今日はお友達のちょっとしたお祝いも兼ねて…、
前にお昼に伺って、夜にも是非来てみたい、と思っていた念願のお店へと。
新宿御苑駅前の甲州街道から入った静かな路地沿いに、
程なく見えてくる、すっと下ろされた目立つ提灯。
そうそう、この提灯 、と以前来た時の事が脳裏を横切り…
入口の階段の横に置かれた品書きを目にし、その奥の階段を降りて行く…。
新宿御苑 「そば・割烹 會心」
階段を降りて行くと、すっと下ろされた暖簾に、その先にさらに重厚な扉があり、
よいしょっと開き入ると…、ああ、変わらない
ゆるゆるとした空気を感じる、ほわんと体を包み込むような柔らかい灯り。
すぐに、にこにことした女将さんが出てきて下さり、
名前を告げると、個室仕立てのカウンター席に通される。
あ、ここは…!、前にお昼を頂いた時に座った席だ
と懐かしい心地を感じながら腰を下ろし、今日頂くお料理は…、
かれこれ3年近く、楽しみにしていた「夜のコース」の、「酒肴コース」。
時間もあったので、トコトコ新宿から歩いてきて喉もからから。
まずは、生ビールをお願いして、ささやかに乾杯~。
同時に出して下さったのは「揚げ蕎麦」に、「きゃらぶきと椎茸煮」。
四角の揚げ蕎麦が軽やかで香ばしく、これがビールによく合う。
…と、喉も潤いほっとしたところで、次々に並べられた前菜の品々。
きゃらぶきはしっかり味が染み、まぶされた胡麻が香ばしく…
きれいな烏賊で作られた「自家製塩辛」に、
「穴子の南蛮漬け」。
さすが、「酒肴コース」、早速これらを前にお酒を頂こうとお願いすると、
「うちのお料理に合うお酒として選んだもので…」と冷酒はひといろとの事。
早速お聞きした銘柄は、聞いた事のない初めての名前。
新潟の近藤酒造という小さな蔵のお酒だそうで、「菅名岳」寒九の水仕込み生原酒。
早速それをお願いすると、ずっしり手に重みが伝わる鈴製の徳利に、
素焼きのような、素朴な徳利が添えて出される。
繊細な薄い飲み口が気持ちよく、そっと口にするるとすっきりとしてフレッシュ。
香り豊かで喉越しの爽やかな淡麗辛口、私好みの味わいでこれは美味しい。
前菜でゆっくりお酒を味わった後は、「碗もの」浅利の味噌汁。
ぷりっぷりの浅利は味が濃厚で、このお汁が本当~に美味しい
んん~、しみじみ…。
次のお皿は、「蛸と白瓜の酢の物」。
しっかりと歯ごたえがあり、旨みの乗った蛸が美味しく、
雷干しされた瓜が、しゃくしゃくっとして甘みがじわじわ。
これには、浦霞の熱燗をお願いし、女将さんも交えて楽しんでいると…
ご主人と顔なじみのお友達のお陰で、にこにこしながらご主人が出てきて下さり、
「鮪を味わってみて下さい」と、出された鮪二種。
かすかに乗った脂になめらかな甘みを含む、鮪の味わいが濃厚な赤身に、
とろ~っと上品な脂が乗り、口に入れた途端に蕩けてしまう、中トロ。
これに、浦霞のぬる燗がとてもよく合い、お変わりをして堪能~。
と、再びご主人が出して下さった、「江戸前穴子の天麩羅」。
これが美味っし~い
さっくりとしてカラリ、胡麻油の香ばしい香りがぷ~んと漂い、
しっとりとした身の穴子は、ほどけるようにほろほろと溶けて行く。
穴子について、お料理について、さらにお蕎麦について…
と、貫録ありながらにこやかで人情味溢れたご主人のお話しに聞き入ってしまう。
と、ふと友人が、以前食べた「もずくそば」がとても美味しかった、との話になり、
「あれは、(昼も)人気があるんだよ」と、おっしゃりながら、
もずくの素材に対する拘り、出汁の拘りなどお話しされ、
「じゃあ、お蕎麦は『もずくそば』をお出ししましょう」
と、「せいろ」に変えて出して下さった「もずくそば」。
しかも、何と贅沢に、薬味には山葵に葱に添えて、いくらまで…
「生臭そうに思われるかもしれないけど、なかなか合うんですよ」
とにこにことおっしゃられるのをお聞きしながら…
まずは蓮華でそっと汁を頂くと、優しくとろみの付いた汁の、何て奥深さ。
優しくて柔らかく、清らかでありながら、染み入るように味わい深い。
その中に、繊細な繊毛のようにゆらめき絡まるもずくが、もうたまらない。
幾度か止まらず汁を堪能し、ようやく中の蕎麦を手繰り頂くと、
もずくに汁が絡まった蕎麦は、熱々の汁の中でもしゃきっとした腰があり、
蕎麦の風味にこの汁が融合する、言葉にならない美味しさ。
こ、これは、美味しすぎる~
途中で、そっと山葵を持って頂くと、山葵の風味が又清々しく、
おずおずといくらを盛り、絡め頂くと、これが確かに!実によく合う。
もう、すっかり堪能し、最後の一滴まで飲みほしてしまう。
蕎麦屋の蕎麦を超えた、料理人の蕎麦の味わいを、改めて実感し
夢中で食べている我々を暖かく見守りながら、
「きつねそば」のお揚げの拘り、
「たぬきそば」への独自の拘り、
定番の温蕎麦であれ、一つ一つの拘りをお聞きし、すべてを食べたくなってしまう。
最後に暖かいお茶を頂きながら、暖かい頬笑みの女将さん、ご主人と、
ゆっくりとお話しできた貴重なひと時まで頂いて、心から大満足。
ご馳走様でした~
幸せになる料理にお蕎麦だったなぁと、しみじみ感じながら、
又お昼にもふと訪れて、種物すべて食べてみたいと、心から…。
Hさん、ありがとうございました~
*お品書き
せいろ 700円、ごまだれ、合いだれ、根かぶ、鶏せいろ、肉せいろ 900円、鴨せいろ、スタミナせいろ 1,000円、かけ 700円、たぬき、きざみ 800円、なめこ、もやし、ニシン、山菜、鶏南蛮、肉南蛮、野菜 900円、カキ蕎麦、鴨南蛮、カレー南蛮 1,000円
(夜)酒肴コース 3,650円、サービスコース 5,250円、季節のコース 7,350円、おまかせ 10,500円~
「そば・割烹 會心」
新宿区四谷4-30 第2テイケイビル
03-3226-1700
11:00~14:30 / 17:30~22:00
土曜・日曜定休
2008年 4月 3日 「鶏せいろそば」
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又、貯金しなくちゃ、ですよ~(^^;
yuka様、メモされてませんか。
興味津津です。
もずくにも拘って選ばれているようです。
(いくらも美味しかった☆)
もう、頭がもずくでいっぱいになってしまった
帰りにもずくとお蕎麦を買って帰るか
イクラは買えないけど・・・
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