久しぶりに訪れた小布施は、やぱっぱり素敵な、そしてかわいらしい町並み。古い蔵作りがところどころに残り、小さな小径や情緒ある民芸調のお店が点在して見ていても楽しい。
その小布施の町の中心部から、ほんの少し離れた果樹園の通り沿いに、いきなり「せきざわ」が見えてくる。足元の低い位置に、手掘りされた看板がお出迎え。
信州小布施 そば 「せきざわ」
去年の年末に移ってきたばかりのお店は、角材をふんだんに使ったロッジをちょっと思わせるような雰囲気。
ゆったりとしたアプローチを通って入り口へ。
箕輪にあった頃からずっと来てみたくていたお店。
まだ新しい白木の引き戸を開け中へ入ると、ほお~・・とするくらいの、檜の心地いい香りに包まれる。(お風呂やさんみたい・・?) 靴をぬぎ、スリッパに履き替えて店内へ入ると、どこかの別荘のリビングのような、木で囲まれた広く明るい店内。まだ目新しい木でしつらえた調度品が、目にまぶしい。
大きな窓からは、まだ植えたての木々が眺められる。これが次第に伸びたら、又素敵なんだろうな・・・。
壁ぎわには、暖炉。
そして、ゆっくりと贅沢に配された、これまたゆったりとしたテーブル席が点在する。
「自家栽培、天日干し、手刈り、完全自家製粉、生粉打ち」
なんて贅沢な蕎麦だろうか・・。
そしてその蕎麦は、生粉打ち、変わりそば、粗びき蕎麦の三種。種物や、一品料理も充実してる。
今回は初めてなので、3つの蕎麦が頂ける「三昧蕎麦」を。
頼むとまずは、表の看板と同じロゴの、「せきざわ」の名入のお盆に載せられて、蕎麦とっくりとちょこ、薬味のねぎと山葵がおかれる。
待つ間に、ちょっと舐めてみた蕎麦つゆは、鰹の出汁の旨さが豊かに香るまろやかなもの。
そして・・、まずは「生粉うち蕎麦」から。
四角の蒸篭に盛られた蕎麦は、緑がかった細切り。切り口のエッジが鋭く、見ただけでそそられる。
口元に寄せると、蕎麦の滋味な香りが非常に豊か。思わずうっとり・・。
しっくりと歯に返る腰、それをかみ締めると、濃い蕎麦の風味がじわりと・・。
お、美味しい~っ 。
蕎麦のしなやかさを持ち、喉越しもいい。
つゆとのからまりも抜群だ。
そして、次に変わりそば。今日は「生一本のさらしな」とのこと。
目の前に置かれた瞬間、はっとするような、透明度のつよい更科。
さらしなの美しい白さは時折見かけてきたけど、これは・・、白いというより、透明な蕎麦。
口当たりがとても滑らかで、それいて押し返してくる腰が気持ちいい。
ぷりぷりとした感触で、甘みを豊かに感じさせてくれる。
続いて・・、特に楽しみな「粗びきそば」が。
生粉打ち同様に、緑がかった蕎麦。
気持ち生粉打ちよりやや太めで、こちらの切り口もまた非常に鮮やか。
いわゆる粗挽きの星が、こちらは同色に近い粒々で表面に散る。丸ヌキを粗挽きにしたとの事で、口に含むと時々掠める欠片。
そして、この豊かな蕎麦の風味・・!
野趣たけた粗挽きというよりは、上品に香る蕎麦。
なんて・・・、素晴らしい。
非常に満足の行く一連の蕎麦。さらにさらに、欲張りになって、かけそばまでも食べて見たくなってきている・・。んー、小布施がもっと近ければいいのに。と、切なくおもってしまう。
出された蕎麦湯は、ナチュラルなもの。
終焉を思うように、しみじみと頂きながら、改めて品書きをめくる。手書きで書かれた和紙の品書きは、見ているのも楽しい。
単品ももとより、こちらの三昧のセットはいろんな組み合わせがあるのがいいなぁ。
温蕎麦と冷たい蕎麦のセットあり、鴨汁のセットあり、醍醐(大根のしぼり汁)とのセットあり、そばがきとのセットあり・・・。まだまだ、何度か通ってしまいたい。
はぁ~・・、なんて濃い一日だったろう。
ごちそう様でした。
そして、忘れずにいたい・・・、いや、忘れる前に、又きっと訪れよう♪。
そしてそして・・、運転、ありがとうございました 。。
*お品書き
もり、変わり、粗びき 各750円、醍醐 850円、とろろ 950円、天ぷらもり 1,600円、
かけ 750円、卵とじ 900円、しいたけ 1,100円、鴨南蛮 1,500円、そばがき 1,000円
三昧蕎麦 1,400円、とろろ三昧 1,600円、温かけ三昧 1,550円、茜三昧 1,800円~
「そば せきざわ」
小布施町中松872-9
026-247-5652
11:30~14:30 / 17:30~19:30
火曜夜・水曜休
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是非是非!
はまりますよ~・・・(^^)
私も移転前から行ってみたいと思っていた店。
これは是非行かないと!
蒔・・・、ということは、Prison様は冬の開店そうそうに訪れているんですね♪
鴨抜き・・、これは、ゆっくり訪れないと、全部食べきれないです~・・・
(どれから食べようっ♪)
本当にくつろぎます。
と、鴨ぬきもお勧めです。梅がアクセントだな。
私も、すっかりファンです。
早くも、また行きたいくらい。。
僕もファンです。
洗練されたそば粉の香りが印象的ですよね。
Zukunasi
平日だと、関越はかなーり調子よく、スムーズに行けたのもよかったんだと・・、
全快?んー、それには、もうちょっとです~。
都心を歩き回るのに比べれば、車移動は、やっぱり今の自分には、可能だから・・(^^;
小布施には!
栗の時期にも、又行きますっっ♪
練馬からだと関越、上信越道は便利なのですが、日帰りは思いつきませんでした。
こんなハードな旅に出るということは、ほぼ全快ですね。
ええっ、やっぱり、「かけ」が・・・(>_<)
しかも、蕎麦湯を飲みながら、落ち着いて品書きを眺めていたら、そうなんです、そうなんです、「とじヌキ」があるじゃありませんかぁ。
これは、ぜひ、又伺わなくちゃならないですっ♪
「郷土食堂」も行きたいの。
今度は、じゃっ☆、「郷土食堂」とペアで行ってみようかしらん(^^)
そのときこそは・・、助言をお聞きしてから向かいます!
私は、前のお店にはとうとう行くことができずにいたのですが、
本当によかったです。
ご主人にお会いすることはできなかったのですが、
あの蕎麦に出会えたことは、とてもうれしくて。
又必ず行きたいお店です。
足の方も復調してきたようで、一安心です。
早く全快すると良いですね。
清々しいお店でしょ?
正直に言ってしまうと「かけ蕎麦」を外したのは、残念の一言。
せきざわさんでの一番のイチ押しです!!
次回は「もっきりやのとじ抜き」と「本日のおまかせ」「かけ」・・・鴨焼きもこれまた美味いんだな~・・
色々試して楽しんで下さい。
じつは、もうすでに小布施は二回行っちゃいました・・
その時は「郷土食堂」で笹ずしをお土産に買って帰りました。ここも面白いですよ、薬味に何とアサツキの実がおいてあります。こいつをボリボリ噛りながら蕎麦をズズ~ッと手繰るんです。これも一度お試しあれ。
新しい店もその姿勢がそのまま出ているようですね。いつか是非行ってみます。
私もほかの人のブログで、この組み合わせ読んだら、絶対に、「贅沢すぎっ!」って思っちゃうと思います~。。
思い切ったトリップ。
よかったです♪♪
しかし、なんと贅沢な旅。。。これが日帰りとは、、
ほんとうらやましいです。
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