「一度訪れてみたい」とのK様をご案内して、立川「無庵」のお昼のご膳を頂きに 。
一人でしか訪れた事がなかったので、とても楽しみ。
立川北口、伊勢丹の横の細い路地の中にひっそりと、威厳ある風格携えた佇まい。
「立川に無庵あり」、自ら語るだけある貫禄さえも感じられる…。
立川 「蕎麦懐石 無庵」
いつもはふら~と立ち寄る私だけれど、今日はきちんと予約を入れて。
入るとすぐ迎えてくださる花番さんに名前を告げると、奥のテーブル席に通される。
午後12時ちょうど。まだ開店して30分というのに、広い店内はほぼ満席。
さすがだ…と、改めて思ってしまう。
今日は一度頂いてみたかった、コース料理の「お昼の蕎麦遊膳」を予約してあるので、あれこれと迷うことなくまずはビールで乾杯を。
ビールは恵比寿。
一緒にすぐ出された前菜の「蕎麦豆腐」。
まったりとろりとした風味豊かな蕎麦豆腐には、とろりとした湯葉餡がかけられ、上には贅沢に白子のトッピング。
この餡が上品でとても美味しく、早速ビールから日本酒に切り替えて。
選んだ「奥能登 白菊」は、軽やかでありながら旨みのしっかりと感じられる美味しいお酒。
それをしばし楽しみ、その後で「久須玉」をぬる燗でお願いすると、お猪口まできちんと暖めて出してくれる配慮がうれしい。
きちんと食べ終わる頃合を見て出された、大皿に盛り付けられた「季節の点心」。
焼き味噌、銀杏、むかご、鮎の山椒煮、揚げ栗、蕪の漬物に、牛蒡の旨煮。
まずは、小さな杓文字に焼き付けられた「焼き味噌」を頂くと、赤味噌仕立ての焼き味噌がしみじみ旨い。葱の小気味いい歯ごたえに、味噌の風味が香ばしく、日本酒にこれとない充て。
焼き栗はよくあるが、珍しい揚げ栗。
ほこほこっとした栗に、ほんのりかけられた塩が甘みをぐんと引き立てている。
鮎はほろっとこぼれるかのように柔らかく、ふっとよぎる山椒の風味がいいアクセント。
牛蒡の味付けも美味しいな~・・・
そしてこれも揃って食べ終えるのをきちんと見計らって出された、「季節のサラダ」。
シャキシャキとした味付けされた舞茸が添えられ、野菜のどれもが瑞々しい。
さすが、相模湖に無庵ファームを持ち、無農薬で栽培された野菜だと納得。
さらに、このローストされた秋刀魚が非常に美味しい。味付け、焼き加減が絶妙で、これはもう日本酒にたまらない。
最後のお料理は、粗塩を添えて出される「天ぷらの盛り合わせ」。
小さな薩摩芋を枕に、春菊、エリンギ、キスが、サクサクっと揚げられた美味しい天ぷら。
一連のお料理に、楽しい会話を楽しみ・・・
「お蕎麦になりますが、よろしいでしょうか」
の合図で、いよいよ最後のお蕎麦が出される。
八ヶ岳山麓の玄蕎麦を手挽き自家製粉した生粉打ち蕎麦。
手繰り上げると、ふわ~っとたまらない芳しい香りが豊かに漂う。
口に含むとたおやかな蕎麦は、味も濃い。やや短めなのが気になり、腰もやや弱いような気も…。
と、そういえば、生粉打ちよりもせいろの方が私は好みだったのを思い出し、二人で取り分けて頂こうと、「せいろ」をも一枚追加でお願いすることに。
「今丁度、追い打ちしているところなので、少々お待ち下さい」
と、しばし待って出された打ちたての「せいろそば」。
角が立ち、ぴんっと盛られた蕎麦には、ところどころに混じる蕎麦の欠片。
これを手繰り寄せると、次第にふわ~と醸し出す香りに、うっとり。
口に含むと、しなやかさがありながら、しっとりとした腰が心地いい。
これだこれ!
この蕎麦が無庵さんの蕎麦、と思える絶妙な腰加減、舌触り、それに爽やかな喉越し。
噛み締めると、深く滋味なる香ばしい風味がじわ~と広がってくる。
やっぱり、美味しい・・・
改めて実感する、せいろそば。
さらに漬けるの忘れてしまいそうだった、汁が又美味しい。
きちんととられた出汁の香りのまろやかでありながら力強い汁。
最後にナチュラルでさらさらとした蕎麦湯を注ぎ頂くと、す~っときれいに伸びる汁に、改めて旨さを実感する。
「旨かった」というk様の言葉をうれしく聴きながら、蕎麦湯を頂いていると・・・、
最後のデザート「蕎麦がきぜんざい」が出される。
もっちりとろ~とした蕎麦掻は、口に含むとふわりと溶けるよう。
これだけでも蕎麦の風味が十分に濃く美味しいのだが、その上にかけられた小豆餡が又実に旨い。
お腹もいっぱい~の、もう~すっかり大満足
一つ一つの空間どれもが、絵になるようなお店の中もぐるりと見渡し、
至福のひと時を思い起こし、感じ入る。
にこやかでいて、的確な接客の花番さんの応対も気持ちよく、
やはり、「無庵」は素晴らしい…と改めて。
ご馳走様でした~
来週あたりから、こちらも新そばになるとのこと。
又、ふらり~とも訪れてみよう。
K様、今日は本当にありがとうございました
*お昼の蕎麦遊膳 3,500円
品書きの詳細など
「蕎麦懐石 無庵」
立川市曙町1-28-5
042-524-0512
11;30~14:30 / 17:00~21:30
日曜、第1月曜定休日 禁煙
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蕎麦が美味しいだけ(でも、まあいいのですが)
それだけじゃくくれない、そんなものが蕎麦屋で憩うにあると思っています。
反対に、蕎麦はまあ、そこそこでも、何というか、とても幸せにしてくれる、そんなお店もありますよね。
もちろん、蕎麦の旨い不味いの基準も、人それぞれ、好みもそれぞれ。
そんなところに・・・、惹かれながら、又お蕎麦屋さんの暖簾をくぐっている私がいるんだろうと思います。
お、こちら「つれづれ蕎麦」はひめはるぜみさんの巡回ポイントのひとつなんですね。(^^)お返事ありがとうございます。
なるほど描写に料理に対する愛情が感じられると、お、自分にもよくしてもらえるのかな?ということが予感され、心地がいいかも知れませんね。
>yukaさん
あらためてはじめまして。蕎麦屋って料理だけじゃないですよね。居心地がいいかどうか、まったりとできるかどうか。だいぶあちこちのお蕎麦屋さんへ足を運ばれているようで。これから読ませて貰いますね。(記事をアップしとくのでもしよければご覧になってください)
私こそ、ひめはるぜみさんのブログもとても参考にさせてもらってます。とてもわかり易くて素敵なブログで。
これからもよろしくお願いします♪
はい、この「ゆるゆる」とした時間をまったりとすごす、
これはたまらないですよね。
しかも昼となると、またその味もひとしお。
なんだか私もうれしいです。
それはそうと・・・
岡崎さんのお写真のなんて美しいこと!
こちらの記事も楽しみにしています(^^)
yukaさんのこちらの記事で予習してから
今日行ってきたんですよ。鰊の旨煮を
一番気に入りました。
おっしゃる「ゆるゆる」とあれこれに舌鼓を
打ち、最後は蕎麦で〆る、そんな贅沢な
時間の過ごし方を教えていただき、
ありがとうございました。
「凪」!
まだ伺ってませんでした!
確か、多摩らびか、立川ウォーカーかで見ていたのですが、焼酎のお店なのかと・・・。
暖かいお蕎麦があるんですね♪
今度、立川に行ったときには寄ってみます(^^)。
お味は大丈夫みたいですね。
立川といえば
yukaさんは凪には行かれました?
ラーメンじゃなくて日本蕎麦のほうです。
暖かいお蕎麦があるんで
さむい日はつい、無庵より凪へ
ふらふらと・・・
まだ、どこかで再開してもらいたい、と思っています。
私も無庵に夜は行ったことはないのですが、ぜひ、こちらのお料理頂いて見てください。とてもよかったです(^^)。
おられましたよね?
自分的には、今まで食べた中では
無庵が一番、近いか、と感じます
立川で働いてるんで
無庵はランチで行きますが
今度は夜も行ってみます
カッコイイ!んですよね~、このお店って本当に。
絶対相席にしない心遣いもよく・・・。
はい、私も、1時過ぎ、
お客さんがまばらになったころに、一人で杯傾け、ゆるゆると・・・
ここでのそんなひと時も、大好きです。
写真に見とれてしまいましたよ、ほんと。
これは、写し手の腕のよさでもあり、どう写しても(失礼!)
綺麗に様になってしまうという供するお店側の素晴らしさでもあるのかと・・・
やはりカコイイッ!!ってかんじ、かな?
なんか宴会向きのお店なんだけど、込み合いの時間を
外して、ぽつんと盃傾けるのが好きだな。
そうですよね♪
私も、好きなお店なんです(^^)
そうそう、東村山の古民家のお店のご主人は、こちらで修行なさったんですよ♪。あと、五日市の古民家のお店も、です(^^)。
ぜひ、私も楽しみにしています♪
本当に・・・、
あの打ちたてのせいろがよかったです♪
お料理もいろいろ頂けて、うれしく思っています。
又、ぜひ♪
どうりで、季節の点心の内容が以前とやや赴きが違うのと、盛り付けが変わったという印象がありました。
ところで5段階の5のクラス、というのは、一番上?下?どちらの意味なんでしょうか?
私は、やっぱり無庵は、好きです(^^)。
yukaさん記事で行ってみたいお店
1番は東村山の古民家のお店、
2番か今回のお店でーす!
後からのせいろが美味しかった。
打ちたてだったから、最初香りが薄かった
けど、少し乾いた頃よい香りが立ちましたね。
つなぎ一割くらいだろうけど、腰の頃合い、噛み味がよかった。
もちろん、料理も丁寧に作ってあるし
秋刀魚のオイル焼き添えサラダ出色でした。
また、行きたいところですね。
今の方になってから、十割はは確かに短めです。
でも、私は東京でここの蕎麦は5段階で5のクラスにいれているのですが、どうでしょう。
十割が二八と同じになったらおそらくトップクラスに肩を並べると思うのは、地元に近いからひいきしていますかね?(笑)
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