とはいえ、せっかく来たのだし･･･、と扉からちょっと顔を出してみると、
「もうお蕎麦残ってないんですよ」
と、女将さんの声。
あああああ････、と、がっかりしていると
「一人分なら大丈夫だよー」
とご主人がおっしゃって下さり、なんとか入れる事が
　
先客は3人ほど。
皆さん揃って、美味しそうに茄子の田楽のようなものを食べているのを眺めながら腰を下ろし、ホワイトボードの品書きを見上げると･･･



「米茄子柚子味噌焼き」を始め、「帆立の塩焼き」など美味しそうな品書きが書かれてる。

私もこの米茄子を･･･と、思ってお願いしようとしたら、もう終わってしまったとのこと
しかも、そろそろ2時のラストオーダー。
今日は、さくっとお蕎麦だけ頂こうと、こちらでのお気に入り、「おろしそば」をお願いする。



頼むとまずは、様々な小鉢がお盆に並べられる。
大根おろしに、鰹節、葱、山葵の薬味に、鶉の卵



続いて、俊敏に水を切る音が聞こえ、目の前に笊に盛られた蕎麦が置かれる。



丹精に切りそろった細切りの蕎麦。その表面には透明な蕎麦の粒が盛り込まれた上品な粗挽き。



「新蕎麦もあるんだけど、ちょっと納得しなくて」と、
茨城と福井の蕎麦を挽きブレンドして打ったとの蕎麦は、手繰り寄せるとふわりと香る芳しい穀物の香り。



口に含むと、優しさを感じるしなやかな、しっとりとした口当たり。噛み締めると、ほろりと解けていくような、美味い蕎麦。
しばし、何もつけずに楽しみ、、その後でまずは汁を注ぎ浸し頂くと、鰹の風味豊かなまろやかな汁が、これ又美味しい。

その後で、大根おろしだけ入れて･･･
次に、大根おろしに鰹節を加えて･･･
と、それぞれの味わいを堪能しながら、最後に鶉の卵を溶きいれると･･･



んんん～っ、たまらなーい

大根おろし、鰹節の入った汁に、鶉が入ったことで途端まろやかなコクが加わる。
それが蕎麦とよく絡み、もうここまで来たら、夢中で手繰ってしまう。

そして･･･
最後に、熱々の蕎麦湯を注ぎいれ、ふわりと熱の加わった卵蕎麦汁。
これを頂く、ほっとさせられる最後の余韻のひと時･･･。
蕎麦前から楽しむ時間がなかったのは残念だったけど、このお蕎麦に大満足。

ご馳走様でした～ 。

今度は、もうちょっと早めに訪れて、又ゆっくりとご主人とお話しながら、蕎麦前もしにこよう･･･。


＊お品書き
もりそば、かけそば 750円、おろし 950円、とろろ（冷、温）1,000円、鴨南蛮 、つけ鴨 1,350円

焼き味噌 400円、板わさ 450円、だし巻き卵 550円、鴨ロース焼き 1,000円、北海道ししゃも、帆立塩焼き 700円、バクライ 500円（他、日替わりメニューあり）
風の森、義侠 750円、宗玄 700円、立山 600円、ビール 600円



「蕎麦家　ふじ多」

渋谷区本町6-28-9
03-3320-4863
12;00～14:30 / 17:30～20:30
火曜、水曜定休 、木曜昼のみ
禁煙
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