念願叶い、今日は、友人3人と予約を入れてお昼のコースを頂きに
新富町の駅を上がり、月島へと続く大通りから右に入ると、お店などほとんどない全くの住宅街。
この中のどこに…と、細い路地を歩いて行くと…
もしかして、あれ?
両脇のマンションや住宅に挟まれ、
何の前ぶれも看板もなく、さりげなさすぎる程、静かに佇んでいる。
まさしく、「はなれ」。
文字通り、隠れ家と思わせる、風情たっぷりの佇まい。
中央区港 自家製粉・面前生粉打ち 「蕎麦流石 はなれ」
まだ新しい白木の引き戸を開き中へ入ると、すっきりとしたカウンターだけの小さな空間。
厨房、打ち場をぐるりと囲み、すべての作業が目の前に広がる10席だけの特等席。
挨拶などなどしながら、まずはビールを頂き、お祝を兼ねての乾杯~。
初めに出されたのは小鉢、「青大豆と帆立の和えもの」。
甘みのある大豆に、帆立が風味濃く美味しい一品。
そして、目の前で作られていくお料理が、順々に運ばれる。
二品目は、「ホタル烏賊と菜の花の酢味噌和え」。
こんなお料理を目の前にしたら…
と、すでに飲みほしていたビールから、早速、日本酒をお願いする。
シャンパン、ワインもずらりと揃う中から、お勧めされたこちらを熱燗で。
さすが、こちらのお酒は銀座price…。
程なくして出されたのは、ほかほかと湯気を立てた焼きたての「出汁巻き玉子」。
出汁がたっぷりで、ふるふるっとした柔らかさ。
熱々ジューシーで、上品な味付けの美味しい玉子焼き。
食べている間に、捏ね、延し、切り…と、流れるように進む蕎麦打ち過程。
そして、打ちたての蕎麦で出された、漆の椀に盛られた「汁そば」。
これはうれしい 。早くも先取りの「竹の子そば」。
ほとんど透明の澄んだ美しいかけ汁は、口に含むとすぅ~っと喉に入り、そのまま体に染みいっていくよう。
どこまでも上品で、とても優しくしみじみと感じ入ってしまう。
これは、美味しい…
蕎麦は穀物感溢れ、温かい汁に浸されて尚風味良く、かけ汁にからまりしっとりとしたと味わいを醸し出す。
シャキシャキとした竹の子独特の歯ごたえがとてもうれしく、新鮮な竹の子の風味に香りがたまらない。
ああ、なんて、幸せ…
と、しみじみ感じ入っていると出されたのは、「白魚と空豆の天ぷら」。
まるで泳いでいたそのままの姿のように、ふわりと盛りつけられた白魚。
ほっこりとした空豆は甘みがとても濃い。
さくさくの軽やかな衣の白魚は、口に入れると、途端に溶けてしまうかのような、身の柔らかさ。
添えられたパウダーソルトが優しく、たっぷり盛られているのもうれしい。
と、ゆっくり会話を楽しみながら頂き…、
いよいよメインのもりそばが置かれる。
置かれている石臼で手挽きされ、今、目の前で打たれたばかりの富山の蕎麦は、目が覚めるような鮮やかなうぐいす色。
穀物感際立つ切り口に、蕎麦の粒が透けて見える丹精な蕎麦は、手繰り上げたそばから香り立つ。
口に含むとしっとりとしてたおやかな腰に、わずかにまとった粘り感。
蕎麦という穀物をしっかりと感じられ、噛み締めると、濃く香ばしい蕎麦の風味がじわ~っと広がる。
そして又、蕎麦とは、こんな上品なものだっったんだ、と思わせる風情さえも。
出汁の味わいが香るまろやかな汁も、瑞々しい山葵も、どれもがすべて完璧、と思いながら、するりと頂いてしまう。
と、次に、丁度打ったところなので、と出して下さったのは、「柚子切り」。
「もりそば」とは、又全く違う、プルンプルンとした歯ごたえ。
蕎麦の中に盛り込まれた柚子が弾けるように、ぱぁ~と爽やかな柚子の香りが喉から鼻腔にすぅ~っと抜けていく。
これもするすると頂いてしまい…、
「流石」のロゴの入った磁器の湯桶で出された蕎麦湯は、とろとろと白濁したポタージュ仕立て。
これもたっぷりと頂き、余韻を噛み締め味わう。
最後には、デザートとして、「蕎麦羊羹」も。
蕎麦粉と小豆だけで作られた羊羹は、甘さ控え目のまったりとした羊羹。
甘いものが苦手な人でも、すっと食べてしまえるすっきりとした甘さの上品なもの。
最後まですべて抜かりない、満足な一品一品で、すごいお店ができたなぁ、と思わせる。
ちょこちょこっと来るのは難しそうだけど、次回は夜にも一度訪れてられたらいいなぁ、などと思いつつ…
今回、訪れられた事に大満足。
ご馳走様でした~
皆さま、ありがとうございました
*予約制、お任せコースのみ (昼4,000円~、夜8,000円~)
自家製粉・前面生粉打ち
「蕎麦流石 はなれ」
中央区湊3-13-15
03-6228-3870
12:00~14:00 / 18:00~20:00
日・祝日定休(予約あれば営業)
禁煙
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たの~しまれたようですね(^^)。
とてもよく伝わってきました。
夜は又格別そう…。
私も機会あらば、訪れてみたいです♪
又、ぜひ、ご一緒させて下さい。
文字通り「はなれ」な隠れ家♪
そして若い職人お二人の織り成す美味しくて楽しい蕎麦エンターテイメントにすっかり魅了されてきました☆
白魚と空豆の天麩羅~美味しいに違いないですよね~食べてみたいです!
蕎麦屋の天麩羅で昼酒一献☆
粋ですね~(^^)
(別所の蕎麦会行ってきます~)
楽しんできて下さい♪
お料理も、お蕎麦も、ほんっとに美味しかったです(^^)
確かにお高いので、度々行くわけにはいかないけれど、オープンしたと聞いてうずうずしてました。
春らしいメニューを堪能してきまーす♪
どんなにおいしくても、受け入れ難いですね、経済的に。
ビールとお酒を飲んだら、最低でも14,000円近くは、いくでしょうし・・・?
なかなか、蕎麦屋でシャンパン飲むくらいのリッチなお財布が無いと、私の様な貧しい庶民には、夢の様な、お店ですねぇ。
うらやましい限りです。
新富町は、会社から近いだけに、残念ですが、いずれ、景気が上向いたら・・・。
誰か、ご馳走してくれないかなぁ。(笑)
昼夜、完全予約制、コースのみ、
なので、ちょろっと寄る前にはお電話して下さいね~。
そして蕎麦打ちを眺めながら、打ちたてのお蕎麦を堪能する…。
贅沢なひと時をすごさせて頂ける空間でした。
全然知らんかったですわ(^-^;)ゞ
今度ちょろっと行ってみます。
こんな時間の過ごし方はいいですね
私もカウンタ好きなので、こういうのは、座った途端にうれしくなります。
筍♪♪
これが、もう、美味しくて美味しくて…。
一年間、恋い焦がれて待っていた味わいが…。。。
(小さい頃からいやというほど食べてきたのに、どうしても筍は好きでたまりません)
姿形で、見抜きましたかっっ。
こちらの、矢守さんは、石谷さんととても仲良しなんですよ(^^)。
お一人様でも大丈夫ですよ~。
でも、そんな、ひとりはなれて、なんてお寂しい。
私がぜひ♪
行かれていないのですが、原宿の日本料理「一凛」
のカウンターテーブルがでかくて気に入りましてね、
こちらはなれのそれも広々してて居心地が良さそう。
それにしてもほたるイカの旨そうな和え物を
食べているだけでも羨ましいのに、もう筍とは。(^^)
旬を先取りした人には何かいいことがあるのかな。
石臼発見しました。
私にも作ってください(願)
細かくしか挽けない臼で何とか
手挽き風の粗さを出そうと努力している
様に思えるが・・・
お一人様では 行けないのかな?
皆と一人はなれて!と、おっさんギャグで
さすがにしめたりして(笑)
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