と、扉を入ると、午後４時という時間にも関わらず、
何人かのお客さんが、やっぱり同じ気持ちなのかな～、
雪見酒…（蕎麦前か）を、楽しんでいる。

私も、雪が積もったコートを脱ぎながら、すぐにお願いする、熱燗一合



腰を下ろした頃合いに出された熱燗は、口に含んだ途端に体をほお～っと



窓から垣間見る、降りしきる雪を眺めながら、口にする熱燗がたまらなく、
お通しの、ちょっと甘めの玉子焼きが、熱燗にいいなあ～…



あてには、まだここで食べてなかった「蕎麦味噌」を。
こってりとして、牛蒡も練り込まれた味わい深い蕎麦味噌がたっぷり。

この濃厚な味わいに熱燗で、しばしゆったりと雪見酒を堪能し…

今日の「三色そば」をお聞きすると、
２月の「胡麻切り」に今月の「蓬切り」、それに定番の「田舎」だそう。
「胡麻切り」はまだ食べた事がなかったので、ラッキー♪と、早速注文～。



程なく出された、みっつ彩よく盛られた「三色そば」。

初々しい花番さんに丁寧に説明して頂き、まずは初めて頂く「胡麻切り」を。



茅場町長寿庵の、真黒な胡麻切りを想像していただけに、
透けるような繊細な「さらしな」に、所々に入り混じる黒胡麻が美しい。

口に含むと、ぷるんっとした心地のいい腰があり、
噛みしめると時折この胡麻が歯に当たり、途端に広がる胡麻の風味。
「さらしな」の甘みに胡麻の香ばしさ、これがふわっと広がり…
ここの「胡麻切り」、これもいいな～



そして、渋い緑の中に、蓬の葉の繊維が見えるような「蓬切り」。
手繰り上げるとふわりと漂う、蓬の葉独特の香りに、春を思わせる。

噛みしめると、あの大福を思い出す、蓬独特の風味が爽やかで、
雪は降っているのに、幼い頃摘んだ、蓬の葉の香り風味が蘇ってくるよう。



そして最後に定番の、どっしりとした太打ちの褐色色した「田舎そば」。

手繰り上げると…、ん？寝かせているのかな？？
甘みのある、まるで小豆のような香りが豊かに漂う。

口に含むと、むっちりしっかりとした腰があり、噛みしめ噛みしめ…
ゆっくりと味わうと、じわじわと広がる穀物の甘み。
今日の田舎は、どこかだだ茶豆のような風味があり、これは美味しい

三色の蕎麦を満喫し、やっぱりここの変わり蕎麦は旨い！と実感。
最後に、さらさらとした熱々蕎麦湯をゆっくり頂き、
居心地のいい空間に去りがたく憩っていると、次々と入ってくるお客さん。

やっぱり 、雪が降ったら「雪見酒」なのかな～
などと思いながら、席を立つ。

ご馳走様でした～

来月は…、毎年これも楽しみの、「桜切り」だ

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