辿り着いたら、どっと暑さが押し寄せ、汗がポタポタ頬を伝い…
扉を開き、き～んと冷えた店内に生き返るよう。

ま、まずは、取りあえず水分補給っ



繊細な泡の立つ生ビールに、ほっとひと心地…



添えて出された揚げ蕎麦を、ぽりぽりとつまみながら、
置かれている品書きを開き、お蕎麦にお料理を一通り見ると…

あれ？、以前頂いた「田舎」の文字がない。
やめちゃったのかな、とちょっと残念に思っていると…



「本日のおすすめ」なる、品書きが挟まっている。
この暑さに「おろしそば」はうれしいし、何より心惹かれる「甘味つき」

早速これに決め、天先でお願いする事に。



程なく出される、天つゆに塩を添えた「夏野菜の天麩羅」。



南瓜に茄子、ピーマン、しめじに、じゃがいも、さらに茗荷、三つ葉の盛り沢山。
衣薄めにカラリと揚げられた天麩羅は、どこか家庭的なもの。
とは言え、種類豊富なのはうれしく、これでビールを頂いて…



お声掛けして頼んだ、「おろしそば」。



幌加内産キタワセで打たれた、やや平打ちぎみの細打ちの蕎麦には、
所々に、蕎麦の欠片が盛り込まれた、艶やかな蕎麦。



手繰り上げると、ぷんっと鼻孔を擽る、温もり感じる穀物の香りに思わずうっとり。
口に含むと、ぷりぷりっとした腰が歯に当たり、つるりとした感触に、
噛みしめると、柔らかく広がる、蕎麦の風味。

幾度かそのままの蕎麦を楽しんで、
そっともり汁に浸し頂くと、やや甘めの雑味ない汁が蕎麦によく合う。



そして…、別に添えられた大根おろしを汁に入れ頂くと…

おぅっ、辛、辛いっ…

「おろし」そば、と書かれていたので、うっかり油断しちゃってた。
きりりっと辛味のある、「辛味大根」おろしで、これが鮮烈な旨み。
そうそう、このキーンと来る、この辛味が暑い夏にはたまらな～い

クセになりそうな、この爽快な辛味を楽しみながら、
喉越しよく落ちる蕎麦を、するすると味わって…



頃合い見て出された蕎麦湯は、しっかりと白濁した濃厚蕎麦湯。
辛味大根の入った汁に注ぎ入れ頂く蕎麦湯が、美味しくたっぷり堪能



そして…、楽しみにしていた「本日の甘味」の、「野菜のゼリー」。
ほのかにトマトの風味のあるさっぱりとしたデザート。



ほっとして見渡す店内は、白い壁に、ダークブラウンのテーブル席。
座っていると、さらりと流れる風のような心地の良さがあり…
今度は、もっとゆっくりと訪れてみたいな、と席を立つ。

お勘定をしていると、ご主人も顔を出して下さり、
気になった「田舎」をお聞きすると、なかなか出ないので…と、
今は時々「オススメ」で出したりしているそう。

よかった、まだあるのはあるんだ…と、ほっとして…。

ご馳走様でした～

今度訪れた時に、あるといいなぁ。

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