以前伺った時は、定休日だった悲しさもあり、
ずっと、行ってみたいと思っていた、那須の「ほし」さん。
そんな話をしていたところ、仲良しご夫婦が行きましょう♪と言ってくれ、
ちょっと前から計画して、今日はお友達も誘って、いざ那須へ…。
シックな雰囲気漂う那須高原の中の、御用邸のほど程近く。
木々に囲まれた小径の先に、さりげない看板が立てられ…
行き止まりの先に表れる、まだ寒そうな木々に囲まれた三角屋根。
静かに佇む、風景に溶け込んだ何とも言えないこの風情
栃木県那須 「手作り蕎麦 ほし」
お店の横に車を止め
入口へと導くアプローチ
枯れ葉が積もる石畳をゆっくりと…
次第に、とうとう訪れられたうれしさに
期待がふくらむのを感じながら
真っ白な更紗の暖簾が下げられたお店の前に。
入口横に置かれているお品書きを目にし、暖簾を潜り店内へ…
扉を開けて、一瞬ふいをつかされる。
客室が広がっているのかと思いきや、中の間へのちょっとした空間。
見とれている私に、「中へどうぞ~」と奥様が出てきて下さり、
靴を脱いで左の扉を開くと…
なんて、なんて素敵な空間
欧羅巴の挿絵にあるような、煙突のある薪ストーブが奥にあり、
ゆったりとした一枚板で出来たテーブルがどっしりと鎮座。
窓際には白木の木肌が優しいテーブルに、敷居変わりの木のオブジェ。
ゆったりとした空間に、天井ではゆっくりと回るプロペラに裸電球。
まるで、お友達の別荘にでもいるかのような、心安らぐ空気に満ちている 。
まだ昼前だったので、先客のない中、「お好きなところにどうぞ」の言葉に、
真ん中のどっしりとしたテーブルに4人で腰を下ろす。
ここでのお蕎麦は、すべてコース仕立て。
中から、お料理にお蕎麦二種の付く「山彩」(2,625円)を選び注文 。
目の前の棚には、ずらりと並んだ様々な果実酒。
飲んだ事のないような、木の実のお酒はどれも興味深いなあ。
…と、見ていると、すぐに出される「漬け物盛り合わせ」。
白菜の浅漬けに人参、甘みの濃いヤーコンの漬け物に、自家製沢庵。
これを見ちゃったら、私は、やっぱりお酒を注文~。
「冷酒」とだけ書かれたお酒は、宮城のお酒「蒼天伝」。
仲良し奥様は、不思議な味わいの「またたび酒」を選び…
こっちも珍しい、色鮮やかな「紫蘇ジュース」。
運転手さん、ごめんなさ~いっっ
お酒に添えて出されたのは、「独活のキンピラ」。
それぞれのお酒で、一つ一つどれもが美味しい漬け物を頂いていると…
毎日ご主人自ら山に入って、摘んできた山の幸で作られた、
小鉢がいくつも並んだ「山彩」のお料理が、お盆に載せて出される。
三種盛りの一つは、「かんぞう」の酢味噌和え。
優しいぬめりにしゃきしゃきとした、ほんのり甘みがある美味しい山菜に、
粕漬けはあるけど、これはちょっと珍しい「鰊の麹漬け」。
しっかり漬けこまれた麹の風味に、鰊の味わい。これはお酒にぴったり。
口に含んだ途端に、春を感じる、天麩羅になった「ふきのとうの味噌漬け」。
そして、これがとにかく美味しかった、「山ごぼう入りそば豆腐揚げ出し」。
表面がかりっとして、中がとろ~り。
蕎麦と牛蒡のコラボした優しい味わいが、口の中でとろけていく。
奥に置かれた小鉢は、初めて見る茸「ひきたけの煮物」。
優しく上品に炊かれた煮物は、それぞれの素材を生かし、茸の出汁がじんわり。
ん~、これも美味しいなー
和の中にちょっと異質な「そばパンのピザトースト」。
エリンギがたっぷり載せて焼かれたもので、この蕎麦パンがとても美味しい。
これは、ビールにも良さそう~
奥のお碗は、「原木なめこのみぞれ汁」。
大きくぽっこりと、トゥルンとした食感の原木なめこがたっぷり。
身厚で歯ごたえのある茸は、噛みしめると楽しい、濃い味わい。
大根おろしの入った、優しい味噌仕立てで、茸の風味が染み入り、
この中に、お蕎麦を入れて、食べてみたくなってしまう。
どれもが美味しいお料理で、ゆっくりと歓談しながら、お料理を頂いていると…
ふと見ると、窓の外には、ふわふわとした雪が舞っている 。
どこまでも続く枯れ木の中に、静かに舞い落ちる景色は、何て幻想的。
美味しい山里料理にお酒、そしてこの景色を、ゆっくりと堪能し…
そろそろ、お蕎麦を頂こうと、お声かけ。
すぐに蕎麦猪口かれ、続いて置かれるみっつの山になった10割蕎麦。
まずは、玄蕎麦を石臼で手挽きされた、グレーの「くろがね」から。
手繰り上げると、丹精な細切りの蕎麦からは、途端に込み上げる豊かな香り。
口に含むと、しっとりたおやかな腰が心地よく、
飲み込もうとする瞬間に感じる、ざらりと掠める蕎麦の微粉の感触。
噛みしめると、ふくよかな香ばしい蕎麦の風味が広がってくる。
そして、真ん中の、やや太めに切られた、更科のような真っ白の「しろがね」を。
口に含むとぷるっとした不思議な弾力が、たまらない心地よさ。
噛みしめると、さ~っと広がる、心に染みるような優しい甘み。
更科とは又違う、この不思議な感触に味わいで、これは美味しい
…と、再び最後の山の「くろがね」を手繰ると、これはすごいっ。
ちょっと時間を置いた事で、深く香ばしい香りが濃厚に広がり、
飲み混んだ途端に、鼻孔にぐわ~っと蕎麦独特の風味が返ってくる。
ん~、これにもう、うっとり
汁は、鰹の風味の漂う濃い目の甘みのない辛口で、やや酸味が加わったもの。
珍しい味わい、と思ったが、この蕎麦を浸し頂くと、これが実によく合う。
この蕎麦に、この汁ありき、と感じながら、これもするすると…。
食べ終えた頃合いに出される蕎麦湯には、何やら小鉢が添えられて。
花びら型のお麩(かな?)に、柚子の一片。
さらさらとした蕎麦湯を注ぎ入れ、ふっと立つ柚子の香りも楽しみ、
ほっと、あの二つの山の余韻に浸っていると…
最後にうれしいデザートも 。
もちもちとろ~りとした心地よい、まるでババロアのようなデザートは、
白玉粉と豆乳(だったかな?)で作られたとの事で、これが美味し~い
最後までゆっくりと楽しんだお料理に蕎麦に、もう大満足 。
はにかんだような笑顔で丁寧にもてなして下さる奥様に、
最後に、奥から顔を出して下さった、素敵なご主人。
ふと周りを見ると、いつの間にかテーブル席は満席に…。
ご馳走さまでした~
季節折々のお料理を、こんな空間で、しかも雪景色の中頂けた幸せ。
又、季節を違えて、伺いたいな~。
「手作り蕎麦 ほし」
栃木県那須郡那須町湯本206-839
0287-76-1737
11:30~15:30(売り切れ終い)
木曜定休
禁煙
Pあり
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雪の降る中での、このお店は、本当に素敵ですよね。
今度は、お蕎麦もご一緒したいです(^^)。
(いつも楽しく拝見させてもらってます♪、日吉、又行きたい…)
懐かしいお店ですね。
私が行った時は、雪が残っている季節でした。
また美味しいお蕎麦を食べたいです。
そう、あの「しろがね」は不思議なお蕎麦。
ぷるもちっとした歯ごたえが、たまらなくて、甘みが濃い。また食べたくなってきてしまいます…。
どぶろく、なんてあったんですか~…
(品書きにはなかった)
又、山の幸が豊富になった頃、伺いたいと思いました。(ご主人ともちょびっとしかお話できなかったのが残念…)
ええっ!チーズのお店が??
(行きたかった・・)
今回も、又、「ふくふく納豆」に寄ってきました♪
巷に溢れる更科そばとはまるで違にしてますよね「しろがね」
星さんの目指している、彼の好きなお蕎麦は「しろがね」だと思います。
開店当初に比べると僅かですが太くなってきて、更科粉と思わせないモチモチ(モッチリ)した食感、一見軟らかそうなのに腰があり、甘みを感じさせるお蕎麦。
ある意味では、他のお蕎麦屋さんでは味わえない希少な蕎麦かもしれません。
そうそう、果実酒もですが、まず通常では出合えないでしょうが、お父さんが作った自家製の「どぶろく」これは絶品です。また行く機会があったら聞いてみるといいかも・・
夏にはウッドデッキで一献もいいですよ。
暫く会ってないな、目の優しい彼に
オマケ: ほしさんの方に曲がらずにもう少し行くと「あまたにチーズ工房」と言うお店がありますよ、次回は ネッ
そうなんです、那須もいくつも魅力的なお店があって、迷うところです。
(木曜日休みが多いので、要注意♪)。
中でも、こちらはよかったです。
旅はいいですね~しみじみ…。
素晴らしいお店です。
機会作ってでも、是非…。
那須にはいくつもの魅力的なお店があるので、又足を運びたくなってしまっています。
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