、ご主人も思い出して下さり、途端、話が盛りあがる。
こういうの、うれしいなぁ…。
と、置かれている品書きに目を落とし、今日は何にしようかな♪。
前回は、やや太打ちの味わい深い「田舎」を頂いたので、今日は細打ちを…、
中でも、前回彼が食べていた「冷し右楽」がとっても気になる。
しかも、これは「夏季限定」のお品書き。
もうすぐ夏も終わりだし…、と私がこの「冷し右楽」に決めると、気に行ってしまっていたようで、彼も同じものをと、二人で「冷し右楽」を注文~。
時折肌をなでる山林をわたってくる心地のいい風に、目の前に広がる風景。
どこからか聞こえてくる、野鳥のさえずりのBGMに耳を傾けていると、程なく
「お待たせしました~」
と、「冷し右楽」が並べて置かれる。
底深のお皿に、彩りよく盛りつけられた立派な蒲鉾に茄子、胡瓜、錦糸卵。
その上には、大好きな美味しそう~な「鳥わさ」までたっぷりと天盛りされている。
まずは、そおっと手繰り上げる蕎麦は、角が立ち、微粉のような蕎麦の粒が適度に混ざった、丹精な細切り。
口に含むと、もちもちっとしてしっかりとした腰があり、噛み締めると次第に広がる香ばしさ。
きりっとした男気を感じる蕎麦が心地よく、後にすっと落ちて行く爽やかな喉越し。
この山梨では珍しく洗練され、そして野趣さも携えている蕎麦。
ぶっかけにしてしまうのは勿体ないかも、とふと思ってしまう、美味しいお蕎麦
とは言え、上に盛られたこの「鳥わさ」の美しさ。
添えられている、これも美味しい山葵をちょんっと載せ頂くと、身がふ~んわり。
噛み締めようとすると、溶けて行くような鳥わさに、うっとり
しっかりとした歯ごたえの、厚めに切られている蒲鉾も味が濃く、質の良さを感じさせ、
この茄子を口に入れたら…、たまらな~い。
とろ~っととろけるような茄子は、甘みがとても濃い。
この茄子と一緒に蕎麦を食べると、蕎麦の味わいに茄子の甘みが溶ろけながら絡まり、たまらない美味しさ。
好物の玉子もたっぷり盛られ、しゃきしゃきっと瑞々しい胡瓜の歯ごたえがうれしい。
ざっくりと混ぜ、蕎麦に絡めながら、この様々な具材と蕎麦とのコラボレーションを楽しんでしまう。
…と、夢中で食べている私達に、奥さまが、
「そのレモンを絞ると、又風味が変わっていいんですよ」
とおっしゃって下さり、忘れていたレモンをぎゅっと絞ってみると…
これが美味しい~っ
途端、さっともり汁に爽やかな酸味が加わる。
茄子の油がほんのり染みた汁に、この酸味が絶妙に調和し、夏には持ってこいの美味しさ。
「初めはそのままで…、後でレモンを絞ると二つの味が楽しめるでしょう(^^)」
と、歓喜している私たちに、にこにこと見つめてくれる奥様。
最後には、これも別に作られた、とろりとして滑らか~な蕎麦湯。
別に猪口を出して下さり、蕎麦湯だけ飲んでみても味わい濃い、美味しい蕎麦湯。
残りの汁をも移し、蕎麦湯を注ぎいれ、すっかりと頂いたらもう大満足
ゆっくりとこの蕎麦湯を頂きながら、気さくでお話好きなご主人と、温かい微笑みの奥さまとお話する時間が、とても楽しい。
「今日はまだちょっと暑かったけど、カレー蕎麦も気になっているんです」
の私の言葉に、ぜひ食べに来て下さい(^^)。
とおっしゃって下さるのもうれしく、お店との、人との出会いの有難さを感じながら、温かな気持ちいっぱいでお店を後に。
ご馳走様でした~
自然に囲まれた、静かな時を感じられる素敵な空間で頂く、美味しいお蕎麦。
それに、素敵なご主人に奥様のおもてなし。
又、ぜひ…、今度は紅葉を愛でながら訪れよう~、
と二人満足な心地で…
幸せ気分で(^^)、これも再びお気に入りの「みたまの湯」へ~。
*お品書き
もり、田舎 800円、冷やし右楽 1,300円(4~10月)、あげ玉 1,000円、肉なんばん 1,100円、カレーなんばん 1.300円、にしん蕎麦(11~3月) 1,500円、
とりわさ、ラッキョウ漬け、そばかまぼこ 500円、そばがき 800円、にしん甘露煮 800円
ビール 600円、八山海、蔵出しオリジナル吟醸、黒龍 500円~
去りし日の、思い出語らん山里の隠家
「手打ち蕎麦処 右楽」
山梨県笛吹市八代町竹居5740-267
055-265-4406
11:30~15:00
火曜・水曜定休日 禁煙 Pあり
お店のHP
2008年10月28日 紅葉めでながら…、「とりわさ」に、「田舎そば」
…の前に、今回も又、お店のすぐ下にある「ごま豆腐」屋さん。
前回買って食べたら、ものすっごい美味しかった「ごま豆腐」。
「江戸屋商店」の美味し~い胡麻豆腐も、お土産に…
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気づいたら6月、そのとうもろこしの季節でした…!
これは急いで行かなくちゃ、ご報告ありがとうございます♪
でもって、右楽さんに行かれたんですね(^^)
これはもう、ゴールデンルート。
ここの鶏わさ、大好きで、しかもお蕎麦も又頂きたい…。
さてっ、彼を温泉で釣って…(^^;;
7月になるとトウモロコシの収穫が減るそうですから、お早目のお出かけを。
そうそう、私も「みたまの湯」に行くと、あの横の直売所で野菜を買っています(^^)。
今回も、茄子などの野菜と、桃もゲットしてきました。
ではでは、ぜひ、とうもろこしの時期にはそれを狙ってみます♪
ナベ様も、ぜひぜひ、「右楽」さんも(^^)。
「奥藤」は行った事がないのですが、塩山の「奥村」には行った事があります。確か暖簾分けだとか…。
さて、みたまの湯に行くのであれば是非6月のとうもろこしの時機に行ってみてください。甘々娘という生で食べられるとっても甘いとうもろこしが敷地内の直販所で購入できます。今年も会に行ったのですが、すでに売り切れ。近くの農家がやっている直販所でゲットしました。帰りは甲府の奥藤でおそばを。
できれば、こちらには平日に行くのがお勧めです。
休日はやっぱり混んじゃうそうで…。
そろそろ寒くなってきたので、
勝沼リベンジも併せて…。
まあ、私の行くのが遅いからいですが。
とっても甘くて、とろ~り。
やっぱり、東京の野菜とは違うのかもしれないです♪
秋茄子、今、本当に茄子が美味しいですよね。
いよいよ秋茄子の季節がやってきますな
とりあえず家で浅漬け作るか
茄子の蕎麦・・・
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