お店の横に取られた駐車場に車を停め、
扉を開き入ると、すぐ目の前には打ち場があり、



その横にそっと置かれた、「本日の蕎麦」の産地がずらり。

中への扉を開き入ると、和やかな空気に満ちた店内。
休日の1時過ぎ。ご近所の方々だろうか、ご家族連れに、ご夫婦などなど。

すっきりとまとめられた、和モダンの店内は心地よく、
運よく空いていた、ゆったりとしたテーブル席に、
「どうぞ～」と温かく柔らかな物腰で迎えて下さるお母様。

にっこりとお茶に品書きを出して下さる、その応対も又温かみ溢れ、
いつ来ても、お母様なもてなしは、本当に心和ませる…



と、心地よくなりながら、早速開くお品書き。
温蕎麦での「茄子のそぼろあんかけそば」がとても美味しかったので、
「冷やしナスのそぼろあんかけそば」も気になりながら…



店内にかかった、季節の品書きを見ると…



おっ、去年の夏感動した、あの「トマトスープそば」がもう出てるっ。



…が、品書きの「土日限定」の「田舎そば」に目が留まり、
トマトそばは、平日でも食べられるとなったら、今日はこれだっ

お聞きするとまだあるそうで、迷わず私は、「二色そば」。
彼は、「せいろ」に「炊き込みご飯」を添えて、早速注文～。

お隣のご夫婦が、仲良さそうに生ビールを乾杯しているのが羨ましく、
又、ここも車でなく訪れたいなぁ、などと思って見ていると…



程なく、目の前に出された二つのお盆。



色姿の異なる「せいろ」と「田舎」が交互に盛られた「二色そば」。
どちらも穀物感溢れた切り口を見せる、端正な細切り。



まずは、福井山室町の蕎麦で打たれた、「せいろ」から。
淡いクリーム色した蕎麦の中に、ところどこに繊細な蕎麦の欠片が散り、
手繰り上げると、ふわ～り、干し草を思わせる日向の香り。



口に含むと、しなやかな心地のいい腰があり、ほろりと落ちて行く喉越しのよさ。
噛みしめると、じんわりと穀物の味わいが口に広がり、旨い。
軽やかで、優しく、するすると入ってしまう「せいろ」に…



北海道雨竜の挽きぐるみで打たれた、野趣さ溢れた「田舎そば」。
その中に、びっしりと蕎麦の欠片が埋まる粗挽きの蕎麦は、
手繰りあげると、北海道の蕎麦らしい爽やかな香りが鼻をよぎる。



噛みしめると、これは濃いっ 。
焙煎したかのような、濃厚な穀物の香ばしさが、じわ～っと口いっぱい。
ほのかに掠めて行く欠片の感触も心地よく、細切りされた蕎麦は喉越しもいい。

野生味ありながら繊細なこの田舎、これは美味しい 。
是非、山室の蕎麦での「田舎」も食べてみたい…
などと思いながら、久しぶりの「さくら」さんのお蕎麦にすっかり夢中。

思ったよりも、たっぷりと盛られた蕎麦に満喫し…、



彼の頼んだ「炊き込みご飯」は竹の子ご飯。（ちょっと味見）
お焦げの部分も入っていて、この炊き込みご飯も美味しいなぁ



と、とろりとして熱々の濃厚蕎麦湯が、又美味しく、
お代わりまでして、たっぷり頂き、二つの蕎麦の余韻に浸り…

お勘定をと席を立つと、打ち場ごしににっこり頬えんで下さるご主人。
「ありがとうございました～」と、心のこもったお母様の声もうれしく…

ご馳走様でした～

おしっ、次回は、絶対「トマトスープそば」を食べに来ようっと

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