千葉にも在来種があったとは…!。
70年前に絶滅したと思ったそばの実がひょんな事から見つかり、
少しずつ増やして、今その蕎麦を出しているお店があるそう 。
収穫量はまだ少なく、千葉でもたった一軒のみ。
「千葉在来種」、食べてみたいっ 。
急遽、いつものメンバーで話が決まり、
リハビリ兼ねて、プチ蕎麦遠征~。
千葉県稲毛市、頭上に伸びる、「千葉モノレール」の下の通りに、
ひらひらと靡く旗に心トキメク、
「まぼろしの蕎麦 千葉在来」
その後ろにさりげなく、上品で風情あるお店が佇んでいる 。
稲毛 「お蕎麦 遊蕎心 㤗庵」
扉を開き入けば、明るく清潔感漂う、
落ち着いた和モダンの、品のいい素敵な店内。
窓際の大テーブルには、「予約席」の札が置かれ、
奥に向かって、ゆったりと作られたカウンター席に、
通して頂いた、その後ろの掘り込みの小上がり席。
にこやかに暖かく迎えて下さる女将さんに、
そっと顔を出してくれたご主人は、豪傑そうな男前。
気温36度の今日、まずはビールに、フリーで乾杯~。
細かな泡立つ、陶器グラスで頂くビールは格別。
喉を潤わせ、品書きを手にすると…
これはすごいっ、「本日のセイロ」がなんと5種類 。
中には「三色セイロ」や、「鴨汁」、「天付き」などもあり、
暖かい蕎麦に、季節限定の「夏の蕎麦」。
…その前に、せっかくここまで来たからには、蕎麦前も
入った時から気になった、ずらりと貼られた地魚料理。
釣りが趣味だというご主人、千葉の地魚を頂こう
まず届いたのは…、
「昨日、釣ってきたんですよ(^^)」とにこにこと出してくれた、
「店主つり 真鯛のハーフ&ハーフ」。
ピチピチっとまだ動きだしそうな新鮮真鯛のお頭付きに、
真鯛の天麩羅の盛り合わせ 。
さっと炙られた皮は香ばしく、透けるような身はしっとり。
上品な甘みが広がり爽やかで、
塩昆布が絶妙、思わず皆声が洩れる程 。
さっくり軽やかに揚がった、天麩羅も又、絶品 。
ふっくらとした肌理細かな身は、ほろっと崩れる程ふわっふわ。
ん~、これは旨いっ、やっぱり鯛は魚の王様だ 。
うれしくほうばりながら、急いで、お酒を 。
見せてもらった、お酒のリストも種類豊富、
中でも、奥様の出身地、奈良のお酒が多い中…
まずは、地元千葉の酒、「聖泉」を 。
氷を貼った桶に竹筒の酒器、風流な演出もうれしく、
さらに、千葉と言ったら、やっぱりイワシ、
幾つものイワシ料理の中から、まずは「イワシのお造り」
、
しかも今日のイワシは、「入梅イワシ」
1年の中で一番脂がのって美味しいのだそう 。
さっと酢粗いされたイワシは、銀肌輝き、身にはじわりと脂が浮き、
臭みまったくなく、口にいれた途端に溶ろけるよう。
確かに、こ、これは鯛にも負けない美味しさ 。
「イワシの大葉素揚げ」は、骨煎餅付き。
表面カリっと中はふっくら、脂の乗ったイワシに、
大葉が後にふわっと香り、これも又とても美味しい 。
間に、蕎麦屋の一品料理も幾つか。
「そばどうふ」は、ぷつぷつと蕎麦の丸抜きが埋まり、
大豆の味濃い美味しい豆腐に、蕎麦の実が香ばしく、
「ワサビ菜」は、ツーンとした辛さが辛辣、旨いっ
最後は、「自家製おそば屋の やわらかチャーシュー」
分厚いチャーシューは、ほろっと崩れるほど、とても柔らか。
口の中で蕩ける豚肉の旨みに、思わず顔がほころぶ程。
返しのタレが絶品、これも素晴らしく美味しい 。
奈良の「篠峯 遊々」、「神韻」をお替りをして…
いよいよ、お蕎麦を、5種類すべてお願いします
まず出されたのは、「極上白雪」 十割そば。
極細繊細、透け輝く姿は神々しいまでに美しく、
口に含めば、ふわりとたおやかで、ほろろっと溶けるよう。
腰があるのに、羽毛の如き軽やかで、
後に、甘みがほわ~と染みてくる。
鰹出汁利いた、薄めの汁がこの蕎麦にぴたり。
この白雪、素晴らしい…
続いて出されたのは、まぼろしの「野田在来」
ぬき実の本粗挽き 二八そば。
手繰り上げた途端に漂う、野生味溢れた力強い香り、
まさにお餅のような、粘りのあるもちもち感に、
喉元からぐわ~と込み上げる、生命力みなぎる濃厚な味わい。
思わずのけぞりそうになる、大地の味わい。
こ、これはすごい、たまらな~い
3枚目「田舎」はやや太め、玄そばの二八そば。
北海道キタワセ、心地良く肌を掠める欠片に、
野田とは違う、もちもち感。
ナッツ系の甘みがあり、うんうん、これも美味しいなあ 。
4枚目、細打ち十割は、再びの「野田在来」
細挽きでも、もちもちの粘りは、実に独特。
飲み込んだ瞬間込み上げる、
ワイルドなこの香ばしき味わいに、再びのけぞりそう…
最後は、ぬき実甘皮、「極上粗一本挽き」
これは、又粗いっ、ぷつぷつとしたダイレクトな粒感に、
噛みしめるとむっちりとして、
ふっくら馥郁とした香ばしさと甘みが混然となり…
ん~、これも、とても美味しい 。
それぞれ見事な打ち分けた蕎麦に、
野田在来の力強い味わいに、すっかり感動…
そっと出された蕎麦湯は、とろりと濃厚。
滑らかでクリーミィ、風味が濃く、これもたっぷり頂いて・・・
ご馳走様でした~
気さくで快活なご主人に、暖かにもてなして下さった奥様、
念願の「野田在来」の貴重な味わいを堪能した上に、
魚料理までたっぷり頂け、幸せいっぱい。
もっと近ければ通いたい、と惜しまれながら、
又ぜひ、訪れますっ
「お蕎麦ば 遊蕎心 㤗庵」
千葉県稲毛区作草部1-9-14
043-256-2828
11:30~15:00 / 17:00~22:00
月曜は昼のみ
火曜、第1,3月曜定休
禁煙
P4台
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とっ、溶けるとはっ…!!!
びっくりしました。
そんな事があるなんて、
これもいろいろな地球の汚染とかの影響もあるんでしょうか…
野呂在来、とても力強くて美味しかっただけに、
来年は食べられないのかと思うと残念です。
そして又、
こんな環境に強い品種ができてくるんでしょうか。
それがいい事なのか、なんなのか、
分からないです。
出来具合が良い悪いだけではなく、収量そのものが少ないのです。
これは私も一応作っていますから(^_^;)身を以てわかります。
花が咲くまでの秋ソバは順調でしたが、昨年より少ない発生数であったにかかわらず、台風が随所に悪影響を及ぼし、とうとう北海道までもが被害減産に追い込まれました...
被害の大きいところでは根こそぎ!!って感じもあります。本州では、時期的に花が第一段階終えて結実しつつあるところつまり第二段階の花が盛りから結実に入ろうか、そして第三段階の花が咲こうか・・・
そんなタイミングで複数の台風が、風なり雨交じり、両方混じりで次から次と押し寄せてきました。
またよくある虫(ヤトウじゃない、「ヨトウムシ」とか (笑;))の被害もあるようです。
でも、私は台風の潮風被害で花や草体が溶けたのには愕然としましたね・・・(・。・;;
栽培している方々にはお分かりいただける被害の一つです。
地球全体が同じ病に侵されているなら、一致団結を呼びかけたいと思います。
はい、そうだったようなのですが、
改名したようなんです(´・_・`)
いろいろあったようで…
イロイロあったようで…(^^;;
ほんとうに、
できれば、実で欲しいですよね!(よしのさんなら…)
http://www3.ocn.ne.jp/~daiwa243/13.html
をご参照いただければ、
「野呂在来」
が元々の名称であったことがお分かりいただけると思います。
「野田」ではありません。なんか悪い思い出が(・。・;蘇りそうで(笑)
粉が入手できるそうなので、自前で打つのも考えないでもありません。本当は玄蕎麦か丸抜きが欲しいところです。
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