又伺いたいな、と思っているうちに…
あれよあれよと言う間に、すっかり「予約の取れないお店」になっていて、
行きたいなあ、ご主人どうしていらっしゃるかなあ、
などと、遠くに思っていたところ…
今夜は、思いがけずのうれしいお誘いを頂けて…
4年ぶりに、ご主人の蕎麦づくしを頂ける
と、心うきうき、駒込アザレア通りを抜け、不忍通りの先の住宅街。
すっかり日の暮れた夕闇の中に、ぽっかりと灯りが程なく見え…
小さな看板だけが目印の、住宅街の中にひっそり佇む、
ご主人の「蕎麦工房」
駒込 「手打そば 玉江」
扉を開き入ると、玄関の裏すぐから立派な石臼がお出迎え。
靴を脱ぎつつ見つめていると、ご主人が出てきて下さり、ご挨拶…、
も、そこそこに、早速始まる、石臼談義
日高の石臼だそうで、御影石の堂々とした立派な石臼。
自分で徐々に目立て、挽き加減の調整などなさっているそう。
その調整具合など、あれこれ見せて頂いて、
通常40メッシュで篩っているとの蕎麦に、早くも期待高まりながら…
皆さん集まっている、すっかり用意されたリビングへ。
テーブルに各々置かれた品書きに、以前来た頃の事を思い出し…
まずは、ビールで乾杯を。
ハートランドはすっきり優しく、鈴製のグラスで飲むビールはさらに旨いっ。
と、喉を潤わせていると、テーブルの隅に置かれた訪露で温められていた…
桐箱に盛られた「板わかめ」が回ってくる。
ぱりっとして、口に入れるととろりと溶ける磯の風味いっぱいの板わかめ。
海苔とは又異なる味わいで、これは、美味しいな~
と、順々に出される「そば焼きみそ」。
しっとりとして優しい西京味噌の中に、蕎麦の実や胡桃がたっぷり。
葱や胡麻など、様々混ぜられ、この蕎麦味噌は実に美味しく…
さっそく、これらを前にお酒に切り替えようと…、
冷蔵庫に入った幾つかのお酒の中から、まずは、出羽桜「一耕」を。
すっきり軽やかで柔らかな口当たりのお酒を片手に、
大皿に盛り付けられた「蕎麦サラダ」。
さらに、これも楽しみだった「蕎麦クレープ」も続いて出される。
うすく焼かれたクレープに、胡瓜に白髪葱、貝割れ大根、錦糸卵。
味付けは、これだけでもつまみたくなる、蕎麦味噌で…
自分でわいわい巻きながら食べるのが、又楽しい
と、楽しんだ後に、ほかほか湯気を立てた「早そば」が
掻き立てのとろ~り柔らかい蕎麦がきに、大根の千切りが混ぜられて、
口にすると、ほろりっと溶ける蕎麦がきに、しゃきしゃき大根が心地いい。
優しく滋味深く、大根と蕎麦がきの相性がたまらない。
はらりとかかった汁が又美味しく、体に優しいこの味わい。
ああ、これは毎朝でも食べたいなあ…
と、知らず知らず、お酒の盃も重ね重ね…
「早そば」でほっこりしたところに出された、
豪華にたっぷり盛られた大皿料理、「鴨の南蛮漬け」。
南蛮酢の優しい酸味が、鴨の臭みを全く消し去り、さらに身がふわっと柔らか。
私でもこれなら美味しく食べられちゃう、鴨肉に、
とろ~っと焼かれた葱の甘みがよく合う。
そして…、郷土蕎麦第二弾の「そば法度」。
蕎麦は贅沢品と言われた江戸時代、
「これはそば切りじゃありませんっ」と、言い逃れ、
こっそり食べられていたという蕎麦は、薄く伸された板状の蕎麦。
大根や茸類と一緒に炊かれた、このかけ汁がなんて美味しい…
優しく柔らかい、飲んでる体を優しく癒すような汁にまずうっとり。
中の蕎麦は、この汁を纏い、噛みしめるとほろりとほどけながら、
じわっと蕎麦の香ばしさを残していく。
ああ、これも美味しいな~…
と、ほっこり気分になったところで、次は揚げもの「そば掻き揚げ」。
揚げられた表面は、かりっと香ばしく、中はふわっとろ。
早蕎麦もそうだったけど、ご主人の蕎麦がきは、本当に優しくて、
大根おろしの汁をかけながら、これもペロリ。
最後のお料理は、さっぱりと「なすのそばみそ掛け」。
蕎麦味噌と一緒に食べる茄子の甘みを十分に味わって…
いよいよメインの蕎麦が出される。
常陸秋そば、二八で打たれた、端正に切り揃った細切りの蕎麦は、
顔を寄せる、柔らかく広がる蕎麦の香り。
手繰り口に含むと、しっとりしなやかな腰に、するりと落ちる爽やかな喉越し。
さんざん食べた後だというのに、軽やかで、するすると入っていってしまう。
食べ続けて行くうちに、じわじわ広がる蕎麦の甘みを感じ、
ああ、ご主人のお人柄が現れたような、優しい温もりを感じながら…
お代り蕎麦は、これが見目全く異なる玄ごと挽かれた「挽きぐるみ」。
艶やかな表面には、ところどころに蕎麦の欠片が散り、
手繰り上げると、ああ、これは濃厚~
焙煎したような、香ばしい香りがぐわっと豊かに鼻孔にのぼる。
噛みしめると、これもつるりとした喉越しで、
するりと落ちながら、しかと口に残していく蕎麦の香ばしい味わいに…
ああ、もう大満足
さらりとした蕎麦湯と共に、出されたデザートの「柚子ゼリー」。
爽やかな最後の甘味が、口に体に優しく、心から満喫した思いに浸る。
ご馳走様でした~
ずっとずっと、又訪れたいと思っていただけに、感無量。
初めてお会いした皆さんとのひと時が又心から楽しくて…
Zさん、皆さん、ありがとうございました~
*おまかせ 5,500円~
「手打そば 玉江」
文京区本駒込5-34-6
03-5814-0977
03-5814-0955(そば工房)
全日予約制
2007年 7月26日 素晴らしき「蕎麦づくし」
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よろしくお願い致します♪
今度、吉祥寺でご一緒しますが、そちらにはyukaさんもご一緒にお越しになられるとの事ですので、その日を楽しみにしております。
秋山郷の方にいけば、食べられるみたいです(^^)。
食べられるお店を探してみますっっっ。
(参照)
http://www.nikkoku.co.jp/sobanokuni/031/culture.htm
これが、優しくてほんっとに美味しかったです。その土地土地にある、郷土蕎麦、楽しいです♪
めちゃめちゃ魅力的な画像に、思わず喰いついてしまい、一人で「なになにっっっ?!」
と呟いてしまいました。
私の想像力では足りないっっっ
どれもこれも魅力的です
ん~、食べたいっ、呑みたいっ
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