調布での所用を済ませ車を走らせると、ふと彼が、
「昼、いつも車がたくさん止まってる…、あの稲城の蕎麦屋で食べようか」
と言い出す。
稲城の蕎麦屋 ? はて、どこのことだろう~??、
と思ったが、彼から「蕎麦屋」を言い出すなんて、これは貴重!。
オッケーと二つ返事で車は彼の目指すお店へと。
ほら、ここ、ここ、と、彼が止めたお店は、これはうれしい♪
私も前々からとても興味のあった店。
いつも広々とした駐車場には車がぎっしりと止められ、通り過ぎながら見る看板の、「信州石臼挽き」の文字に心惹かれていたところ。
今日も又、びっしりと車が停められている中、なんとか一台分のスペースがあり、車を停め店内へ。
稲城 石臼挽き手打蕎麦「利休庵」
休日の昼下がり。
「信州八ヶ岳山麓産 石臼挽きそば」 の貼り紙をしげしげと見つめ、扉を開くと、ほぼ満席の賑わいを見せた店内。
ほのぼのとした、町の蕎麦屋らしい気兼ねない雰囲気の漂う店内だが、真ん中に打ち場がしかと鎮座する。
その打ち場を囲んでのカウンター席、4つ程あるテーブル席、奥のゆったりとした小上がりの席、老若男女、様々なお客さんが美味しそうにお蕎麦を食べている。
「今、片付けますから少々お待ち下さい」
と花番さんに通され、運よく空いたテーブル席の一つに腰を下ろす。
さてさて、品書きを…。
冷たい蕎麦は、せいろに天せいろ、それに鴨汁。
今日は温かいものが食べたく、見ると「かけ蕎麦」には天かす、わかめ付とちょっと珍しいお品書き。
それ以外の種物はなく、山菜、きつね、かき玉子、生玉子がオプショナルであり、それぞれトッピングする采配。
しかも、蕎麦以外のうどんは、「稲庭うどん」となっているのが珍しい。
ミニ野菜天丼や、炊き込みご飯の付くセットもあるようで、何にしようと悩んでいたら…
目の前の打ち場のガラスに、「きのこ蕎麦」の文字。
お聞きすると、「きのこ汁せいろ」もできるとの事なので、私は即これに決定 。
彼は、ミニ天丼とのセットと悩んでいたようだが、結局、「天丼」に決めたよう。
(蕎麦が食べたかったんじゃないのっっ??)
そして、まずはお味噌汁にお新香が付いた、彼の「天丼」が置かれる。
(ちょっと味見させてもらった)上品な風味の美味しいお味噌汁に、海老、茄子、舞茸、かぼちゃに、春菊、インゲンと盛り沢山な天丼に、彼は満足そう。
続いて、私の目の前にも「きのこ汁せいろ」が置かれる。
三つ山に盛られた蕎麦は、角がピンっと立ち、蕎麦の欠片がところどころに盛り込まれた繊細な細切り。
その断面は、いかにも手打ちの蕎麦という穀物感に溢れ、期待以上の面持ちにうれしくなる。
手繰り上げると香り風味は強くはないが、きりっと冷水に〆られ、たおやかな腰が心地いい。
蕎麦を食べているという穀物感をしっかりと感じられる蕎麦で、噛み締め飲みこんだ後に、ふわ~っと下から蕎麦の風味が上がってくる。
これは、…美味しい
ほかほかとたっぷりとよそられた「きのこ汁」は、これも具だくさん。
えのきに舞茸がたっぷりと入った汁は、茸の風味が香りよく、すっきりとした熱々の汁。
これに、蕎麦を浸し頂くと、熱の加わった蕎麦は、風味がぐんっと増す。
そのままで食べた時は弱かった香りに、香ばしい風味がじわじわと広がり美味しい。
さらに、穀物感もさらに増すように感じ、これは「かけ」でも頂いてみたい…と、即座に思ってしまう。
食べ終えるタイミングを見て出された蕎麦湯は、優しく白濁したもの。
これをこのきのこ汁に注ぎいれると、茸の出汁がいきわたった汁が美味しい。
シャキシャキとした舞茸にえのきを楽しみながら、これもたっぷりと頂いたらお腹もいっぱい 。
と食べている間にも、次々に入ってくるお客さん。
人気の理由も十分納得なお店に、来てみてよかったと思わせる。
次回は、是非とも「かけ」を試してみたい、と思いながらと思いつつお勘定を…。
ご馳走さまでした~
お隣で食べていた人の、稲庭うどん、もきれいだったなぁ。
*お品書き
せいろ(稲庭うどん) 800円、天せいろ 1,400円、鴨せいろ 1,700円、かけ(稲庭うどん)900円(天かすわかめ付)、天ぷらそば 1,500円、 山菜 200円、きつね 100円、かき玉子、生玉子 100円
Aせっと(せいろ・炊き込みご飯)950円、Bセット(せいろ・むいに野菜天丼)1,100円、天丼 900円
とろろ芋 400円、海老天ぷら 300円、各野菜 100円、春野菜の天ぷら盛り合わせ 800円、ご飯 100円、炊き込みご飯 150円、エビス 600円
石臼挽き 手打蕎麦 「利休庵」
稲城市坂浜2837-1
042-331-7212
11:00~14:30
月曜・金曜定休 禁煙
P多数
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