今日は、箱根から戻ってきた友人を尋ねよう~と、お誘いを受け、蕎麦友達が方々から集まり、長年の希望叶って伺う事が・・・
柏駅からタクシーに乗り込み、向かうと程なくし、「入り口でいいですかね」との、運転手さんの言葉で降ろしてもらうと・・・、
何とも立派な、まるで城壁のような石瓦が乗った白塀が、ぐるりと取り囲んだ建物が目の前に。
その先の、屋根付き門の入り口には、上品に置かれた「竹やぶ」の看板。
ほぉお~っと見とれている私に、「ここは裏口だよ」との言葉。
だったら、やっぱり♪せっかくなのでその下にある、正門へと坂を下って降りていくと・・・
和やかな公園を前にして、上の門とは打って変わって、洋風な鉄門。
横文字で書かれた「TAKEYABU」の看板に、所々に作られた飾りや置物など、欧風庭園の入り口かのよう。
柏 「竹やぶ」
わくわくする気持ちを感じながら、門を潜り中へと・・・。
門を一歩踏み入れると、まるで別世界 。
様々な石にガラス玉が埋め込まれたテーブルや、小さな石橋、緑に囲まれたちょっとした広場が広がる。そこここに心惹く演出があり、あちこちと歩き回っていると、子供心に戻ったようにうきうきとしてしまう。
そして、その横に続く石畳の階段を登っていくと・・・、
曲がり角々に、これも不思議なオブジェなどが置かれていて、その都度見入ってしまう、興味深いもの。欧風?アジアン?どこともつかぬ、様々な異国の雰囲気がところかしこにあり、不思議な心地に浸っていく・・・。
さらに続く階段を登るうちに、この感じ、どこかで・・・、と記憶を思い巡ると・・・
そうだっ、香港のタイガーバーム公園、いや、長崎のグラバー亭?
と、(かなり)前に訪れた風景がふと思い出されながら、どんどん、どんどん期待に胸が膨らんでくる。
ああ、これが所謂、阿部ワールド。
この過程を含めて、それが「竹やぶ」の蕎麦なんだ・・・
そう遠くで思いながら、心はすっかり魅了されている・・・。
未知なるものへの期待の気持ちは高まりながら、登りきった所には、くり貫かれた洞窟のような入り口。
おずおずと入ったそこは、ベンチが置かれ、うっすらとした暗がりのちょっとした間。
このちょっと不思議な空間は、憧れのお店への扉を前にした最後の間。
足元には外に繋がる小さな池が作られ、金魚が何匹が泳いでる。
くり貫かれた窓から静かに光が差し込み、こころざわめく不思議で神秘的な感覚を呼び起こす。
と、ここで皆揃い、待っていると、程なくして暖簾が掛けられ始め・・・、
「どうぞ~・・・」
と、花番さんに通され、今日集まった7人でお店の中へと。。
入った店内は、うっすらとした暗がりに通路が延び、両側にテーブルが置かれてる。
どこか異国の赴きのある飾りつけや、所々にかけられたステンドグラス、素敵な置物などを見ながら、奥の個室の部屋へと通される。
靴を脱いで上がった個室仕立ての小上がりの席は、和風のしっとりとした掘りごたつの部屋。
アンティークっぽい手作りのような置物がそっと置かれたり、下げられた灯りも風流で、ふっと心和んでしまう。
揃って腰を下ろし、置かれているずっしりとした品書きを開く。
1ページに1ページ、和紙に丁寧に書かれたお品書き。
何にしようか、とあれこれ話しながら見ていると、花番さんに
「これがお得ですよ」、と薦められ・・・
中の「そばおためしコース」というのを取り合えず、お願いすることに。
まずは、ビールで乾杯~。ビールのあてには、軽い口当たりの美味しい揚げ蕎麦。
これで、ほのぼのと歓談していると・・・、
黒い器に盛られた「そばがき」がそれぞれに置かれる。
ちょこんと乗せられた山葵がとても新鮮で、香り高い。
そして、その下のそばがきのあまりの粗さに目を見張る。
まるで、胡麻か米粒のような蕎麦の欠片がびっしりと包まれた、しっとりとしたそばがき。
口に含むと、ふわっとしながらざらりざらりと感じる感覚が何とも言えない。中に、そっと岩塩が混ざっているのもおもしろく、何もつけずとも味わい深い、超粗挽きのそばがき。
そして、これにさっそくビールからお酒に変えて。
「天狗舞」を熱燗でお願いすると、それぞれ違う手作りの猪口が置かれる。
お酒にも又べつに充てが置かれ、うれしい、山葵漬け、蕎麦味噌、干鱈の三点盛り。
ここで・・・、追加で、玉子焼きに掻き揚げを注文。
7人で二皿お願いした玉子焼きは、それぞれ一人一切れずつ盛って出してくれる、細やかな心配り。
丁寧に巻かれたほかほかの玉子焼きは、口に含むと甘さをぐっと抑えたそのままで程よい味付け。出汁の味わいがしっかりと感じられるもので、お酒によく合う。
そして、これも二皿お願いした「掻き揚げ」。
きれいに円盤型に作られた掻き揚げには、サクサクの揚げ玉が盛られているのがおもしろい。
(でも、あまりに上品、小さいんだな~~・・・)
箸を入れると、ぷりっぷりの海老がいくつもいくつも。
さくっさくの衣は軽やかで、中の海老も旨味が濃い。
さらに一つ、ヌキではなくお願いした「天ぷら蕎麦」は、漆器の器で出される。
蓋を開けると二段が重ねになっていて中に掻き揚げが置かれてる。
これは面白~い 。
そして、天ぷらの下のかけ汁に、この掻き揚げをそっと入れると、途端、じゅわ~っっ、と心地のいい音が立つ演出まで。
皆でぐるりと回して、一口ずつ頂くと、すっとした汁に天ぷらのコクが溶け出した汁が美味しい・・・。
歯ごたえをしっかりと残した蕎麦に、とろりとした天ぷら衣。そしてぷりぷりとした海老が合わさる贅沢な味わい。
そして・・・
「皆さん、お酒を飲んでいるようなので、にしんそばの鰊を先に別でお持ちしましょう」
と、花番さんが気を遣って出して下さった、鰊煮。
ぴかぴかと照り輝く鰊は、こってりと煮込まれ、ほろほろと身のこぼれるような鰊で、これは美味しい・・・
横には、とろとろの煮昆布に、煮こごりまで添えられていて、この煮こごりが又絶品。口に含んだ途端に、とろりと溶け、凝縮した鰊の旨味がふわ~っと広がる。ん~・・・、たまらない。。
これで、ゆっくりとお酒を頂きながら、会話の弾む和やかなひと時間 。
すっかりまったりとしていると、
「そろそろ、お蕎麦を・・・」
とのお声がけに、はっと身を整える。そして、程なくそれぞれ「せいろ」か「田舎」を選んだお蕎麦が目の前に。
私が選んだ「田舎そば」は、笊ではなく木の器に盛られ、薬味は青葱に大根おろし。
目の前の田舎蕎麦は、以前、六本木のお店で頂いた物とは異なる、透明感の強い細切りの蕎麦。
その透けるような蕎麦の中に、細かな蕎麦の粒が散りばめられている。
手繰り寄せると、強くはないがそこはかと香る蕎麦の香り。
口に含むと、ぷるぷるっとした口当たりが心地いい。上品な田舎蕎麦という感覚だろうか、かみ締めると優しく風味が広がってくる。
一方、「せいろ」を選んだ友人達の蕎麦は、遊び心のある石臼型の木の器に盛られてる。
せいろは、蕎麦の粒の混じらない丹精な細切り。
交換して頂いてみると、心地のいい腰加減に滑らかな喉越し。噛み締めるこちらもふわりと風味が漂う。
そして、続けてセット最後の「にしん蕎麦」のかけそばが出される。
手に丁度収まる陶器の器は、これも銘々皆違うもので、見ているのも楽しい。
それに張られた琥珀の汁を、まずそっと頂くと、すっきりとしながらもまろやかで膨らみのあるかけ汁。
体にすぅ~と、優しく染み渡るような柔らかな感覚があり、滋味深く旨い。
すうっと何度も汁を頂き、蕎麦を手繰り口に含むと、温かい汁に浸されても腰を残した蕎麦の感覚がうれしい。
汁に絡まり、もちもちとした感触を楽しみながら、あっと言う間に頂いてしまう。
見ると・・・、
皆な揃って、汁まで完食~
さらさらとして優しく白濁した熱々の蕎麦湯を注ぎいれ、もり汁の旨さを堪能しながらゆっくりと頂いていると、甘味の「水あずき」が出される。
冷んやりと冷やされた水あずきは、口に含むと途端に、とろ~っと溶けてしまう、繊細な程の滑らかさ。甘さ加減も丁度程よく、これは美味しい・・・。甘いものであるはずなのに、すっきりとした感覚になる、絶品デザート。
出して頂いたお茶を頂きながら、ふう~っと感じる満足感。
憧れの「柏竹やぶ」で頂けた事が何よりもうれしく、そして、皆との会話のひと時が又、素敵なひと時に・・・。
ご馳走さまでした~
最後に再び、不思議な魅力に覆われた店内をぐるりと見渡しながら、お店を後に・・・。
そして・・・、
まだまだ話足りない気分で、下の喫茶店「ストリーム・ヴァレー」で、珈琲を・・・
Hさん、心から・・・、ご結婚、おめでとうございます♪
Kさま、ちょっと遠くのKさま、著名なKさま、Hさま、Mさま、Yさま、ありがとうございました~♪
「竹やぶ」柏本店
千葉県柏市柏1144-2
04-7163-9838
11:45~7:45
木曜定休 禁煙 Pあり
お店のHP
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なかなか伺えないのですが、
一度は訪れないとの柏の「竹やぶ」、羨ましいです。
蕎麦がきもぜひぜひ!。
素敵ですよー♪
柏 竹やぶで検索したらyukaさんのブログにたどり着きました。
美味しいお蕎麦ですね。次回はそばがきも頂いてみたいです。
景観も蕎麦も、好きなお店です。
千葉県では成田の初音庵に数回行きました。
はい、でも・・・
暑いですよね~っっ
・・・・・・。
暑くて、つい気晴らしというか、バカな事が言いたくて・・・。
失礼しました。
でも、毎年少しずつ、いろいろと変わっているそうなので、以前とは違っているのかもしれません。
ぜひ、又伺ってみてください。
このお試しこーす、よかったです。
でもって、この雰囲気の違い、サプライズの連続でした。
私も、この透明感にはびっくり。
ぷりぷりとした感触で・・・。
友人達のお話によると、以前とちょっとずつ変わってる、とのことです。いろいろ研究なされているんでしょうね・・・。
どのお店とも又違う、魅力溢れたお店です。
ぜひ・・
そうそう、こちら方面もいくつかあって、まだまだ行きたいところが目白押しです。
開店した年からガイドブックに載っていたのを思い出します。
でも、こんな感じだったかなぁ。
ちょっとyukaさんのレポートと違った雰囲気だったような気がします。
それだけ年月を重ねたということなのか。
有名になり過ぎてから行っていませんが、このレポートを見てまた行きたくなりました。
玄爺で御座います。
裏口が玄関でもおかしくない位に立派な裏口ですね(笑)と、うって変わって表門の面白い事ひと際です。
異国の雰囲気。未知なるものへの期待。ブログを読みながらyukaさんの言葉が玄爺の頭の中に染み込み、「確かに」と思いました。
それにしても田舎の透明感はなかなかそそりますね。どうやると この透明感が出るんでしょう。。。玄爺が打つ田舎は単純に黒くなっちゃうんですよね(笑)
あの、おためしコースでお酒をまったりと、それだけで至福の時間を頂ける、素晴らしいお店だと思いました。
そして、あのストリームヴァレー、ここが又よかったです。今回は7人で伺ったので、ストレートは遠慮し、私は水出しという言葉に惹かれ、アイスコーヒーを頂きました。(それとスコーン)。
次回、ぜひ、マンデリンのストレート頂いてみます。
地下へ螺旋階段を降りて行くトイレが又、どきどきしながらで楽しかったです。
二つ合わせて、遠いけど、足を伸ばすだけの価値あるお店、そう痛感しました。
そして、お店へのアプローチに内装、想像していた以上のお店で、感激です。
こんな機会を下さったこと、私もとても感謝したいです。
そして、皆さんとのお話、楽しかったですね(^^)。
私も、喜悦のお蕎麦屋さん同士がお話されているのを聞いているのがとても興味深くて・・・。
素敵な一日でした(^^)
お気持ち、すごくよく分かります。
でも、一人でぼおっと・・も、いいお店でしたよ。
(量はやっぱり、でしたが^^;;)
お店へのアプローチ、内装、流石、これが「柏竹やぶ」と堪能してきました。
わ、分からないっっ(焦)
「新店」ぜひぜひ!
なんだか、最近不発が多いようで、私も涙しながら読んでいました。(おおげさ?)
だってだって、最後に「臨時休業」なんですもん~っ、
その気持ち、痛いくらいに分かります(涙)
NHK、見ればよかった~
○くる○好きなんです。。
竹やぶ柏本店は私にとってそんなお店の1つです。
“ちょっとお任せ”とお酒を少々いただいて数千円。蕎麦屋の価格と思えば確かに高価。でも満足度で図れば2時間コースの西洋料理のランチならこの位は妥当な範囲内(個人的に)だと思います。
そうそう、季節が冬なら鴨鍋を追加していただくとお酒には最高です。あの出汁に鴨、それに蕎麦掻(ミル挽きではなく普通のふんわりした)が入っていてそれは美味ですよ。
最後の締めに忘れちゃいけないストリームヴァレーのコーヒー。
間違いなく名店(名手)です。
私はコーヒーの品種による明確なテイストの違いをこの店で始めて知りました。
竹やぶでお腹を膨らませてから飲むマンデリンのノワールが私のお気に入りです。機会がありましたらどうぞお試しあれ。
行く度に、少しずつ、玄関まわりやら、
ストローク、渡りの小池が変わっています。
蕎麦掻は、びっくりしました。
相当研究して、手法も手をかけてありましたね。
yukaさんとTさんのたのしそうな会話、気鋭の蕎麦屋さんのご亭主どうしの気合の入った会話を聞いていると
幸せでした。
この蕎麦会にお誘いいただいた方々に
この場をお借りして御礼申し上げます。
一人でブラッといくようなお店でもないし,行き着けの蕎麦屋のご主人によると「三口で一笊終わり」って聞いたもの。
お仲間とお酒を酌み交わしながら,が良いのでしょう。
でも,内装は流石!蕎麦会の気鋭と名高いご主人のお店ですね。
F国のS市にある手作りのお城(P)を思い出しましたよ。
見た目に上品で美しい蕎麦を打たれますね。
今度、なかなか行き着けない当地の「新店」に行きつけ
たら、「Y.昼から酒」トピでご報告させていただこうかな?
と思います。(だ、ダメかも...;;;)
今夜やってたN◎K番組のYルトMモト選手、カッコ
よかったです。あれって新「X」なんすかぁ?
(テレビは滅多に見ない)
(M氏は当方スタイルかな?って。で~んでん「ラベル」は
違うけど・・・orz)
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