せっかく池袋にいるのだし、と、ずっと行ってみたいと思っていた蕨に向かってみることに。アド街に出たけど、そろそろ落ち着いたころかな・・・。
初めて降りる蕨の駅東口から、程近く。商店街から一本隔てた通りから、ちょっと入った路地の角に、しっとりと落ち着いた和の佇まい。
蕨 「手打ちそば 玄 田むら」
昼ちょっと過ぎ。扉を開き入った店内は、外から感じた以上に素敵な空間。
入ってすぐのところには、センスよく飾られた活け花。ゆったりと広がるフロアには、柔らかな照明が灯され、テーブル一つ一つに暖かなスポットライトが落とされている。
モダンに作られた飾り壁に面して置かれた大テーブル、その反対側にはテーブル席が4つ程。近所の方と思われる方々が何組か、お昼のひと時をゆっくりと寛いでいる。
「空いているお席にどうぞ~」と、笑顔で通され、テーブル席の一つに腰を落ち着けると、途端にふっと安らぐ気持ちになる心地よい空気。
出されたお茶とお絞りを出して頂く頃には、すっかり居心地よくなってしまい、置かれていた品書きを広げゆっくりと吟味。
お蕎麦は、せいろにうれしい「粗挽きそば」。それに、「蕎麦屋の一品」と書かれたお料理が、豊富に並ぶ。お酒も新潟、伏見のお酒が揃っていて、見ていても楽しい。
お隣のおば様方も、ビールを頂いているみたいだし・・、私もちょっとゆっくりさせて頂こう~と、中から名前に惹かれて、新潟のお酒「底ぬけ」を一合を。快く笑顔で受けて下さる、若奥様の接客が又うれしい。
手にしっとりとする陶器の片口に注がれたお酒は、すっきりとした辛口。突き出しに出された角切りの揚げ蕎麦が、とても軽やかでお酒にもいい。
それと・・・、山形で食べてからすっかり気に入ってしまい「にしん棒煮」と悩んだけど、お隣の方の天ぷらがとても美味しそうだったので、「小えびの掻き揚げ」をお願いする。
程なくして出された掻き揚げは、さっくりとした衣に包まれ、オクラ、椎茸の天ぷらに、熱々の天つゆが添えられて。
箸を入れると、ほろっと崩れる衣がさくさくっとし、中にはごろごろといくつもの小海老が込められている。この衣に包まれた海老が美味しい 。
衣のさくさくとした歯ざわりもよく、油っぽさの感じない軽やかなもの。ここの天ぷらも美味しいな~
この空間を楽しみながら、ゆっくりと頂くお酒に掻き揚げ。
もっと、ずっと座っていたいような気持ちになるのを抑え、玄蕎麦を直接農家から仕入れ、自家製粉しているという、楽しみにしていたお蕎麦を。
せいろとの相盛りの「味くらべ」にしようと思ったが、とにかく「粗挽きそば」を堪能したくて、「粗挽きそば」をお願いする。
頼むとすぐに、お盆に蕎麦徳利に猪口、そして薬味に、生山葵とネギ、大根おろしが出される。
山葵にはうれしい、鮫皮の卸がね。
摩りつつちょっと舐めてみると、この山葵が、旨いっ。
どこのかな・・・。
と、奥から水を切る音がかすかに聞こえ・・、目の前に置かれた「粗挽きそば」。
これは、美しいっ!。瑞々しく輝く蕎麦は、挽きぐるみの濃いグレーの蕎麦。その表面には、びっしりと蕎麦の星が散りばめられ、角のキリっと立ったりりしい面持ち。
姿だけでうっとりしながら、手繰り寄せると香ばしい深い香りがダイレクトに伝わる。
口に含むと、やさしく掠めていく蕎麦のざらつき。かみ締めると、しっかりとした腰が歯を押し返し、ふわりと漂うしみじみとした穀物の風味。うれしくなり、夢中で食べ続けると、その風味が次第に増し、蕎麦の旨さでいっぱいになってくる。
こ、これは、美味しい~っ。
私の好きなタイプの蕎麦に、すっかりうれしくなり、いつまでも食べていたいような気持ちを感じながら、あっという間に食べてしまう。
汁も甘辛のバランスの取れた、まろやかでクセのないもので、蕎麦との相性もいい。添えられた大根おろしを加えるとさらにアクセントが加わり、この粗挽きにはぴったり。
頃合を見て出された蕎麦湯は、ナチュラルに白濁した熱々のもの。注ぎいれ頂くと、きれいに伸びる汁をたっぷりと頂く、最後の幸せ。
すっかり堪能し、お勘定をしつつお聞きすると、新蕎麦もちょっと含まれた北海道の蕎麦、外二で打っているとのこと。時期により、茨城の蕎麦も使うそうで、新そばがどんどん南下してきたら、ますます楽しみ 。
始終気持ちのよい笑顔で接してくれる奥様に、凛々しい素敵なご主人。居心地のいいお店に、旨い蕎麦。こんなお店が近くにあったらいいなぁ~と、思ってしまう。
とはいえ、意外に近かった蕨駅。
又来たいな・・・と、思いながら、ご馳走様でした~
*お品書
せいろ、かけ 730円、粗挽き 840円、味くらべ 1,050円
おろし 950円、とろろ 1,100円、鴨汁 1,260円、野菜天せいろ 1,260円、天せいろ 1,470円、ぶっかけ 950円、揚げもちそば 1,050円、なめこそば 1,050円、鴨南 1,360円
焼き海苔、焼き味噌 320円、焼ききつね、なめこおろし 420円、板わさ、山芋千切り 550円、にしん棒煮 630円、玉子焼き 680円、やきとり、竜田揚げ 780円、鴨の柳川 1,000円、鴨ロース焼き 1,200円、わんがき 850円、そばチーズ焼き 1,000円、小海老の掻揚げ 630円、天ちら 2,100円など
底抜け、あとひき、おっとっと、ちびりちびり、元酒、鬼万歳、褒紋正宗、越乃雫、なみなみ、など 一合630円~
手打蕎麦切「玄 田むら」
埼玉県蕨市塚越2-3-8
048-447-5676
11:30~14:00 / 17:30~21:30
(土日祝)~15;00 /17:00~21:00
火曜定休 禁煙
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ほ、本当ですかっ・・・(大泣)
ざ、残念です。。「休日の温泉と蕎麦」の本を見て、行きたいと思っていたのに・・。
情報、とてもありがとうございます・・・。
よく見れば、貼り紙の痕が残っています。
何と書いてあったのかは分かりませんが、いまだに開かないので、閉店されたようです。
これからって思っていたのに残念です。
私は、とてもおいしく頂けて、うれしい思い出帰ってきました。でも、また訪れてみたいです。
>私の好きなタイプの蕎麦に、すっかりうれしくなり、いつまでも食べていたいような気持ちを感じながら、あっという間に食べてしまう。
よかった、よかった。
1度目がまさにこの蕎麦でしたが、2度目は友人と一緒に行ったのですが期待が外れてしまいました。産地、環境に因るのでしょうが、いい蕎麦に巡り合うと嬉しいですよね。
成る程・・、野菜天ぷらに・・・。
天ぷらもとても美味しかったので、次回はそうして頂いて見ます♪
(油揚げも好きなので、焼ききつねも気になっています~)。
こちら、とても気に入ってしまいました。
そういえば、「おお野」さんも蕨でしたね♪
これは迷ってしまいそう~。
そちらにも是非、伺ってみたいです。
ここなかなかでしょ?私の定番だと野菜天せいろを天ぷらだけ先にもらって酒のあてにして、蕎麦はお声掛かりにしてもらいます。こんでいてもこういうわがままも聞いてもらえるのがいいです。
あと駅からちょっと遠いですが、西口から徒歩15分位のところに「おお野」があります。こちらもなかなかでっせ。次回お越しの際は是非。
結構、堂々と撮っていたのですが、特別何もなかったのですが・・・。
平日の昼下がりには、ちょうどいい人の入り具合で、とても心地がよかったです。しかも、お蕎麦、美味しい~んですもの、近くに欲しい!と思ってしまいました。
あんこと蕎麦掻・・、是非、食べてみたいです♪
近かったらもっと通うと思いますが中々・・・。
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