午後1時過ぎ。
店内のカウンターには、静かに憩うお客さん。
私も混じり並んで、端の椅子を引き腰を下ろす。

まずは･･･、連休中がまんしていた蕎麦前を頂きたく、「菊酔ひ膳」を。
お酒は定番の中から「上喜元」を選んでお願いする。



二品付く「酒肴の小鉢」には、うれしくも「長芋のしょうゆ漬け」に「穴子の煮こごり」。

すっきりとして口当たりの軽やかな「上喜元」を頂ながら、好物のプルンプルンっとした、「穴子の煮こごり」を。



しっとりとして口に含んだ途端にとろ～り
軽やかで上品な味わいの「菊谷」さんの煮こごりは、本当に美味しい。



しかも、このぷるっぷるの煮こごりの下には、ふわふわとした身の穴子がたっぷりと横たわっているのが又うれしい。

そして、もう一品の「長芋のしょうゆ漬け」。
一瞬、あん肝？？と、思ってしまった、珍しく輪切りで出された一品。



がぶりと頬張ると、さくっさくとした軽やかな歯ごたえが心地よく、しっかりと味の染み入った長芋が美味しい。ほのかに山葵の風味のする長芋のしょうゆ漬けは、日本酒にぴったり。

この二品に、半合のお酒はあっと言う間･･･。
あと少し頂こう～と、今度は「店主の隠し酒」と書かれたホワイトボードを見つめ、中から「春霞冷おろし」をお願いする。



と、一緒に置かれていた「日替わり酒肴」の品書きが以前から比べてとっても豊富。
「さんま」もあるんですね～♪
などと話ながら、ちょっとだけ頂いた「さんまの筒煮」。



ほろほろっと身のの崩れるほど、柔らか～く炊かれ、味の染み入った秋刀魚が旨いっ！これで、しっとりと熱燗を合わせるのもいいだろうな～･･･などと思わせる。



居心地のいいカウンターでゆっくりと頂く、この上ない贅沢な蕎麦屋での昼酒 。
しみじみと味わい、時折ご主人達と交わす会話も楽しく･･･、すっかり時の経つのを忘れてしまいそう。

と、久々にのんびりした後には、お目当てのお蕎麦を頂こうと、改めて品書きを見つめると･･･


ん？値段に取り消し線？
見るとこのご時世なのに、なんっと値下げしているっ

円高還元？（なわけはなく･･）お聞きしたら、これまで二八だったのを九一に変えたから･･･、とのこと。
「値上げはしたくなくて･･･」
と話すご主人の心意気がうれしい。


と目で追い、お目当ての蕎麦、「季節の蕎麦」を発見♪



これこれ♪楽しみにしていた、「鴨そぼろとキノコの蕎麦」。
これを、九一と十割の「利き蕎麦」でお願いすることに。



頼むと程なく、まずはたっぷりとよそられた湯気を立てた「鴨そぼろときのこ」の汁が置かれ、続いて「九一」蕎麦が置かれる。
横にそっと沿えて置かれた、黒七味が又うれしい。

まずは、北海道の新蕎麦で打った、こちらでは初めて頂く「九一蕎麦」から。



透明な蕎麦の粒が浮く粗挽きの丹精な細切りの蕎麦は手繰り上げると、新蕎麦とは思えないような濃い香りがふわ～っと漂う。



うっとりしつつ口に含むと、心地のいい腰加減。
噛み締めると、しっくりと歯を包む感触が楽しく、じわ～っと香ばしい蕎麦の風味が広がってくる。
これは美味しい
これまでの十割に、ふわっとした優しさが加わったような感触。その後に追ってくる風味に、せっかくの汁を漬けるのを忘れてしまいそうになりながら･･･

楽しみにしていた「鴨そぼろとキノコのつけ汁」を♪



一手繰り浸し口に含んでみると、これがすごい。
鴨汁より濃いのでは･･･と思わせる程、鴨の風味がじっくりと染み渡っている。
これは濃厚～！
鴨肉は苦手ではあるが、鴨の出汁は大好きなので、これは旨いっ 。

その中に浸された、エリンギにエノキ、しめじのしゃきしゃきとした歯ごたえも楽しく、蕎麦に絡め頂くと、もういくらでも食べてしまえそう。時折絡まる鴨のそぼろが又いい感じ♪



と、あっと言う間に食べ終えた頃合に、長野の新そば「生粉打ち」が置かれる。



もう長野も新そばなんだ･･･と、驚きつつ手繰る蕎麦は、これも香りが濃い。



口に含むと、さすが生粉だからだろうか･･･。もちもちっとした歯ごたえを感じ、ダイレクトに風味が押し寄せてくる感覚。
どちらも甲乙つけがたく、しばしこれもそのままで楽しみ･･･、
その後で漬け汁で頂き、と、心から堪能しきってしまう 。


余韻に浸りながら、程よく白濁した蕎麦湯を注ぎいれ、この鴨そぼろ汁をゆっくりと楽しんでいると、ふと、小さく置かれた「お知らせ」の紙。



ランチタイムのサービスで、玄米ご飯を始めたとの事。
玄米は私も好きなので、ちょっとお聞きすると、福島県あだたら高原の無農薬有機栽培の玄米だそう。
「これが、美味しいんですよ」
と、ちょっと味見してみませんか？とちょこっと出して頂いた玄米ご飯。

もっちもちとして柔らかく、甘みを感じる味わいのある玄米。
これは美味しい。
出されたごま塩が又よく合い、これはなかなかいいサービス♪

季節のお蕎麦や、日替わりで出される楽しいお料理。
そして、ますます美味しさを増してくるお蕎麦に、目が離せない。

ご馳走さまでした～

今日もたっぷり堪能させて頂き、満足な心地でお店を後に。
次は･･･、何を頂こうかな♪



「手打そば　菊谷」

練馬区石神井町3-27-16
03-5393-6899
11:30～14:30 / 17:30～21:00
（日曜 11:30～17:00売り切れ）
月曜定休 禁煙
これまでの訪問

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