そろそろ２時になろうとする店内は、
昼時の喧騒も過ぎ、落ち着いた静けさが漂い…

迎えてくれた職人さんも、
無駄な愛想がないのも気を遣わなくていいところ 。



空いているテーブルへと向かいつつ、
あるあるある
壁に下がった短冊品書きに、お目当ての「茄子の冷かけ」



腰を下ろした途端に、吹き出す汗をハンカチで押さえ、
まずは、お蕎麦の前に一呼吸。



ずらりと並ぶお酒のリストから、
「飛露喜」特別純米酒。



充てに頼んだ「ひじき煮」は、ほんのりと温かく、
味がしっかりと沁み、上品な味わい。
こういう、きちんと美味しい「おばんざい」がとてもうれしい 。

ちびりちびりと盃重ね、
次第に汗も落ち着いたところで…



早速お願いした、「茄子の冷かけ」



んんん～、置かれただけで、
目を通して旨さが伝わる、この景色 。



早速口に含んだ汁は、はぁ～っ、美味し～い 。

しっかりとした鰹などの出汁が染み、
じんわりと鶏そぼろのコクがその中に溶け込んだ、
味わいの深い、旨みに満ちた冷かけ汁。



中の蕎麦は、キュっと締り、心地のいい腰があり、
出汁と共に広がる、馥郁とした蕎麦の香ばしさ。



美しき翡翠の茄子は、とろ～り。
齧りつけば、じゅわっと滴る、
たっぷりと吸った出汁に、茄子の甘み 。



ほんのり甘めに炊かれた、ほろほろの鶏そぼろが、
ここに、ぐっと旨みを加え、
甘酢漬けの茗荷が、絶妙なアクセント 。

どこまでも計算された、旨みのトライアングル。
汁をすくい、蕎麦を手繰り、茄子をほうばり…、
すっかり夢中で、汁まで飲み干し、は～、至福 。



頃見て出される蕎麦湯は、趣深い、南部鉄瓶。



しっかりと白濁した蕎麦湯を、
最後に、ゆっくりと頂いて・・・

ご馳走さまでした～

実に満足度の高い、冷かけそば。
これも、毎年忘れずに食べたいなぁ

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